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2011年03月31日
今年の3月は実によく雨が降りました。ストームも2〜3回来て、川が氾濫したり、地崩れが起きたり、強風により大木が倒れたり。
今週の「あれこれ」は、3月28日に開催された「California
Pinot Noir: In Pursuit of Balance」テイスティング・イベントについて 今回は、この組織の初めてのテイスティング・イベントということで、200名限定でチケットが販売され、レストラン「RN74」の大部分を使って、午後5時〜7時半の間に行なわれました。
当日は、全部で23のワイナリーが参加。以前、Coombsville
のテイスティング・イベントのレポート時にも書きましたが、このくらいの数のテイスティング・イベントだと、ほぼすべてのワインを試飲できるので、嬉しい限りです。 |
alta maria vineyards |
Alta Maria Vineyards, Santa Maria Valley 2009 表現しにくいワイン。 Alta Maria Vineyards, Santa Maria Valley 2008 ポワーンとした味わい。 |
7〜8年前には、サンタ・バーバラ周辺のピノ・ノワールをよく飲んでいたのですが、昨今は北のものばかり飲んでいるなあと、このイベントで思い当たりました。久しぶりの南ピノ・ノワールでした。決して悪くはないのですが、南独特の「田舎っぽさ」が、私には少々ダルいです。 |
Au Bon Climat |
"Le Bon Climat-K&U", Santa Maria Valley 2009 スルスルと飲みやすい "Isabelle" California 2008 earthy, きれいな酸 Clendenen Family Vineyards "Le Bon Climat" 2007 |
日本のカリフォルニア・ワイン愛好家で知らない人はいないだろうと思われるオーボンクリマ。昔は、ここの「Knox Alexander」ピノ・ノワールを好んで飲んでいたので、久しぶりに飲んでみたかったなあ、Isabelleも良いけれど・・と贅沢な感想。 |
Calera |
"Jensen Vineyard", Mt. Harlan 2007 普通に美味しい。が、70ドルというのはどうなのだろう。 "Ryan Vineyard", Mt. Harlan 2007 微妙 Central Coast 2009 レストランでのグラス・ワインに最適 |
ここも日本のカリフォルニア・ワイン愛好家の間ではつとに有名。当サイトでも何度となく登場しているのですが、どうも私とは相性が合わないような感じです。カレラについては、個人的にはヴィオニエが大好きです。 |
Ceritas
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"Escarpa
Vineyard", Sonoma Coast 2008 |
大変シンプルなラベルで、かねてより興味のあったワイナリー。スモーキーでミネラリーなワインを予想していたのですが、この日試飲したものは、フルーツの甘みが前面に出ていた感あり。生産量が少なく、リリースした先から売り切れになるので、なかなかお目にかかれなかった ワインですので、お会いできて嬉しかった。 オーナー兼ワインメーカーのJohn Raytek氏は、長いことCopainのアシスタント・ワインメーカーをされていて、去年の夏、Pfendler のワインメーカー職に就かれています。(Greg Bjornstad氏の後任) 注目していきたい。 |
Chanin
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"Le Bon Climat Vineyard" Santa
Maria Valley 2008 野獣の香り "Bien Nacido Vineyard" Santa Maria Valley 2008 エレガントな香りなのに、田舎っぽい。 |
オーナー兼ワインメーカーGavin Chanin氏は、爽やかな好青年で「良いなあ」と、間違った方向から期待度を高めてしまったのが運のつき。久しぶりに飲む南のピノ・ノワールは、どうも私には「ダルい」のでした。Bien Nacido など、かなり好きなヴィンヤードだったのになあ・・・。 |
Cobb |
"Diane Cobb: Coastlands
Vineyard" Sonoma Coast 2008 スモーキー "Emmaline Vineyard" Sonoma Coast 2007 ★ エレガント、きれいな酸。ナイス |
背景や関わっている人のことを知らないワインの場合、それが60ドルを越えていたら、なかなか手が出ません。Cobb のワインはまさにそのパターンだったのですが、だからこそ、こういうイベントが役立つわけです。 |
Copain Wines
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"Les Voisins", Anderson valley
2009 "Monument Tree" Anderson Valley 2009 "Wentzel" Anderson Valley 2009 |
大好きなアンダーソン・ヴァレーの、しかも散々な年だった2008年のあとの2009年ヴィンテージの、しかも単一畑ものもあるということで、是非試飲したかったのですが、いかんせん、ものすごい人だかりで、近づくことさえできませんでした。残念。 |
Evening Land |
