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ヘーヴンズ・ワイン・セラー HAVENS
WINE CELLARS
【見過ごさないで、ナパのワイナリー】 画像をクリックして、ご覧下さい。
ナパ・ヴァレーは、29号線とシルヴェラード・トレイルという
2本の幹線道路が南北に走っていて、車の往来の多さは
29号線が断トツです。ワイナリーが集中して見えてくる
のが、ラザフォードあたりからですので、どうしてもそこら
へん以北に訪問客が流れます。
従って、ヴァレーの入り口にあたる「ナパ市」はすっ飛ばされる傾向があります。ところが、このナパ市
にも、見逃して欲しくないワイナリーがちゃんとあるのです。
今回は、そういうワイナリーのひとつ、「Havens Wine Cellars」をご紹介します。
生産量が少なく、有名なワインメーカーを抱えて造られる、
いわゆるカルト・ワインや、次から次へと登場してくる新進
ワインを追いかけていると、中堅どころのワイナリーの
ものを、ついつい後回しにしたり、長い間飲まずにいたり
してしまいます。
1984年に設立されたヘーヴンズ・ワイン・セラーも、そういった「中堅どころ」に入ってしまう
ようです。レストランや、ワインショップでは結構よく見かけますし、総生産量約10000ケースという
のは、入手困難な域ではありません。だからといって、そこそこのワインだろうと無視してしまう
なんてことは、かなりもったいないことであります。
ヘーヴンズのワインが「知名度はあるけれど、飲んだこと
がない」カテゴリーに入っているのなら、
その理由のひとつは、カーネロスのフルーツをメインに
使ったワインだから、という点にあるかもしれません。
カーネロスといえば、サンパブロ・ベイからの風と霧〜冷涼
〜シャルドネとピノ・ノワールの主要生産地として、一般ワイン
愛好家の頭にインプットされています。
が、ぐんぐん人気と実力を出してきたカリフォルニアのピノ・ノワールなどは、今や、サンタ・ルチア・
ハイランド、サンタ・リタ・ヒルズ、ソノマ・コーストなどの地域が、その知名度をあげてきて、
カーネロスは「過去の栄光」にすがった、時代に取り残された地域になってきています。
が、カーネロスと一口に言っても、土壌や気候は単一化
されたものではなく、シャルドネやピノ・ノワールだけが、
その地に適したヴァラエタルなわけではありません。
ヘーヴンズは、カーネロスという地域に、北カリフォルニア
版「ライト・バンク」(仏でいうポムロールやサンテミリオン)
の可能性を見出しました。
つまりカーネロスは、メルローに適した土壌を持っていると
判断したのです。
カーネロスのメルローは、これからもっと注目されるべき
ワインで、今までの「ソフトで、どろどろ、ねちょっとした
シロップみたいな」メルローとは別物の、個性的なワインが
出てくると予想されています。
例えば、Hyde Vineyardのラリー・ハイド氏と、DRC(ドメ
ーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティ)の
Aubert de Villaine氏が共同で設立した「HdV」。ハイド・ヴィンヤードといえばピノ・ノワール、
ロマネ・コンティと言えばピノ・ノワールの王者、どう考えてもピノ・ノワールの超特級品が出てくると
思われますが、彼らが最初にリリースした赤は、メルローとカベルネ・ソーヴィニョンのブレンド
でした。
それくらい、カーネロスのメルローは要注目のヴァラエタルなのです。
ということで、前置きが異常に長くなりましたが、
ヘーヴンズ・ワイン・セラーを訪れました。
ナパのダウンタウン付近を過ぎて、ぶどう畑が広がる
あたりで29号線を外れ、マヤカマス山脈方向に、ほんの
少しだけ入っていくと、ヘーヴンズがあります。
テイスティング・ルームは、数人も入ったら一杯になるくらいの大きさです。
マーケティング+広報のハイジさんが案内してください
ましたが、オーナーでありワインメーカーであるマイケル・
ヘーヴンズ氏も登場、いろいろとお話しを聞きながら
テイスティングすることができました。
2001 Merlot Napa Valley
2000 Reserve Merlot
2000 Bourriquot
(ブーリーコ) カベルネ・フランとメルローのブレンド
2003
Albarino
2000 Syrah Napa Valley
2000 Hudson Syrah
テイスティングの真ん中に白(アルバリーニョ)が入って
きたのは、マイケルさんと和食の話がそこで出たためで、
テイスティング用には用意されていなかったのですが、
奥に行って取ってきてくださいました。
スペイン品種のアルバリーニョを口にするのは初めて
だったのですが、リースリングのようなアロマと
ヴィオニエに似た風味が混ざって、しかも酸味が充分に
ありながら、ほのかに甘く、おいし〜〜い天麩羅と一緒に
頂いたら、どれだけ素敵だろう・・・と思いました。
かなり気に入りました。
赤では、個人的にはリザーヴではない方のメルロー、
そしてハドソン・シラーに惹かれました。
若飲み傾向にあるので、フルーツ・フォワードなメルローが、わかりやすい。
リザーヴ・メルローは、ディープでフル・ボディで複雑味があって、今すぐ飲んでしまうと、
その良さがわからないタイプのシリアスなメルローです。
リザーヴでないメルローで24ドル、リザーヴ・メルローで32ドルという値段は、このクラスの
ワイナリーにしては、かなり良心的だと思います。素晴らしい。
ヘーヴンズ・ワイン・セラーズ |
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住所 | 2055 Hoffman Lane, Napa |
電話番号 | (707) 261.2000 |
ウエブサイト | www.havenswine.com |
訪問 | 毎日午前10時〜午後4時半オープン。 事前にアポイント要。テイスティング無料。 大抵どなたかおられるので、前日でも、数時間前でも恐らく可能。 |
メモ | メディア、ウエブサイトに載っているマイケル・ ヘーヴンズ氏の写真と違い、 現在のマイケルはヒゲを生やしておられるので、 イメージ違います。(笑) 彼は、カーネロスの「Truchard」の初代ワイン・ メーカーでした。 (右写真、マイケルと一緒に写っているのは、 東海岸のレストランでヘーヴェンズのワインを飲み、気に入ってしまった という、メイン州からお越しのご夫婦。ボトルを持っているのがマイケル さんです。) |
(2004年11月現在)
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