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Myth ジャクソン・スクエアの新星レストラン
★末尾の「註」をご覧ください。
「04年新レストランTOP10」で書きましたように、昨年はレストランの当たり年のようでした。
その勢いはまだ続いているようで、今回ご紹介する店「Myth」も、2004年の秋にオープンして以来、
各種メディアのレビューで高得点を取っています。
【オープンしたてで既に大人気、クールなインテリア】
予約なしで夕食に訪れても、早い時間(5時半とか)なら
チャンスはありますが、プライム・タイムでの食事は
ほとんど不可能なくらい、毎日満員御礼状態です。
場所は、アンティーク・ショップが点在し、建築デザインを
始めとする各種デザイン事務所やらコンサルティング会社、
広告代理店などが集まっている「ジャクソン・スクエア」
地区。
以前、「MC2」(エム・シー・スクエアド)が入っていた建物
です。
MC2がオープンした時も、そのインテリアの格好良さに
「ほお〜」と感嘆したのですが、今回、「Michael
Guthrie and Co.」社によって、デザインし直された
空間は、レンガの壁面が出すワイルドさと、ウッド・フロ
アーの光沢が醸し出す洗練度とが見事にミックスされた、
素敵にクールなもの。
店内に入って右は、長いバー・カウンターとソファ。
各種カクテルが勢揃いですので、このバーが、この周辺
で働いている人達のアフター・アワーを盛り上げており、
午後6時くらいともなると、立っておしゃべり&ドリンクする
人たちも出るほどの人気です。
バーとダイニング・スペースの境界線になっているのが、
4つのブース席。充分なスペースの店内のほぼ真ん中
にありながら、個室っぽい、プライベートな雰囲気を
作っています。このブース席をこの位置に持ってきたのは、
素晴らしいアイデアだと思いました。
【流れるサービス】
同席の友人を、バー前のソファに座って待っている時も、「待ってる間に何か飲まれますか?」
と優しく聞いてくださったし、ダイニング・ルームに落ち着くと、すぐにサーヴァーの人が
やってきて飲み物を聞いてくれるし、ソムリエとおぼしき男性もウエルカムの挨拶を
しにくるし、頼むものが決まったら、実にタイミング良く注文を聞きにくるし・・・で、
何と申しましょうか、サービスの流れがスムースで迅速。
レストランによっては、何か用事がある時、担当の人を探して、目が合うのを待って
手をあげてテーブルに来てもらう、という動きをしょっちゅうしなければならない所も多いです。
が、今回「Myth」での食事は、そういう余分な努力が一切必要がなかったほど、
次から次へと、サービスが先回りして施されました。
Warm Sweetbread Salad
$12.00
スイートブレッドというのは、仔牛の胸腺(のどに近い)で、
チキンナゲットの小型版のような形のものが、柔らかく揚げ
られていました。これが、ベーコン、しいたけ、フリッセ、
マイクロ・グリーンと一緒にこんもり、レメキン型に盛られ
ています。
スイートブレッドがジューシーで、お皿に垂らされたシェ
リー・ヴィネガーと、粒マスタードとの味わいも抜群。
Smoked Salmon Timbale
$12.00
アンディーヴで囲まれた俵型タンバールは、見た目
どうってことありませんが、中身が凄い。
細かく刻まれたダンジネス・クラブ、ロック・シュリンプ、
リンゴが、スモーク・サーモンで包まれていて、
ひとつひとつの素材が、本当にいとおしく感じられるの
です。ひょこっと盛られたアボカドのムースが、また
とてもリフレッシング。
(右の写真、ピントが背景に合ってしまいました・・・)
Foie Gras Mousse on
Brioche $12.00
いろいろ物議を醸し出しているフォアグラですが、
外食先で、この名前を見たら注文せずにはいられない
です。かなり濃厚な味になりがちなフォアグラのムース
も、ここでは梨のチャツネを加えることで、ほのかな
フルーツ味が混じり、ものすごく細かく刻まれた
ピスタチオの香ばしさと、下に敷かれたブリオッシュの
サクサク感が合わさって、「う〜〜ん、おいし〜〜〜!」。
Garganelli Pasta with
Foie Gras Cream $8.00
パスタ、シーフードのディッシュは、ハーフ・サイズと
フルサイズの2通りから選択できます。いろいろな
メニューをあれこれ試したい我々のような顧客には
嬉しい、親切な方法です。(上記料金はハーフサイズ)
またまたフォアグラですが、先ほどのムース同様、
これも大変滑らかでスムースなクリーム・ソースに
なっていて、マルサラのアルコール度が、より一層
このソースの味わいを深めています。
非常に美味しい。
ただ、もう少し温かかったら、もっと良かったのにな、
と思いました。
Mushroom Dusted
Scallops $12.00
プリプリ、シュワ〜のホタテに、しいたけのみじん切り
が振りかけられて、そのまま焼かれています。
海と山の代表選手が握手したような感じ(?)。
