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今年もあと1ヶ月を残すところとなりましたが、2004年内
にオープンしたベイエリアのレストランで、名実共にトップ
ランナーに躍り出た店のひとつが、今回ご紹介する
「クインス」です。
「フード&スポット」の「フォール・フェスト」で、チラっと
ご紹介しましたが、この「クインス」は、2004年冬に開業
して以来、サンフランシスコの宝石のようにキラキラ光る
存在になっています。
バークレーの「シェ・パニース」と言えば、ベイエリアを代表
する人気レストランですが、クインスのオーナー・シェフ
Michael Tusk氏は、そのシェ・パニースで4年、
そして「Oliveto」という、これも人気のレストランで6年
勤めておられました。
独立して自分の店を開くにあたり、東海岸や、ワイン・
カントリーその他を候補地としてリサーチして
おられたのですが、最終的に、パシフィック・ハイツの端っこ、
ジャパン・センターのそばのロケーションを選ばれました。
お店は、2人掛け、4人掛け、6人掛けを混ぜて全部で
15テーブルほどの小さなスペース。
住宅地の中、ストリートの角にひっそりと佇んでいるの
ですが、赤い布のひさしが中の暖かい雰囲気をそのまま
表しているようで、す〜と引き込まれるかのよう。
メニューは、ファースト・コース(前菜)8種、セカンド・コース
(パスタ)9種、サード・コース(メイン)7種
(数は変わります)、そしてデザート6種ほどで構成されて
いて、ほぼ日替わりで内容が変わります。
Antipasti misti
$11.00
セラノ・ハム、チーズ、揚げられた栗、ざくろがたっぷりと
盛られた前菜。栗の皮をむくのがちょっと面倒でしたが、
ざくろのみずみずしい味わいと、栗の香ばしさが、
いかにも「秋」を感じさせてくれました。
同行者は、ロックフィッシュのスープを注文しましたが、
これがまた、素晴らしく深い味わい!
Garganelli
$19.00
クインスの素敵なところは、セカンドのパスタ群です。
本場イタリアでは当たり前のものでも、アメリカではなかなか
見かけない種類のパスタに、ここで出会えます。
ガルガネッリは、太めのペンネといえば良いのでしょうか。
見た目はどうってことないのですが、これが、少しだけ
ピリっと味付けされたロブスターとあえられており、
しかも王道のアル・デンテ。完璧。
Liberty Duck
$26.00
フラッシュをたくと、本来の色が白けて出るし、フラッシュ
なしでは暗くて暗くて、あとで明暗・コントラストの編集を
したら、右のような荒いものになってしまいます。残念。
ソースの味がよくしみこんだダックもさることながら、
感激したのは、4つに切られたカブ!
大変繊細な味わいが壊されずに活き活きと出ていて、
カブだけお代わりしたかったほどです。
Chestnut Honey
Panna Cotta $.8.50
隣のご婦人が食べておられたのが美味しそうだったので
注文したのですが、こんな素敵なパンナ・コッタには
初めて出会いました。
栗とハチミツ風味のパンナ・コッタは、爽やかな薬草と
いうものがあるのなら、それを思わせるもの。
添えられたクインス(マルメロ)のジャムの微妙な
甘さ、そして、深く香ばしいビスコッティ。ああ、最高。
ワイン・リストは、フランス、イタリア、カリフォルニア産
もので構成されていて、価格も手頃。
嬉しいのは、ハーフ・ボトルが20種類もあることです。
二人席が多いとはいうものの、このくらいの小さい店で、
ハーフが20種もあるなんて素晴らしいではありませんか。
同行者は「グラスで・・・」なんてつぶやいてましたが、
私は飲む気で来てましたから
まず、ハーフでBrundlmayer(オーストリア)の
グルーヴィー(Grüner Veltliner)
を、
次に、ボトルで、Merry Edward(カリフォルニア)のピノ
・ノワール、Russian River Valleyを、そして、デザートに合わせて、
Henriques & Henriquesの10年ものマデイラを頂きました。
グラスは、イタリア、ヴィノ・ボデガのもの、食器はすべてジノリ。
ジノリだろうなあと思って、お皿の裏を見ていましたら、ウエイトレスのモニカが
「こういうジノリも使っているのですよ」と、珍しい川魚の絵柄がついたお皿を出してきて
見せてくれました。
私たちのテーブル担当だったモニカさんが特別だったのかもしれませんが、
メニューの内容も、リストに載っているワインのことも本当に良くわかっていて、
控えめに、けれど的確にサジェスチョンをしてくれました。
次回ここを訪れる時も、絶対に彼女のテーブルを指定したいと思います。
素敵なディナーでした。
Quince |
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住所 | 1701 Octavia St, San Francisco |
電話番号 | (415) 775.8500 |
ウエブサイト |
http://www.quincerestaurant.com/ (2009年移転後も、未だ、工事中です) |
営業時間 | 日〜木 午後5時半〜午後10時 金・土 午後5時半〜午後10時半 |
メモ | ★パシフィック・ハイツという高級住宅地の端っこにあるせいか、 顧客は、とても裕福そうな方々が多いです。 しかも年齢層が高い。40代の私が、その日店内で一番若かった のではないかと思えたほど。 ★両隣がシニア・カップルでしたが、良いワインを1本頼んで、男性は 2皿ほど頼み、女性はたった1皿だけの注文。 そしてデザートをシェアされてました。 両隣が、申し合わせたかのように同じパターンの注文の仕方をされて おり、なるほど、この近くに住む富裕層は、頻繁な外食を、こういう 食べ方でこなしているのだなと思わされました。
★ほぼ日替わりでメニューが変わるため、そういうリピーターをも満足 |
(2004年11月現在)
★註: 2009年9月、当店は、もっとダウンタウン寄り、ジャクソン・スクエアの元「Myth」があった場所に移転しました。
キャパシティもぐんと大きくなり、シェフの力量にますます磨きがかかっているようです。 (2009年秋 現在)