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2006年1月18日

先週末、気温がぐっと下がり冬らしい寒さとなりましたが、今年これまではさほど「おお、寒い!」と震える日も少なく、
穏やかな感じが続いています。雨はしかし、時々やってきて雨季は健在。

今週は、「20ドル以下のカリフォルニア・ワイン」Vol.19をお届けします。

Capiaux
Pinot Noir , Swink  2003
California                        $12.25

このワインとは、「プリマ・リストランテ」で行われた「ピノ・ノワール・サミット05」で出会いました。
本番ピノ・ノワール・サミットが始まる前のレセプションで、参加ワイナリーが作っている白ワインに
混じって出されていました。

ラベルには「ピノ・ノワール」と書かれていますが、配られた用紙には「ロゼ・ピノ・ノワール」と
書かれており、ほんの少し冷やしてサーヴされておりました。
パーティーの最初、或いは夏の野外バーベキュー・パーティーなどにピッタリな軽やかさ、そして求めやすい値段が
気に入って、その場で数本注文。

キャピオーは、「O'Shaughnessy」ワイナリー内で、そのワインが造られており、キャピオーのオーナー&ワインメーカー、
ショーン・キャピオー氏は、この「オショーネシー」のワインも手がけておられます。
ハウエル・マウンテン地区、
Angwinというヒッピー・コミューンのような土地の丘の上に、ワイナリー施設と、オショーネシーの
畑があり、そこから造られるカベルネ・ソーヴィニョンは、マウンテン・カベルネの名にふさわしい、しっかりとしたどっしりワイン
です。

一方、ショーンが自らのラストネームを冠して造っているキャピオーのワインは、ピノ・ノワールのみ。メインになるワインは、
すべて単一畑、
Single-Vineyardものです。今や、カリフォルニアのピノ・ノワールを語る時には必ず登場する、サンタ・
ルチア・ハイランドの「
Pisoni」や「Garys'」各ヴィンヤードのものも素晴らしいワインですが、Russian River Valley
Widdoes」ヴィンヤードからのピノ・ノワールが、最もキャピオーらしい、エレガントなワインであるように思えます。

単一畑もののピノ・ノワールに加え、2000年ヴィンテージより複数畑のブレンド・ピノ・ノワールを出しており、
2001年から、そのブレンド・ワインの名を「
Chimera」としています。

そして、2002年ヴィンテージから、今回ご紹介している「Swink」を造り始めました。
swink」というのは、古語で「骨折り」「汗水流す労働」といった意味がある言葉。
ラベルに「ロゼ」と書かれてないので、どういったものなのかなと、ショーンにEメールで問い合わせしてみましたところ、
このワインは、ピノ・ノワールの「
sagine」だということです。

別称「bleed」とも呼ばれるワイン造りのテクニックのひとつで、収穫・クラッシュしたフルーツを発酵のためにタンクに移す際、
そのうちの数パーセント分のジュースを取り分けるのです。
スキン・コンタクトをさせずに果汁を取り分けることにより、その色は非常に薄いものかピンクになるというわけです。

これをすることにより、タンクに残されたジュースと皮のコンタクト比率が増え、より凝縮されたワインができあがります。
ベースとなるワインを強化するのに使われるテクニックだとのこと。
その取り除かれた色の薄いジュースで造られたのが「
Swink」なのです。

その年の収穫された葡萄により、当ワインの色は微妙に変化するそうで、私が頂いた2003年
ヴィンテージは最も色が濃いタイプで、04年、05年ものはより「ピンク」に近い色になっているとの
ことです。

もともと販売を目的に造っていなかったため生産量も少なく、2002,03,04年が40ケース、
05年が100ケース。思いのほか出来が良く、テイストした人から良いレスポンスをもらったため、
北・南カリフォルニアのブローカーに20ケースずつ渡してきたそうです。数が少ないので、ウエブサイト
にも載せていません。そうと知っていたら数本と言わず、ケースで買っておけば良かった(笑)

  
ちょっと寒い冬の夜には、どっしり赤ワインも良いけれど、ほんの少し冷えた「スインク」を
飲みたくなりました。あつあつのオニオン・スープはどうでしょう。
トレーダー・ジョーズの冷凍オニオン・スープは、容器に入れてオーブンに放り込むこと約40分。
そこらへんのレストランで食べるのとほとんど変わらないくらいの、ナイスなオニオン・スープが
出来上がり。

メインは、チキン胸肉を焼いて、エシャロット、バルサミコ酢、ハチミツ、チキン・ブロスで
フライパンをディグレーズしてぐつぐつさせたソースをかけたもの。
添えたのは、コーン、赤ピーマン、グリーン野菜、
Orzoという米粒型パスタで作った
「なんちゃって」スクタッタ。
鶏とピノ・ノワールは、いつやっても間違いない組み合わせだなあ・・・と、自己満足の夜でした。

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