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2010年05月12日

長らくご無沙汰をしてしまいまして、誠に申し訳ございません。
4月に入ってすぐ、年に一回の里帰りで日本に行き、4月後半にアメリカに戻ってきてからすぐ、日本のゴールデン・ウイークが始まり、
ほぼ毎日、ワインカントリーへのご案内の仕事をしておりました。

やっとパソコンの前に座る時間ができましたので、久しぶりのなんちゃってブログ「こんなもの食べてます飲んでます」をお届けします。
まずは、2・3月分から。
 

 201002月某日

マサラというカレー・ルーを作って食べるのにハマっていたことがあったが、トレーダー・ジョーズで売られている「タイ・カレー」瓶が
秀逸であることを発見。この瓶の中身を鍋に開けて、これに、シラントロ、ミント、ハロペニョをミキサーにかけたものを加えたら、
文句なしのエスニック・カレーになる。
ライスは、日本のお米ではなく、粒の長いパラパラしたお米を使うのがベスト。
エスニックなスパイス風味が、
Peay のヴィオニエ 2006 と良く合った。
 
 201002月某日

 久しぶりに、オーセンティックなおつまみと握りが食べたくなって、オークランドはカレッジ・アベニューにある
 「Uzen」へ。「おまかせ」にして、いろいろ出していただいた。
 ほんの少し大きめの「Kumamoto」オイスターには、オレンジを使った自家製ポン酢。ああ、美味しい。
 選んだ日本酒が、ことごとく品切れで欲求不満に陥りそうになったところ、店のご主人が「在庫がないので
 売り物にはしてないのだけれど」という日本酒を出してくださった。ああ、美味しい。
 握りの〆で出された宮崎牛の握り、と〜〜っても美味しかった。ああ満足。
 
 201002月某日

 今年の冬は、ちゃんとよく雨が降ったけれど、どうしようもないくらい「寒い」と感じる日が少なかったようにも思う。
 2月中旬、サンフランシスコの日本総領事館にパスポート更新に行ったら、脇の路地の桜がきれいに
 咲いていた。早い。
 とは言え、夜になるとやっぱり冷え込むわけで、元気をつけるためにリブ・アイ・ステーキを。
 ワインは、ワイナリーで買ったっきり忘れていた Bennett Lane のカベルネ・ソーヴィニョン 2004。
 シーズン開けてすぐのサクランボは固くて少々渋いが、ピーク・シーズンに出てくるサクランボは
 柔らかくて甘くて、とてもフレッシュだ。それと同じ事を、このカベルネに感じた。今、堂々の飲み頃。
 
 201002月某日

 ビジネス・ランチで久しぶりにサンフランシスコの「A16」。シェフが代わっても相変わらずの人気。
 冬の野菜では根菜ものが大好きなので、ビーツのサラダを注文。
 淡い色のビーツは、味わいも柔らか。オレンジとの相性も○。
 これまた淡い色のラディキオも、パリパリ新鮮で美味。
 そしてA16の売りは、やはりピッツアにあると再認識。キノコたっぷりのピッツアは、香ばしく芳醇。
ビジネス・ランチであろうと、私は構わずワインを頂く。
ちょっと甘めのプロセッコをグラスで。
 
 201002月某日

 シエラ・フットヒルでピノ・ノワールを造っている「Clos Saron」が、サンフランシスコでワインメーカー・
 ディナーを行なうというメールが入ってきた。
 有名シェフ Hubert Keller氏の店「Fleur de Lys」で、5コース+ペアリング・ワインで$75というのを見て、
 タイプミスかと思った。安い。

 @メイン・ロブスターとアボカドのパース Aアーティサン・フォア・グラとスモーク・ダック・ハム
   ワイン:Clos Saron Carte Blanche 2008
 Bサーモン、柿とポテトのクランチ、ポルチニ茸のフラン、ブロッコリーニ、コルベルト・ソース 
    ワイン:Clos Saron Pinot Noir Home Vineyard 2007
Cスロー・ブレイズド・ショートリブ&フィレ・ミニョンのデュオ、ジュニパー・ベリー&オレンジ・レッドワイン・エッセンス、パースニップのブリーニ
  ワイン: Clos Saron Cuvee Mysterious 2005, 2002
Dビタースイート・チョコレート・ガナッシュ&ストロベリー・ジェノヴァ・ケーキ
  ワイン: Renaissance Late Harvest Sauvignon Blanc 1991

ほぼ10年ぶりの当店での食事だったが、さすが老舗だけあって、どのディッシュも素晴らしい。
特に、「
Sustainably Raised」と冠されたサーモンは、そのふっくら感、しっとり感が何とも言えず、
「サーモン侮るべからず」だった。

