2005年6月15日
今週は、新聞連載「好きが高じてワイン造り」7回目の紹介です。
過去の記事コピーは、こちら。Vol.1,
Vol.2 , Vol.3,
Vol.4. Vol.5,
Vol.6
発酵が終了し、熟成の段階になりますと、「lees」と呼ばれる固形物が樽(たる)の下に
沈殿してきます。ある程度、酸素に触れても構わない赤ワインの一部は、「澱(おり)引き(ラッキング)」を
施し、この沈殿した澱を取り除きます。樽の上澄みの部分を他の樽に移し、澱が残った樽を掃除する
方法です。
白ワインの場合は、酸素に触れることを良しとしないものが大半で、従って私のシャルドネもラッキングを
することなく、時折、専用の器具を使って、樽の底に沈んだleesを攪拌(stir)しておりました。
六月に入ると、白ワインはそろそろ瓶詰めの段階を迎えます。
昨年夏にオープンしたクラッシュ・パッドでは、これが初めてのボトリングとなるわけで、
そのための場所作り、用具の設置が今、急ピッチで進められています。
ワイナリーがそういう作業を進めている一方、マイワインの造り手である私が
やっておかなければならないことの一つが、ラベルの作成です。
ワインを市場に出し販売を行うのであれば、プロにデザインをお願いするのが正当法なのでしょうが、
今回の私のように、まったくの楽しみ(&学習)でやっている限りそのようなエキストラの経費は
かけられません。
かと言って、白い用紙に必要最小限の文字だけが印刷されているラベルというのも、面白みがありません。
そこで思いついたのが「身内の利用」でした。私自身にはまったくその血が引き継がれていないのですが、
母親が油絵の画家であり、作品のひとつに「ワイナリー」と題した絵がありました。
個展を開いた時にも人気があった作品で、購入ご希望の方も少なからずおられたのですが、自分でも好きな絵だからと
母が大事に手元に置いてあるものです。
この絵を私のワインのラベルに使いたいと申し出たところ快諾を得ましたので、これ幸いと、作品使用代も払わずに
スキャンしたのでした。
写真(上):攪拌する棒は、このようなものもあります。
写真(下):遠くからでも一目でわかる、「No ML」の赤いシールが貼ってある私の樽。
母の絵は、ポストカードに仕立ててあったものを持ち帰り、クラッシュパッドに渡しました。
それを、クラッシュパッド専任デザイナーの方がスキャンし、3種類ほどのラフ・スケッチを作ってくださいました。
その中から、好きな色合い、デザインを選び、裏ラベルの文章も考えて、最終案として提出。
今、クラッシュパッドではボトリング設備設置の最終段階に入っており、これが完了し次第、マイ・シャルドネができあがります。
恐らく、7月あたまあたりになるかと思われます。
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