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2008年08月13日

朝に霧、昼前から晴れだして、夕方にまた霧・・という、典型的なサンフランシスコ・パターンが続いておりますが、
ここ2・3日は、朝からスッキリ晴れています。
早いところでは、スーヴェニョン・ブラン、及びスパークリング・ワイン用のピノ・ノワールの収穫が始まっています。

6月から収穫時期にかけて、あちこちのワイナリーで、メーリング・リスト・メンバー向けのパーティが開かれます。
「オープン・ハウス・パーティ」であったり、「サマー・リリース・パーティ」であったり、「ハーベスト・パーティ」で
あったり・・・。

特定ワイナリーのパーティーだと、当然、そこのワインが主体になりますが、これが「カスタム・クラッシュ」(何軒かのワイナリーが
一箇所に集まって、スペース・機具・器具を共有使用する所)でのパーティーですと、複数ワイナリーの様々なワインを試飲することが
できるので、楽しい。

今週は、カスタム・クラッシュのひとつ、サンタ・ローザにある「
Vinify Wines」でのオープン・ハウス・パーティーについて、書きます。

サンタ・ローザのピジネス・パーク兼倉庫街には、ワイン関連の会社・組織が、結構な数、集まっており、当サイトで紹介した「Siduri」も、
この一角でワインを造っておられます。
Vinify Wines」は、この地区に他、複数あるカスタム・クラッシュ施設のひとつで、約20軒のワイン・ブランドが、ここでワインを造っています。

当日は、ワイン造り施設の中、スペースを目一杯取って、15ワイナリーほどがブースを設置し、ワイン・テイスティングを提供。
この日は、私がメーリング・リスト・メンバーになっている「
Bjornstad Wine」からのお誘いで行きましたので、何はともあれ、
Greg Bjornstadさんがおられるブースに行き、ご挨拶を。
「今年初めてリリースした、ピノ・ノワール・ロゼ、飲んでみますか?」と聞かれたので、「リリース直後2本注文したら、すぐ到着したので
もうこの夏、その2本とも飲んでしまいました。」と申し上げたら、「もう?」と笑っておられました。

このビョルンスタッドと、あと2軒以外は、初めて目にするワインばかり。それもそのはず、いづれも一種類の生産量が200〜400ケース
なのですから、一般の目には触れない場合が多い。
こういった少量生産のワインが、例えばロバート・パーカーJR氏や、ワイン・スペクテータ誌の目に止まって、90P以上の点数を取ったり
すると、もうその日から、もっと入手困難になってしまうわけで、そういったメディアに登場する前に、自分の好みに合うワインに出会うべく、
無名・新進ワイナリーのワインを試飲するのが、これまた楽しいわけです。

チーズやパンをつまみながら、あちこち試飲して回りましたが、印象に残ったワイナリーにつき、記しておきます。

              

Baker Lane Vineyards  
  ここのワインには、6月プリマ・リストランテでの「ピノ・ノワール祭り」で出会って
  いますが、この施設で ワインを造っておられるとは知りませんでした。
  この日は、オーナーのステファン・シンガー氏が、自ら サーヴィングをされて
  いました。

 Pinot Noir, Hurst Vineyard, Sonoma Coast 06 
  Pinot Noir, Hurst Vineyard, Sonoma Coast 07  Barrel Sample
  Estate Syrah, Sonoma Coast, 06

  この中では、シラーが印象的でした。胡椒たっぷり、スパイスたっぷり。
  酸もしっかりしていて、  気持ちの良い「ミール・フレンドリー」なワインだと
  思いました。
 
Ketcham Estate   オーナー、マーク・ケッチャム氏の存在感(体格&オーラ)が、場内一輝いていたワイナリー。
 彼の容姿といい、ラベル・デザインと言い、いかにも「カベルネ王国!」という印象を受ける
 のですが、意外や意外、造っておられるのはピノ・ノワールとヴィオニエのみ。
 ワイン・メーカーに「Kosta Browne」のMichael Browne氏を雇っておられ、恐いもの
 なし状態です。

 Viognier, Sonoma County, 07  フルフル・キュートな酸。甘いかと思ったら苦味が出てくるところ、
 手前味噌ながら、私のヴィオニエと良く似ていると思いました。とてもナイス。
 Pinot Noir, Russian River Valley 06  80% ケッチャム・ヴィンヤード&20% マクリーン・ヴィンヤード。
  Pinot Nor, Russian River Valley 07 Barrel Sample これは100%、ケッチャム・ヴィンヤード。

 ピノ・ノワールはいづれも、深く、大人っぽい印象。私の好きなピノ・ノワールのタイプでありながら、
 どちらも私には、少しアルコール度が高いというか、ヒートを強く感じました。
 
Suacci Carciere  
  John Suacci
氏と、Carol & Andy Carciereご夫妻とが一緒になって立ち上げた
  ワイナリー。
 ワインメーカーは、Siduriで長年アシスタント・ワインメーカーをやってきていて、
  最近自分のワインも造るようになった、Ryan Zepaltasさん。
 現在、Suacci ヴインヤード(エステート)のピノ・ノワール、Heintzヴィンヤードの
   シャルドネを造っておられます。

  Pinot Noir, Suacci Vineyard, 06   優しい、流れるようなピノ・ノワール。ラベルのイメージと合致。
 
Sojourn  
 テニス・コートで出会った
Craig Haserot 氏と Erich Bradley 氏が立ち上げた
 ワイナリー。
 現在、ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニョンのみ造っています。

 Pinot Noir, Sonoma Coast 06
  Pinot Noir, Sangiacomo Vineyard, Sonoma Coast 06


  サンジャコモ・ヴィンヤードは、ピノ・ノワール造りにおいて老舗的存在の畑。
 ソノマ・コーストAVAになってますが、位置的には限りなく「カーネロス」です。
 わかりやすく、飲みやすい。
 

Bjornstad  
  Chardonnay, Porter Bass 06
  Pinot Noir, Hellenthal Vineyard 06


 メーリング・リストのメンバーだからという身贔屓を引いて、公平にテイストしても、
 やはり、ビョルンスタッドのワインが一番ピンと来て、好きでした。
 シャルドネは、決して安いものではないけれど、20〜30ドル台のシャルドネとは、
 少々、クラスが違う感じです。非常に、エレガント。
 ピノ・ノワールも、一番「ああ、これだあ。美味しい〜」と、長いこと待って、やっと
 古い友達に会えたような安堵感と安心感と、ヒーリング感。
 

             大方試飲を終えて、さあ帰ろうと出口に向かったら、レセプションのテーブルに、「Freeman」のワインが置いてありました。
       まるで試飲OKかのように開栓されていたので、グラスを差し出したら、Keefer Ranch のピノ・ノワールが注がれ、
       ふと横を見たら、ケン・フリーマンさんが立っておられました。
       何でも、お友達がここでワインを造っておられるそうで、声をかけにきたついでに、2本ほどワインを持ってきたのだと。

       こういう小規模なカスタム・クラッシュのオープン・ハウス・パーティに足を運んでくる人達のことを、決して侮ってはいけません。
       私のあと、別のカップルの男性が、「お、フリーマンがあるじゃないか。飲めるの?ラッキー!」と言っていました。
       これは、すぐなくなってしまうと危機感を覚えたレセプション・デスクの人は、フリーマンのボトルを、テーブルの下に隠してしまいました。

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