オーガニック農法、そしてバイオダイナミック農法で栽培されたフルーツで造られたワインは、人により好みが分かれるで
あろうが、
Clos Saron のピノ・ノワールは、他のどこのともキャラクターを同じくしない、独特なピノ・ノワールだと思う。
オーナー兼ワインメーカーの
Gideon Beinstock 氏は、「山の中でこつこつと葡萄を育てています」といった感じが如実に
出ている、でも大層、穏やかな男性。昔ヒッピーだった若者が、そのまま年を重ねたような感もあり、ゴージャスなレストランの雰囲気と、まるで
そぐわない(笑)。ボソボソと話されるので、レストランの喧騒の中では何をおっしゃっているのか皆目わからず。
隣に座ってもらって、10分くらい話し込んでしまった。ナイスな夜だった。

 

 201002月某日

近所のワイン屋さんで、Scherrer Wineryの安価ジンファンデルを見つけた。ノン・ヴィンテージで、「Zinfandoodle」という
ネーミングも可愛い。
Scherrer には、Old & Mature Vines と名付けられたカテゴリーのジンファンデルがあるが、このカテゴリーに使われな
かった「残り物」で、このジンファンドゥードルが造られているとのこと。
それでも生産量300ケース強しかないということ、そして17ドル前後というナイスな値段のために、ジンファンデル好きが
リリースを待ち構えて、ごっそり買っていっているようだ。
ワイルドにポークチョップを焼き、クランベリー・ソースをかけたものに合わせてみた。なかなかナイス。
 
 201002月某日

 日本からの友人と、サンフランシスコの話題のレストラン「Saison」へ。1年ほど前にオープンした時は
 週に1〜2日しか営業しておらず、半年ほど前から週末のみ営業という形に。メニューもプリ・フィックス
 1コースのみと見聞きしていたのだが、今回訪れた時は、90ドル、130ドルの2コース。
 同席した友人が1時間で済ませなければいけなかったので、90ドルの方を選択。
 ワインは、リストがあるのではなく、店側が設定したワイン・ペアリングを注文する。
90ドル・コースの場合、通常のワイン・ペアリングが60ドル、プレミアム・ワイン・ペアリングが90ドル。
私は、このプレミアムの方を注文。

スパークリング・ワインでスタート。
@Tsar キャビア、きゅうり、マヨネーズがベースとなったソース添え。ワイン:R. Pouillon シャンパーニュ
Aシーズン初ものアスパラガスと、卵
B根菜と鰹の出汁のシチュー、カラマライズドされたラピーニ添え。 
  ワイン:Domaine Séguinot-Bordet, Chablis, Vieilles Vignes
Cカレイとアーティチョーク。 ワイン:Kientzler, Riesling 2003
D仔牛肉の骨髄、ビーツ。 ワイン:
Poggio ArgentieraMorellino di Scansano 2008
Eソノマ産ラム、シナモンをベースにしたソース添え。 ワイン:Copain, Syrah "Tous Emsemble" 2007
F
Cow Girls のチーズ「Inverness」、ウオルナット
Gオレンジのグラニタ
Hアイスクリーム、タルトに乗せて。 ワイン:
Barros, Porto

キッチンを通り抜けて入っていくセッティング、ホワイト・クロスをかけない剥きだしの木製テーブル、でもお料理とワインは素敵なものを・・という
意表をついた内容。上記コースの中で最もしっくり楽しめたのがBのディッシュとワインでした。
 

 201003月某日

 ビジネス・ランチで、サン・ラファエルの「Vin Antico」。いつも通り過ぎるだけだったサン・ラファエルのダウンタウンは、
 思っていた以上に活気付いている。それでも「昔ながら」的な店が立ち並んでおり、その中にあって当店は、
 「今風」な雰囲気を出そうと孤軍奮闘している感あり。
 「マリン郡で採られた素材を買っています。マリン郡以外から採られたものも買っていますが、それを育てた人と、
 まずお会いするようにしています。オーガニック農法をサポートしています。
 パスタはホームメイド、肉も自分達で保蔵処理しています。ソーセージもホームメイド。」という店の「心意気」を、
 もっと前面に出しても良いのではないかと、他人事ながら思ってしまった。
 ビジネス・ランチの相手は、産休開け半年ほど立っているので、「もう飲んだって平気〜」ということで、
 昼間から二人で赤ワイン。
 デザートにライス・プディングを注文したら、結構な量で、でもペロっと食べてしまったほど美味しかった。
 
