ニコルソン・ランチ

【カーネロスの美しい風景】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　画像をクリックして、ご覧下さい。

                ナパ・ヴァレーの南端から、ハイウエイ１２１号線をソノマ
                方面に左折していくと、丘陵地帯を葡萄の木々が整然と
                連なる、素晴らしい風景が広がります。
                ソノマとナパの境界線となるのが「カーネロス」地区です
                が、この地域は、夏とても暑くなる一方、近くのサン・パブ
                ロ湾からの風が、いつもそよそよと吹きこむ、大変快適な
                気持ちの良い所です。

                ワイン街道とも言える、ナパ・ヴァレーを南北に縦断する２９号線沿いに、多くのワイナリーが
                集中し、ほとんどの訪問客がそちらに流れてしまうため、ここカーネロス地区、及び
                ソノマ・ヴァレーの南東地区は、ついつい見落とされがちです。
                しかしながら、うねうねと一面に連なり広がるヴィンヤードの丘は、一見の価値あり、です。

そのカーネロス地区がひと段落するかのように見える、

                Napa Roadとの交差点、視線を上に向けると、
                ひときわ目立つ美しい大きな建物が見えます。
                随分と長い間工事をしているなあ、と、そこを通るたびに
                思っていたのですが、Napa Road反対方向からの左折
                レーンができたのをきっかけに、昨年５月、ようやく
                このワイナリーがテイスティング・ルームを一般オープン
                させました。
                「ニコルソン・ランチ」です。

【ソノマ出身の女性オーナーが目指す、ナチュラルな雰囲気】

ソノマ育ちのオーナー、Ramona Nicholsonさんは

                プリンストン大学卒、ワイナリーを始めるまで、ヒューマン
                ・リソーシズの専門家として複数の企業に勤めておられ
                ました。
                ９５年にナパ・カレッジで葡萄栽培のクラスを取ったのを
                きっかけに、９７年には、現在の土地を購入、ピノ・ノワー
                ルとシャルドネを植え育て始めたそうです。

かなりの資金を投入して建てたワイナリー，及びテイス

                ティング・ルームは、自然な色合い・風味を大切にした、
                立派でありながら温かみのあるもの。
                テイスティング・ルームは、メザニンにアート・ギャラリー
                を配してあるものの、とても高い天井にしてあり、
                「California Douglas Fir」が使われています。
                ヨセミテ国立公園などで見かけるモミの木の一種ですが、
                他に使用されているレッドウッドの木材もすべて
                切り立てのものではなく、１００年以上も前に倒れ落ちた
                木を採取・保存・加工している業者から特別注文で
                取り寄せたものだとのこと。

                建物の周囲を囲むヴィンヤードは、ニコルソン・ランチの
                所有畑で、ここにピノ・ノワール、シャルドネ、そして
                少しのシラー、メルローが育てられています。
                ワイナリー全体に対する、ラモナさんのモットーは、
                「シンプルでエレガント、暖かく、ウエルカムの雰囲気に
                溢れていること」だそうですが、ワインも同じモットーが
                感じられました。
                その土地独特であろう earthyな風味が、どのワインにも感じられ、わかりやすく
                しかも優雅、値段も求めやすい、買いやすい手頃さ。

                テイスティングは、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロー、
                シラー、ロゼなど１２種類のリストの中から、好きなもの
                ６種を選びます。
                シャルドネとピノ・ノワールは、エステートもの、リザーヴ
                もの、それぞれが現ヴィンテージと１年前のヴィンテージ
                が揃えられていて、飲み比べができます。

                私は、以下を選択、テイスティングしました。

                2001 Reserve Chardonnay Cuvee Natalie   $26
                2001 Estate Pinot Noir                                    $24
                2002 Estate Pinot Noir                                    $30
                2002 Reserve Pinot Noir Cactus Hill             $45
                2002 Sonoma Coast Pinot Noir                      $35
                2002 Estate Merlot                                           $36

               ピノ・ノワールの比較テイスティングですか？というようなチョイスでしたが、
                それぞれがハッキリとした違いを持っていて、大変興味深いテイスティングでした。
                ピノ・ノワールの中では、断トツでリザーヴ・カクタス・ヒルが私には素晴らしく思えました。
                earthyで、ブラックベリー強く、そして新鮮な酸味。

そこにいらしていたご婦人は、「私はピノ・ノワールだけ

                頂くわ。メルローは好きじゃないの。」と、
                映画「Sideways」の影響ですか？というようなコメントを
                しておられましたが、「カーネロスは、ピノ・ノワールよりも
                メルローですから～～。残念～～！」（By ギター侍）
                と申し上げたい。

                ヘーヴンズ、ロブレード・ワイナリーの紹介でも書きました
                が、カーネロス付近のメルローは、要注目だと思って
                います。
                ニコルソン・ランチの畑は、カーネロスではなく
                「Sonoma Valley」地区になりますが、
                すぐ隣ですので、ほぼ同じ感じだと考えると、ここのエステート・メルローは
                テイストしてみるべき。

                ２００２年が初ヴィンテージだというエステート・メルローは、「爆弾」かと思うくらい、
                ディープでフルボディな、シリアス・メルローでした。
                これも、とてもearthyで、ダーク・フルーツ、ビター・チョコレート、そして葉巻の香りと風味。
                ロースト・ビーフとか、オイルでしっかりマリネして焼いたステーキとかと一緒に頂いたら、
                素晴らしいのではないかと思いました。嬉しい発見でした。

                ワイン・メーカーは、Turleyの元アシスタント・ワインメーカー、現在、TOR、Schrader、
               Chiarello、Outpostなどのワイン・メーカーとして活躍しておられる、Thomas Brown氏。
                ジンファンデルやペティ・シラーなどの第一人者として名を馳せておられるブラウン氏、彼が
                手がけるメルローというだけでも、これは注目！です。

ニコルソン・ランチ Nicholson Ranch
住所	4200 Napa Road, Sonoma,
電話番号	(707) 938.8822
ウエブサイト	www.nicholsonranch.com
訪問	テイスティング・ルーム：毎日午前１０時～午後６時。テイスティング：６種類選んで、１０ドル。ツアーは、事前予約要。ひとり１０ドルで、もちろんテイスティングも含む。
メモ	テラス、パティオがありますので、天気の良い日はここで、ゆっくり景色を愛でながらテイスティングできます。ウエディングができる大広間もあり。ここでワインを購入すれば、自分達で食べ物を持ち込んで、パティオでピクニックすることも可能。

　　　　　　　　　　　　　　　　 (２００５年３月現在）