"Tempest Bloom's Field" Santa
Rita Hills 2009 少々固い? "Occidental Vineyards" Sonoma Coast 2009 大変ドライで、タンニン強し。ピノ・ノワールの異端児的存在。 |
オレゴンEola Hills、ソノマのOccidental、サンタ・バーバラ近くのSanta Rita Hillsのバラバラ3箇所に畑を「所有」しているワイナリー。結構なタンニンの強さにたじたじとしてしまいましたが、数年寝かせておくと馴染みやすくなるのでしょうか。個性的であることは問題ないのですが、1本100ドルを越えるようなワインは、もう手が出ません。 |
Failla |
"Keefer Ranch", Russian River
2009 "Pearlessence Vineyard" Sonoma Coast 2009 "Hirsch Vineyard" Sonoma Coast 2009 |
年に数回はワイナリーを訪れているし、それ以外でも比較的よく飲んでいるので、今回は試飲をパスしました。背が高いEhren Jordan氏はよく目立っていて、彼のブースにはたくさんの人だかりでした。 |
Flowers |
"Sea View Ridge Estate" Sonoma
Coast 2007 体に良さそうな薬草の味わい。 "Frances Thompson Estate" Sonoma Coast 2007 ★ ダーク・ココアの香りがナイス。 |
1年ほど前に、ナパのQuintessa がFlowersを傘下に収めて以来、スタッフの数が充実して、今ではツアー&テイスティングが一般に開放されています。(アポ要) 大量の霜、夏の山火事と災難続きだった2008年は、当ワイナリーにとっても影響があったようで、2008ヴィンテージのものは極端に種類が少ないです。この日出されていたのも2007年で、Flowersの今までの印象をガラっと変えてくれたFrances Thompson Estateのピノ・ノワールも、2008年ヴィンテージは出ていません。 |
Freestone |
Sonoma Coast 2007 Sonoma Coast 2008 Sonoma Coast 2009 (バレル・サンプル) |
Insigniaでお馴染み、ナパのジョセフ・フェルプス・ワイナリーのピノ・ノワール&シャルドネ・ブランド。何度となく口にしているので、今回はパス。単一畑ものも出ていなかったし・・。 |
Hirsch Vineyards |
"Bohan Dillon" Sonoma Coast
2009 適度に甘くて、酸もしっかりしていて、飲みやすい "San Andreas" Sonoma Coast 2007 ★ スモーキーでearthy で、エレガントでもあり、ナイス。 |
昨年6月に、メーリング・リスト・メンバー用オープンハウス・パーティがあり、山の中の当ワイナリーへ伺ったのを懐かしく思い出しました。(左の写真は、その時のもので、オーナーのDavid & Marie Hirschご夫妻) ここも、2008年の山火事の悪影響が少なからずあったようで、2008ヴィンテージのものはラインアップが極端に少ないです。 |
Kutch |
Anderson Valley 2009 ナイスな香り。森林を彷彿させるのは好みのタイプなのだが 少々ボヤけた味わい。 "Falstaff" Sonoma Coast 2009 ドライでミネラリー。とっつきにくい。もう少し待ちたい。 "McDougall Ranch" Sonoma Coast 2009 |
ニューヨーク在住のトレーダーだったJamie Kutch 氏が高額サラリーを投げ打ってワイン造りの道に飛び込んだというのが、当ワイナリーの「ストーリー」。ジェイミーご自身は、人当たりの良い快活な男性。ロバート・パーカーJr氏から高評価を受けて以来、入手困難なワインになっております。生産量が少ないので、メーリング・リストに載せるのもウエイト・リストになってしまっていますが、それでもワインの料金を40ドル代に抑えているのは素晴らしいと思います。 |
Lioco |
"Hirsch Vineyard" Sonoma Coast
2009 earthy、ミント。ハーシュ・ヴィンヤードの良さが出ている。 "Michaud Vineyard" Chalone 2007 甘いイチゴ。 |
初めて口にするワイン。 あちこちのAVAを代表するヴィンヤードからフルーツを買って造っておられます。 |
Littorai |
"The Pivot Vineyard" Sonoma
Coast 2009 "Savoy Vineyard" Anderson Valley 2009 "Savoy Vineyard" Anderson Valley 2007 ★ |
アンダーソン・ヴァレーの2008年ヴィンテージに「ダメ出し」をして、一切ボトリングしないことにしたのは、このリトライが最初でした。 で、2007年ヴィンテージを早めにリリースしたとのことですが、2009年ものが市場に出回るようになったこの時期に、Savoyの2007年を試飲できたのは嬉しいことでした。 素敵なピノ・ノワールでした。 |
Miura Vineyards |
"Garys' Vineyard" Santa Lucia
Highlands 2008 大地の香り。 "Pisoni Vineyard" Santa Lucia Highlands 2008 しっかりときれいな酸が素晴らしい "Silacci Vineyard-Matador" Monterey County 2008 ダーク・ベリーの芳しい香り。 |
