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Sierra Foothills, Amador Wine Country  シエラ・フットヒルズ、アマドー・ワイン・カントリー

当コーナー「ワイナリー紹介」で、シエラ・フットヒルのアマドー郡について書いたのが、2003年秋
ついこの前のことだと思っていたのに、何と4年近くが過ぎたことになります。

以前サンフランシスコにお住まいで、現在、福岡で生活しておられる友人が、3月にこちらに遊びに来られたので、シエラ・フットヒルズ
地区へ1泊の小旅行に出かけました。カントリー・サイドの、のんびり広々、ゆったりした雰囲気を味わってもらおうと計画。
もちろん、私がご案内するのですから、ワイナリー訪問なしでは済みません。

サンフランシスコから、アマドー・カウンティまでは、北東へ車で約2時間弱。州都サクラメントまで上がって、16号線で内陸に入っていく
ルートを取りました。以下、その日訪れたワイナリーについて記しておきます。(訪問順)
この地区の地図は、こちら

アマドー・カウンティのワイナリーは、大半が週末のみのオープンです。訪れる時は事前に、オープン日時を確認してからお出かけください。

               

Convergence Vineyards

 
 アマドー、レンチェリア、ドライ・クリークという3つの小川がConverge
 
(集まる)所だということから付けられたワイナリー名。17年間、
 ナパの複数ワイナリーのテイスティング・ルームで働いていたステ
 ファン・コンキャノン氏が、念願かなって開いたワイナリーです。
 丘陵なだらかな土地にポツンと可愛い建物。名前の通り、キラキラ
 水面光る小川がそばを流れています。「ああ、田舎に来たなあ」と
 心洗われる風景です。
 その日テイスティングに出ていたワインは、ソーヴェニョン・ブラン06、
 ヴィオニエ04、ジンファンデル04、シラー04、そしてヴィンテージ・
 ポート03。
 もちろん、テイスティングは無料。ポートがなかなかのもので、買うかどうか迷ったの
 ですが、ここでは、フルーツ風味抜群のジンファンデルを1本購入。
 オーナー兼ワインメーカーであられるステファンさんも、テイスティング・ルームでサーヴ
 されており、造り手に直に会うことができるのが、シエラ・フットヒルの良い点。
 写真を1枚とカメラを向けると、この通り、茶目っ気たっぷりの笑顔。
 
Wilderotter Vineyard

 
 約18年前に、この地区に土地を購入し、葡萄栽培・販売をして
 こられたワイルデロッターご夫妻が、99年に興されたワイナリー。
 2004年夏に、周囲一面、自家農園に囲まれた中に、とても立派な
 テイスティング・ルームを建てられました。建物そのものは小さい
 ですが、奥のパティオ、そしてそこからのヴィンヤードの眺めが
 素晴らしい。
 テイストしたワインは、グルナーシュ・ロゼ05、ヴィオニエ05、
 ソーヴィニョン・ブラン05、エステート・ジンファンデル04、
 エステート・シラー04。
 アマドー郡のヴィオニエは、ロシアン・リヴァー・ヴァレーあたりのそれと
 全く趣きが違い、かなりドライで、ものによってはアルコール・ヒートが
 強すぎる感あり。
 テイスティング・ルームの女性が大変熱心で親切な方で、話上手。
 迷ったけれど、ここでは何も購入せず。 
 
Kelson Creek Winery

 
 ピクニック・グラウンドがあって、奥には鯉が泳ぐ池があって、
 実にのどか。
 テイスティング・ルームも小規模で、中はきっと古いカントリー・
 ウエスタン調なのだろうなと予想して行くとビックリ。
 スポーツ・メモラビリアとテレビに囲まれた、立派な「スポーツ・
 バー」です。
 バーに近づくと、どっかり腰をすえて飲んでおられたおじさまが、
 「やあ。ようこそ。ここのワインは最高だよ。」と、真っ赤なお顔で
 早速話しかけてこられた。(笑)
 シラー・ルージュ・ブラン05、ピーチ風味スパークリング、シラー05、
 Spike&Maggieジンファンデル04、オールド・ヴァイン・ジンファンデル05、バーベラ04、
 ルビー・ポート、Tawnyポートと、8種類もテイスト。無料。
 最初に飲んだシラー・ロゼなど、ほんのり甘くて飲みやすく、ワインを飲み慣れない人
 にも大丈夫な感じ。これで、なんと1本5ドルというから驚き。
 ロゼの軽やかさと真反対を行くトーニー・ポートも捨てがたく、1本購入。
 