添えられたポテト・ピューレが素晴らしく美味で、
きくらげの細切りとうまく合っていました。
これもハーフ・サイズで注文しました。
Pancetta Wrapped
Monkfish $11.00
これもハーフサイズ。
モンクフィッシュ(アンコウ)自体は淡白なので
それをくるむパンチェッタでどうだ!と期待したの
ですが、さほどパンチェッタによる塩味は感じません
でした。それよりも、魚の下に注がれた、ムール貝、
チョリーソ、ルイユ使いのブイアベースが、大変美味、
素晴らしかったです。
これだけ食べても、ハーフ・サイズ狙いに助けられて余裕があり、このあとメイン・アントレから
ラム・チョップを注文して、3人で分けて食べました。デザートは、パス。
【程よいワイン・リスト】
安くはないけれど、めちゃくちゃに高くもないフード・メニューと呼応するように、
ワイン・リストも、注文しやすい料金設定がされています。
グラス・ワインは、スパークリング3種、白9種、赤9種で、白・赤はそれぞれ2oz.とフル・グラスの
選択肢があり、2ozなら3ドル〜11ドル、グラスなら6ドル〜22ドル。
ユニークなフライトが2種。
「Viogn-Year」($12.00)と名付けられたヴィオニエ3種のフライトと、グルナーシュ3種のフライト($12.00)。
ハーフ・ボトルも充分に揃っています。シャンペン2種、白8種、赤11種。
カジュアルに食事を楽しんでもらうべく、「$25 & Under」というメニューもあります。
白11種、赤8種。これはなかなか勇敢な、面白い企画だと思います。
カリフォルニア、フランス産が中心で、スペイン、イタリア、ドイツ産もチラホラ。
知名度の高い、そして値段も高いワインはほとんどリストに入れておらず、
中小規模のワイナリーで、料金もほどほどのものが並んでいます。
ソムリエの男性も熱心で、ニコニコして、相談しやすいナイスな方でした。
それにつられたわけではありませんが、
2ozの白を3種(ドイツのリースリング、仏ピュイ・フュッセ、カリフォルニアのヴィオニエ)、
ハーフボトルで、ブルゴーニュのピノ・ノワール(Morey-Saint-Denis,
Premier Cru, Clos Banlet 01)、
フルボトルで、カリフォルニアのカベルネ(Parador,
シングル・ヴィンヤードのカベルネ、生産量
125ケース・・)と、フードに合わせて存分に素敵なワインを楽しませて頂きました。
3人でこれだけ食べて飲んでをやって、税・チップ足して、ひとり90ドル。
各ディッシュのクオリティを考えたら、これは結構リーズナブルだと思います。
ベスト10には必ず入ってくるだろうレストランです。
Myth
Restaurant & Lounge |
|
住所 | 470 Pacific Ave (near Montgomery) San Francisco |
電話番号 | (415) 677.8986 |
ウエブサイト | www.mythsf.com (まだ工事中の画面多し) |
営業時間 | 火曜〜土曜 午後5時半〜10時(金・土は午後11時まで) ディナーのみ。日・月定休。 |
メモ | ★ブース席は人気ですので、前広に予約して おくか、開店直後の早い時間を選ぶか、です。 ★ガラスで仕切られた個室あり。最大15名まで 収容可能。(右写真) ★ワインの持ち込みは、2本まで、1本につき 15ドル。3本目からは、1本につき$25ドルの開栓料。 お店のリストからワインを買えば、その本数分だけ持ち込み無料。 |
(2005年2月現在)
★註:当レストランのオーナーが、「Myth」と併設の「Myth
Cafe」を売却してしまいました。
大手レストラン・グループの手に渡るのですが、これに伴い、シェフのSean
O'Brien氏と、ソムリエのAlex
Fox氏が
店を離れることになりました。2008年2月頃までは、オブライアン氏がそのままシェフをやりますが、
新しいチームが決定し次第、退くことになっています。残念です。
店名及び、店のコンセプトはそのまま引き継がれるとのことですが、どうなるでしょうか。 (2007年12月現在)
★註:噂によると、現在リッツ・カールトン・ホテル内「ダイニング・ルーム」のシェフであり、「料理の鉄人」でその昔、
坂井シェフ相手に完勝されたロン・シーガル氏が、ここに店を開くかもしれない、とのこと。
まだまだ「噂」の段階ですが、そうなると、とっても素敵かも。
(2008年1月現在)
★註:結局、ロン・シーガル氏は、このプロジェクトから手を引き、Mythは閉店されました。
が、MythのシェフだったSean
O'brien氏は、2008年10月に「Zinnia」という新しい店を開けました。
この新しい店については、「あれこれ」の「なんちゃってブログ、こんなもの食べてます飲んでます」11月分で
紹介してあります。
★註:二転三転後、この「Myth」があった場所には、かの「Quince」が移転してきて、店内も大幅に改築。
直前の予約は大変難しいというくらいの盛況ぶりを見せております。 (2009年10月現在)