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今週は8月21,22日に、サンフランシ
スコ・フォートメイソンで開催された、
恒例一大ワイン・テイスティング・イベン
ト「FWOC(ファミリー・ワインメーカーズ
オブ・カリフォルニア)」のレポートを
お送りします。
(同イベントの2003年レポートは、こちら。2004年は、こちら。)
年間を通じて、様々なテイスティング・イベントがあちこちで開かれていますが、参加ワイナリーの数、
出されるワインの数、入場者数、すべてにおいて、おそらくカリフォルニア最大の規模を誇る
イベントが、このFWOCです。
昨年から、日曜日が一般公開(前売り券35ドル)、月曜日がトレード及びメディア・オンリーと
2日間にわたって開催されています。
そして今年から、秋リリース前に希望ワインをディストリビューターが確保できるようにと、
毎年11月に行われていたものが、8月開催に前倒しされました。
この時期にサンフランシスコを訪れることがあったなら、是非、行ってみて頂きたいです。
前売り35ドル、当日券でも40ドルというのは、とてもリーズナブルな料金ですし。
参加ワイナリー数、約370、しかもひとつのワイナリーで数種類のワインが出されるのですから、
これ全部をテイストするなんて、2日両方通ったとしても、到底無理というものです。
事前に、FWOCのサイトに載っている参加ワイナリーのサイトに入り、興味を覚えたものだけ
そのブースに訪れる、という方法を取っていましたが、それでも、300以上のワイナリー・サイトを
ひとつひとつ、チェックするのは相当、体力と時間を要します。
今年は、そこで、ヴァラエタル一本勝負に出ました。
マイ・ワインを造ったことは、当「あれこれ」の「新聞連載シリーズ」でご報告していますが、
2004年ヴィンテージでシャルドネにトライしたあと、今年2005年ヴィンテージは、
(凝りもせず)、ヴィオニエを手がけることになっています。
FWOCサイトで、ヴァラエタル別リストを見て、テイストしたことがないワイナリーのものを
ピックアップしました。
以下、ヴィオニエを中心に、その他のものでも印象的だったものを記しておきます。
(註)「Vyd」=Vineyard
Amazon Ranch 2004 Viognier Domiano Vyd $30.00 |
ヴィオニエしか作っていない、これこそ 「ファミリー・ワイナリー」。 2004年ヴィオニエは、シエラ・フット ヒルのドミアノ・ヴィンヤードのフルーツ から造られており、生産量たったの 200ケース。 ワインメーカーの奥様、クリスティンさん がサーヴされていましたが、彼女は 5姉妹のうちの一人。生まれ育った ナパの場所が「アマゾン・ランチ」と 呼ばれており、そこからワインの 名前がつけられました。 「私も背が高いけど、母も他の姉妹も全員、デカいの。」と クリスティンさん。 パンフレットに、ワインメーカーのご主人Allanさんがこう 書かれています。 「Amazon Ranch wine is dedicated to strong and courageous women everywhere」 |
Anglim Winery 2003 Viognier Bien Nacido Vyd $22.00
2003 Viognier |
映画「サイドウエイズ」で脚光を浴びた エリア近く、パソ・ロブルスにある 小規模ワイナリー。 ローヌ品種のみを扱い、シラー、グル ナーシュ、ヴィオニエ、ルーサンヌ、 シラーのロゼを造っておられます。 オーナー&ワインメーカーのスティー ヴ・アングリムさんは、昔、ロサンゼルス の日産でお勤めされていたことがあるとのことでした。 ピノ・ノワールで有名なBien Nacido畑のヴィオニエは、 酸味がキリっと効いて、ライチーとハチミツの味わい。 Fralich畑のヴィオニエは、アプリコットの風味が増し、 まったり感が前者のものより強かったです。 どちらも、とっても美味しい。ラベルもシンプルで美しい。 |
Clautiere Vineyard
2003 Viognier |
とにかく、ブースにおられたマネージャ ー、Robert(仏風にロベールと発音)の 底抜けの明るさ、熱心さに圧倒され ました。だからというわけではないです が、数あるヴィオニエの中で、ここの ヴィオニエが一番印象的でした。 好みに近いヴィオニエ。発酵も熟成も ステンレス・スティ−ル使用、二次発酵 (マロラクティック発酵)もブロック。 強すぎない酸味と、ピーチ、洋梨の 味わい。 高級ワインの味わいはないかも しれませんが、季節を問わず、肉厚な 魚料理にぴったりくるヴィオニエだと 思いました。 ワイナリーのサイトには出ていません が、ポートも少量作っており、「あとで 戻ってきてネ、ポートが好きなら」と ロベールに言われ、その通り最後に 立ち寄り、テイスト。これが、また・・・。ああああ、極楽。 |
Spann Vineyard
2003 CH-Vio Blend |