久しぶりに口にしました。で、やっぱり美味しいなあと嬉しく思いました。 今時、ウエブサイトも持っていないワイナリーなんて、そうそうありません(笑) |
Mount Eden |
"Estate" Santa Cruz Mountains 2009 ★ とてもフレッシュ。若々しくキュートなワイン。 "Estate" Santa Cruz Mountains 2007 ・・・・・ "Estate" Santa Cruz Mountains 2005 深い森林の香り、earthy、心地よい酸。 |
少し前のサンタ・クルーズ・マウンテン地区のピノ・ノワールは、やたらスモーキーでドライで、口の中がシュワシュワ乾ききってしまうかのようでしたが、大分と変わってきたのだなあと思わされました。 |
Native9 |
"Rancho Ontiveros Vineyard"
Santa Maria Valley 2008 "Rancho Ontiveros Vineyard" Santa Maria Valley 2009 |
派手なところのまったくない、家族経営で地味にボチボチやってます、といった「ほのぼの」感漂うワインだと思います。 悪く言えば、垢抜けない・田舎っぽいワインということになりますが、これはこれで良いと思います。 |
Peay |
Sonoma Coast 2009 "Ama Estate" Sonoma Coast 2009 "Pomarium Estate" Sonoma Coast 2009 |
メーリング・リスト・メンバーになっているので、毎年少なくとも6本は飲んでいるのではないかと思います。もともと、ピノ・ノワールが好きで当ワイナリーのメンバーになったのですが、最近は赤ならシラーの方が面白く感じています。 試飲はしなかったけれど、せっかくだから写真をと、ワインメーカーのヴァネッサと一緒に撮ってもらったら、まったく知らない男性が間に写っていて、ちょっと憮然。 |
Sandhi |
"ELV Tempest" Santa Rita
HIlls 2009 Meatyな香りだが、味わい極めてエレガント。 |
このイベントの主催者の一人、Rajat Parr氏が立ち上げたブランド。この2009年がデビュー作。「Sandhi」というのはサンスクリット語で「アライアンス」「コラボレーション」という意味だそうで、大地と葡萄の木々、そしてそれらを取り巻く人間との連携、コラボレーションがワインを生み出すという背景を表しています。 Parr氏は、ワイン・ディレクターとして、「RN74」で出すピノ・ノワールはアルコール度数が14度以下のものに限るというルールを打ち出し、それが一時ワイン愛好家の間で物議を醸しました。 目の前のParr氏は、クリクリっとして、偉ぶったところのない紳士です。 |
Soliste |
"L'Esperance", Sonoma Coast
2007 森のイメージの香りながら、味わいはイチゴ・ジャム。 もう少し酸が欲しい。 "L'Esperance" Sonoma Coast 2008 甘さが抑えられて、よりearthy。ナイス。 |
初めて口にするワイン。2007年のものは、ソノマ・コーストと言うより、Russian River Valleyのイメージでしたが、2008年はよりソノマ・コーストっぽい感じがしました。ただ、150弱ケースの生産量ということで、1本$69にもなっており、ちょっと手を出しにくいレンジであります。 |
Tyler |
"Clos Pepe" Santa Rita
Hills 2008 ★ クロ・ペペ復か〜つ!と喝采したくなるワイン "Presidio" Santa Barbara County 2008 ポプリの香り。穏やか。 "Bien Nacido N. Block-Old Vines" Santa Maria Valley 2009★ 1973年に植えられたという古樹からのフルーツは、 成熟した落ち着き感がありながら、ダーク・チェリーと スパイス風味が相まって、フレッシュで素敵なピノ・ノワール になっている。 |
南のピノ・ノワールは、どうしてこうも「良く言えば素朴、悪く言えば田舎っぽい」のだろう、と悶々としていたところにTyler
登場で、左3種のワインを試飲して、思わず「これだ〜!」と嬉しくなりました。 Clos PepeもBien Nacido も昔、飲み倒した畑なだけに、キリっとした、そして翳のあるピノ・ノワールに再び出会えたことが、この日の何よりの収穫でした。でも、Old Vinesのワインの生産量がたったの94ケースって・・・。 (写真は、オーナー&ワインメーカーのJustin Willett氏) |
Wind Gap |
"Woodruff Vineyard" Santa
Cruz Mountains 2008 ★ ワイルド・マッシュルーム、きれいな酸。ナイス。 "Woodruff Vineyard" Santa Cruz Mountains 2009 Sonoma Coast 2009 ★ earthy, vivid, vibrant acidity ナイス。 |
初めて口にしたワイン。最初に「ソノマ・コースト2009」を頂いた時、新鮮で躍動感溢れたピノ・ノワールにいたく感動しました。そして、サンタ・クルーズ・マウンテンの単一畑ものが見せた、ダーク・フルーツとマッシュルーム、そして酸との絶妙なバランスに、うっとり。アルコール度 12.5というのが驚き。 オーナー&ワインメーカーご夫妻のお顔に見覚えがあったので、イベントのブックレットを見直してみたら、PAX のPax Mahle 夫妻じゃあないですか。いやあ、Paxさんが造るサンタ・クルーズ・マウンテンのピノ・ノワールに出会えたなんて、う、う、嬉しい。 |