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RAVENSWOOD レーヴェンズウッド
カリフォルニア・ワインを楽しんでいると、ジン
ファンデルという品種を避けて通るわけにいき
ません。
存分な太陽の光を浴びたフルーツ味たっぷりの
ジンファンデルは、ともすると糖度が高くなり、
イコール、アルコール度も高くなり、そのせいで「強すぎ」
という印象が与えられ、やわらかくソフトなワインを好んで飲まれる方には敬遠されがち、
という傾向もあります。
でも、カリフォルニアの気候と、その恵まれた環境をたっぷり味わうのに、
ジンファンデルは最適な品種であることも確かだと思います。
日本においても、比較的高い頻度で見かけるジンファンデルの造り手のひとつが、
今回ご紹介するレーヴェンズウッドです。
1976年ヴィンテージのドライ・クリーク・ジン
ファンデルで、レーヴェンズウッドをデビュー
させたJoel Peterson氏は、1970年代
初期、「世界一のジャグ・ワイン(水差しタイプの
瓶に入った安物ワイン)」と見下されていたカリ
フォルニア・ワインを、ヨーロッパ・ワインに匹敵するくらいのものにしようという
野望を持っておられました。
彼の造るジンファンデルはデビューと同時に名声を高めましたが、いわゆる「カルト・ワイン」
ブームがその後わきおこり、それら稀少ワインの値段が急激に高騰していきました。
そうすると、「良いクオリティでありながら、求めやすい価格のワイン」に、人々の目が向いて
いきます。レーヴェンズウッドは、その流れにうまく乗り、クオリティを維持しつつ生産量を
増やし、高すぎない、リーズナブルな値段のジンファンデルを提供するようになりました。
「世界一のジャグ・ワイン」という評判をくつがえ
そうと始まったのが、結果的に「世界一の
(クオリティの高い)ジャグ・ワイン」という
コンセプトを武器とするようになったわけです。
2001年には、大手ディストリビューター
「Constellation Brands」の傘下に入り、
フランシスカン・エステートを筆頭とするファイン・
ワイン部門の一ワイナリーとして、その販売網
を広げてきました。
【ジンファンデルのブレンドを自分でやってみる】
さて、そのレーヴェンズウッドで、今年になって
から「ブレンディング・セミナー」が開かれるように
なりました。自分でワインのブレンド作業を体験
する、というプログラムで、このサイトでも以前、
フランシスカン・エステートでのプログラムを
レポートしました。
フランシスカンではボルドー・ブレンドですが、
レーヴェンズウッドでは当然、ジンファンデル・
ブレンドです。
単一畑のジンファンデルが眠るセラーの中で、
セミナーは行われました。
タイミングよろしく、日本から来られていたゲストのお一人が「初めて飲んだジンファンデルが
レーヴェンズウッドだった。それからジンファンデルが好きになった」とおっしゃる方で、
記念すべき「日本人初の、レーヴェンズウッド・ブレンド・セミナーの参加者」となりました。
このプログラムは、レーヴェンズウッドのキャッチコピーを使って、「Blend
Your Own No
Wimpy Wine」と名付けられています。「Wimp」というのは、弱虫、いくじなし、という意味。
講師は、もとユナイテッド航空のパイロット
だったというロバート(ボブ)さん。
テーブルには、ブレンドのもととなる、ジンファン
デル、キャリニャン、プティ・シラーがセットされ、
それぞれの品種の説明が書かれた用紙が
置かれています。
まず、それぞれの品種をテイストし、ジンファンデルは
黒こしょう、ブラックベリーの味わい、
キャリニャンは舌の先で感じられる酸味、
プティ・シラーは、口蓋奥横で感じられる
タンニンが特徴的、と、
それぞれの特徴について説明を受けます。
ピペットを使って、ブレンド合計が20mlに
なるよう、吸い込んではブレンド用グラスに
注ぎ込み、それをテイストという作業の指示
を受けます。
まず全員で、ジンファンデル10ml、キャリニャン
6ml、プティ・シラー4mlのブレンドを造り、
それをテイスト。この味を基本にして、自分好み
のブレンド率を試していきます。
20〜30分ほど、タップリ時間が与えられます
ので、ああでもない、こうでもないと
「実験」に没頭することができます。
「よし、これでいこう!」と思ってブレンドした
のが、意外にハズれたり、まさかねえと思って
やったのが、結構いけていたりして、迷う迷う、
迷いまくり。
そうして最終的に「これだろう」と思うものが
できあがったら、その比率を書いた用紙を
ボブさんに渡します。
ボブさんはその比率に沿って、ハーフボトル
(375ml)にワインを注ぎ込んでくれます。
ワインが注ぎ込まれたら、旧式のコルク
はめこみ機にコルクをいれ、ぐい〜っとボトルに
押し込みます。
レーヴェンズウッドのラベルに、名前を日付を
書き込んで、完成!
世界でひとつだけの、ブレンド・ジンファンデルのできあがりです。
もちろん、このハーフボトルはお持ち帰りです。
自宅に持ち帰って、いつか開けて飲んだ時、意図していた味わいのジンファンデルに
なっているでしょうか。楽しみです。
ジンファンデルがお好きな方には、とっても
楽しいプログラムだと思います。
セミナーの前後には、シングル・ヴィンヤード
(単一畑)ジンファンデルのバレル・テイス
ティングも提供されますし、テイスティング・
ルームに戻って、他のワインのテイスティングも
できます。
ワインカントリー巡りの日程に、こういうプログラムを入れると、バラエティが出て
大変結構かと思います。
レーヴェンズウッドで、ひととき「ジンフォマニア」になるというのは、いかがですか?
レーヴェンズウッド |
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住所 | 18701 Gehricke Rd, Sonoma |
電話番号 | (707) 938.1960 |
ウエブサイト | www.ravenswood-wine.com |
訪問 | ★テイスティング・ルーム:毎日午前10時〜午後4時半。 ★通常のテイスティングは、5種類で5ドル、単一畑ものは10ドル。 (ワインを購入すれば、テイスティング代が相殺されます) ★通常のツアー&テイスティングは、ひとり10ドル。毎日午前10時半。 ★「Blend Your Own No Wimpy Wine」は、ひとり35ドル。(予約要) |
メモ | 一般のレストランなどでは、リーズナブルな 価格の「カウンティ・シリーズ」「ヴィントナーズ・ ブレンド」が主流商品としてラインアップ されていますが、レーヴェンズウッドを訪れる のなら、単一畑ものを是非テイスティングして 頂きたいです。 今回は、バレル・テイスティングで、「Belloni」 と「Teldeschi」ヴィンヤードのものを頂きましたが、 非常〜〜〜に美味しかったです。 |
(2005年9月現在)