 201003月某日

3月半ば、日本から某男性雑誌の取材班が来られ、4日間ナパ・ヴァレー、ソノマ郡、サンフランシスコ、バークレーを回った。
記事のテーマが「体に優しい!男の自然派ワイン」ということで、オーガニック農法、サステイナブル農法、バイオダイナミック
農法を積極的に取り入れているワイナリーと、そういういわゆる「自然派ワイン」を中心に揃えているレストランを取材。
彼らが来られたこの週だけ、見事な快晴の日が続いた。この週の前後は、ほぼ毎日雨だったことを思うと、実にラッキー。

取材したワイナリーの中で印象的だったのは、Medlock Ames 。ヴィンヤードだけでなく、野菜・果物を栽培している畑も
立派で、収穫された素材を使ってのピクルスが実に美味だった。
5月には、Healdsburg のダウンタウン近くにテイスティング・ルームとバーをオープンさせるとのことで、これらの食材もそこで
買うことができるそうだ。楽しみである。

 取材したレストランで印象的だったのは、ソノマ郡の「ZAZU」と、バークレーの「Gather」。
 どちらも、ものすご〜〜〜く「素材」に情熱を注いでいて、(日本風に言うと、「こだわりがある」)、
 野菜たちが実に実に滋味深く新鮮で美味。
 「ZAZU」は、ディナーしかやっていないので、なかなか行く機会が持てなかったのだが、今回取材で訪れて
 みて「絶対、ディナーに来よう!」と思いを固くしたのだった。
 カリフォルニア州観光局とワイン・インスティテュートが、「Land of Food & Wine」キャンペーンのCMを
 テレビで流しており、30秒ほどのCMには、「あ!」と思うようなワインメーカー、シェフが登場している。
 (もちろん、シュワルツネガー州知事ご夫妻も最後に登場)
 その「あ!」と思うような面子の中に、「ZAZU」のダスキー&ジョン夫妻が入っているのである。
 

 201003月某日

 上記の取材班とは泊りがけでご一緒していて、2日目の夜は、ダウンタウン・ソノマにある
 「El Dorado Kitchen」で食事。
 ここも、食材に関しては、オーガニック&サステイナブル農法で栽培されたものが中心。
 メニューの中に、「Benzinger Biodynamic」ブロッコリーのフリット(バイオダナミック農法で有名な
 ベンジンガー・ワイナリーで栽培されているブロッコリー)というのがあり、話のタネに注文。
ど〜〜〜っさり出てきた。揚げ物でなかったら、このひと皿、私一人でたいらげられたと思う。
アンディーヴのサラダも、カベルネ・ソーヴィニョンでポーチされた桃が彩り良く、ウオルナッツと、ソノマ郡地元産ブルーチーズの相性も良く、
ナイス。
食事したのが水曜日だったのがラッキー。毎週水曜日は「1/2 price list」の日で、なかなかのワインがボトル半額になっているのだ。
 
 201003月某日

取材班の飲食予算が極めて低く、食欲もワイン欲も充分にある男性にとっては、過酷な状況であろうと推測。で、取材をすべて終了させた
最後の夜、我が家に取材班をご招待。近所のスーパーで食材を調達して、一時間ほど、近所のベイサイドを散歩して頂き、その間に
超ダッシュをかけて料理。サラダどっさり、鶏・手羽先のグリル、ローストビーフ、そしてチーズ。
今回の取材では、ボルドー品種、ジンファンデル、ローヌ品種ばかり試飲していて、ピノ・ノワールが登場しなかったので、この夜は
カリフォルニアのピノ・ノワール大特集とした。
Russian River Valley/Green Valley 代表として、Freeman, Keefer Ranch 2005
Sonoma Coast 代表として、Hirsch, Hirsch Vineyard 2005 を。
話はどんどん弾み、食事もどんどん進み、ワインもテンポ良く消費され、「じゃあ、Santa Lucia Highland 代表として、ピゾーニ飲み比べ、
やっちゃいましょうか」ということになり、
Testarossa, Pisoni Vineyard 2004
Pisoni Estate, Pisoni Vineyard 2004
Capiaux, Pisoni Vineyard 2005 
飲み比べだから、グラスも一人3グラスになるように、箱からゴソゴソ出してきた。
食べるのも大好き、ワインも大好き、職業柄話題も豊富という方達との時間は、本当に楽しいものだ。
 
 201003月某日

4月1日付けで東京勤務になる知人の歓送会として、そのご夫妻を我が家にご招待。
昼間、準備する時間が充分にあったので、豆のサラダを缶詰のものではない豆で作ってみようと思い立ち、
ブラック・ビーンズと Quinoa (キノア)のサラダ。缶詰の豆だと、どうしても柔らかすぎてグニャっとした感じになるのだが、
水に浸けて沸騰させて弱火でコトコト・・という手間をかけると、良い感じにアルデンテな豆となり、やはり美味。
次回は、ブラックビーンズと、ブラック・アイ・ビーンズとを半々の量にしてやってみようと思う。
 

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