ウエブサイトを立ち上げていないワイ ナリーです。奥様のBetsy Spann さんが「Winegrower」、ご主人の Peterさんが「Marketing」を担当して いる、極小ワイナリー。左のワイン名 は、私が勝手に略して書いてあるもの ですが、シャルドネ75%、 ヴィオニエ25%の白ブレンド・ワイン です。ドライ・アプリコット、ピーチ、洋梨 の風味、酸味は低め。 どちらかというと、酸味がガツンと感じら れるものが好みなのですが、スパンのブレンドはメローな、 大人っぽい味わいがあり、なかなか素敵なヴィオニエだと 思いました。ベッツィーさんが、またとても素敵。 |
Terremoto
Cellars
2004 Viognier |
知名度がさほどないワイナリーばかり 狙うせいか、私が立ち寄るブースは、 大抵人が少なく、ヒマそうにしている気 がしました(笑)。このTerremotoに 立ち寄ったのは、Suisun Valley (ススーンと発音)のフルーツを使って いるからでした。 ワイナリー施設自体は、マリン郡の産業 地帯にあるテレモトは、ミルウオーキー に住んでいたワイン大好きの若いカップ ル(Chris&Karen Gallien)が、 2002年にカリフォルニアに移住してきて興したワイナリー です。奥様のカレンさんがワインメーカー。 Suisun Valleyはナパの東、山をひとつ越えた向こうに あり、ヴィオニエが比較的多く栽培されているセントラル・ ヴァレーに近い気候を持ちます。 ステンレス・スティール・タンクでの発酵、熟成、そして マロラクティック発酵をさせずに造られたヴィオニエは、 ほのかに甘く、酸味がバシっと効いていて、さぞや、 タイ料理などのスパイシーなアジア料理に合うだろうな と思わされる、ナイスなワインでした。 |
Wattle
Creek 2004
Viognier |
ラベルに使われている花は、アカシア の一種で、これが「Wattle」という名。 Russian River Valleyのご近所、アレキ サンダー・ヴァレーとアンダーソン・ヴァレ ーの境あたりに、ご自分達のヴィンヤード を所有しておられ、ワトル・クリークの ワインは全てEstate Grownです。 私が造るヴィオニエも、ここの近くの畑の フルーツを使いますので、とても興味が ありました。 グリーン・ライムの風味が爽やかな、実にクリーンな ヴィオニエでした。サーヴしていたマネージャーさんは、 「ソーヴィニョン・ブランがウマいよ」と言ってくれてました が、私は断然ヴィオニエの方が好きでした。 つい最近、サンフランシスコ・フィッシャマンズワーフの ギラデリ・スクエア内にテイスティング・ルームをオープン させたようですが、アレキサンダー・ヴァレーの本拠地にも、 来春、テイスティング・ルームがアポ制でオープンするので、 是非、そちらも行ってみたいと思います。 |
番外編 |
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Revana
Family Vineyard わずか9エーカーの所有畑で、ヴィンヤード マネージャーにJim Barbour氏、ワイン メーカーに、Heidi P Barrettさんを招聘 してカベルネ・ソーヴィニョンだけを造って います。 最近、セントヘレナにテイスティング・ルーム をオープンさせたばかり。近々、当サイト でもご紹介したいと思います。 この日、唯一テイストしたカベルネでしたが、 1本90ドルもしますので、こういうイベント は本当にありがたい。 |
Mahoney シンプルなラベルに つられて、予定外の テイスティングでし たが、カーネロス地区 のフルーツ〔全てエス テート)だけを扱う ワイナリー。 マハニー・ヴィンヤ ードのピノ・ノワール 2002が、思いのほか 美味しく、24ドルという価格が気に入り ました。写真は、オーナーのマハニー氏。 |
Mi Sueño 個人的に密かに追い 続けているワイン・ メーカー、Roland Herrera氏のワイ ナリー。彼はずっと Paul Hobbsの エブリデイ・ワインメー カーだったのですが、 自分のブランドに専念 するべく、ちょっと前にポール・ホブスを 辞めておられます。 彼の造るシャルドネ、ピノ・ノワールは、 「誠実」という言葉がぴったりくる、そういう 心温まるワインです。 とっても久しぶりにお会いしたのですが、 あのシャイな笑顔で迎えてくださり、 嬉しかったです。(写真:右がローランド) |
Roessler Wells Gathrie氏が ワイン・メーカーとして 雇われているワイナリ ーで、さすが、他とは 一線を引くピノ・ノワー ルを出しています。 オーナーのRoger Roessler氏(「レス ラー」と発音)とお話を していたら、彼が、 ナパのレストラン「Budo」のオーナーだと いうことがわかり、どおりで、あそこのワイン リストがウエルズのワイン特集を組んでた わけだ、と納得。 「サンフランシスコにも、同じようなレスト ランを開こうかと考えているんだけど、どう 思うかね?」と聞かれましたが、「天下の 激戦区ですからねえ・・・」と、言葉を濁し ておきました。 2003年ものから、ラベル・デザインが変わ っています。 |