Karmere Vineyards & Winery

 
 実に立派な建物です。ほとんど何もない土地にこれが建ってます
 から、かなり目立ちます。ワイナリー名「カーメア」は、オーナー夫妻
 奥様方のお母様のお名前「Karma」と、フランス語で「母」の「mere」を
 繋げたものとのこと。
 オーナーご夫妻は、ご主人が眼科のドクター、奥様がパートタイムの
 Low Judge
で未だ現役。彼らの3人の子供さんらが全員、ワイナリー
 及びヴィンヤードに従事しておられます。
 アーモンド風味スパークリング、ラスベリー風味スパークリング、
 ルーサンヌ05、ネビオロ&シラー・ブレンド05、シラー04、
 ジンファンデル05、バーベラー05。
 スティル・ワインには、それぞれ家族のどなたかの名前がつけられていますが、
 ジンファンデルにその名をつけている娘のHayleyさんがおられたので、写真をパチリ。
 「嬉しいわ。これは私からのお返し。」と、そのジンファンデルを1本プレゼントしてください
 ました。そのワインを買って会計を済ませてしまったあとだったので、
 「そうとわかっていれば買うのを待ったのに」と、これはセコい。
 
Dillian Wines

 
 アポイントも取らず、行き当たりばったりでワイナリー巡りをしていると、
 特に目立つわけでもないし、「あそこに行ってみるといいわ」と薦められる
 リストの中にも出てこないのに、近づくと「あ、ここ、イケるかも」と「ピン」と
 来るワイナリーがあります。ディリアンは、そういうワイナリーでした。
 カントリー・サイドにぽつんと佇む、本当に地味な一軒家なのですが、
 この日訪れたワイナリーの中で、私の一番好きなものになりました。
 テイスティング・ルームには、当ワイナリーのオーナーであるトム・
 ディリアン氏と、息子さんの二人。このトムさんが、実に柔和な、
 静かに話すジェントルマンで、でも大変熱心に、ヴィンヤードのこと、
 ワインのことを話してくださいました。
 ソーヴィニョン・ブラン05、Sorella(ローヌ・ブレンド)05、バーベラ05、
 Tre Fratelli ジンファンデル05、Hangtree ジンファンデル05、シラー05、
 オレンジ・マスカット05。
 グルナーシュ、ムールヴェードル、シラーのブレンドである「Sorella」は、
 昨年3月に訪れた南仏ローヌ地方を思い起こさせてくれる味わいで、
 そうトムさんに言ったところ、「それは光栄です」と大変喜んでください
 ました。値段も18ドルと、南仏並み。
 ハーフボトルのオレンジ・マスカットは、キリっとした酸味も爽やかな
 キュートなデザート・ワインで、これも10ドルと驚きの安さ。
 迷わず、この2本を購入。
 若かりし頃は、さぞやナイス・ガイだっただろうと思われるトム・ディリ
 アンさんに出会えただけでも、ここに立ち寄った甲斐がありました。
 
Bray Vineyards

 
 ここに着く前に、あと2軒立ち寄っているのですが、特筆すべき
 こと何もなしで、写真も撮らずにいたので省きます。
 さて、そしてこの日最後のワイナリー「ブレイ」。
 特にそれを目指したわけでもないのですが、前回2003年秋に
 訪れた時は、サンジョヴェーゼを造っているワイナリーを中心に
 回っており、今回は、この「ブレイ」が唯一、サンジョヴェーゼ
 を造っているワイナリーとなりました。
 ヴァルデーホ06、Brayzin Hussy(ジンファンデルとサンジョヴェ
 ーゼのブレンド)05、サンジョヴェーゼ04、ジンファンデル04。
 ハッシー・レッド(Hussyというのは「おてんば娘」「あばずれ」という意味)に代表される
 ように、ここはものすごいハイテンションなノリを見せるワイナリーです。
 アコーディオン片手にずっと歌い続けている男性の前を、スタッフの人たちが
 忙しそうにワインを注いで回っています。
 こういうノリが、やはりウケるのでしょうか、訪れる人もあとを絶ちません。
 私には、人が多すぎ。 
 

                                                                                                                                                   (2007年3月現在)

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