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ボカディヨス Bocadillos
ハイテク・バブル崩壊(?)、9.11などを経て、サンフランシスコのレストラン業界も盛衰が激しく、
閉まってしまった店も結構な数になっています。
が、ここ1年ほどで、またパワーを取り戻したかのように、新しいレストランも次々に登場しています。
今回ご紹介するのは、バスク料理で人気を高めたシェフ、ジェラルド・ヒリゴイエン氏が
新たに開いた「Bocadillos」(ボカディヨス)です。(このシェフについては、
「あれこれ5月19日号」で紹介しています)
今流行りの「タパス」(小皿料理)の店で、気楽にふらっと
立ち寄ることのできるカジュアルさ、そしてそれに、ちょっと
クールで洒落たムードを加えた店を目指して作られたのだ
そうですが、その目論見はピッタリ、はまっているようです。
場所は、ファイナンシャル・ディストリクトとノースビーチ、
チャイナタウンの境界線あたり、トランスアメリカ三角ビル
や、アンティーク・ギャラリーが集中するジャクソン・スク
エアのすぐそばです。
入り口は、素っ気無いほどの地味さですが、食べ歩きが
好きな人なら「ん?ここは匂う」とピーンと来てしまうような
佇まいです。
店内は、ハイチェアー三脚のテーブルが4つ、16席ある
長方形大テーブルが1つ、7席と6席に分かれたバーが
置かれており、つまり満員になっても41名収容という
こじんまりサイズです。
煉瓦仕立ての壁に沿って置かれている、ハイチェアーと
テーブルが格好よく、ここに座ろうかなと思ったのですが、
背もたれがないと疲れそうなので、大テーブルに
席を取りました。
メニューは、A La Plancha(グリル)、Marinated
(カルパッチョ・タイプ)、ローストもの、サラダ、ボカディヨス
(フィンガー・サンドイッチ)、フライもの、Innard Circle
(内臓もの)、Pintxos(爪楊枝でつまむ小皿料理)、野菜もの、チーズ&コールドカット、デザート、
に分かれていて、値段は、3ドル〜12ドル。
タパスですから一皿のサイズが小さく、「あれも、これも」と
注文してしまいます。
今回は3人で行ったのですが、デザートも含めてなんと10品
もたいらげました。
フォアグラ、マンゴ、バスク・ライスをセラノ・ハムで
巻いた「ファグラ・ロール」は、
年代モノであろうバルサミコ酢のソースが素晴らしく、
グラスで頼んだVina Meinという、スペインのワイナリーの
白と、とても合いました。
どうしても、どこへ行っても頼んでしまうカラマリのフライは、
プリプリと立派なサイズのイカが、カリっと、でもジューシー
に揚げられていて、ディップするロメスコ・ソースが、
これまた絶妙に美味〜〜い!
豚の足(pigs trotters)は、ハンバーグみたいに形づく
られていました。
たっぷりのハーブを使うことで、脂肪分もその味わいが
柔らかになっていて、付け合せのフリッセー+半熟たまごのみじん切りサラダが、
ふわっと口の中をクリーンにしてくれます。
普段、甘いものはほとんど口にしないのですが、外食する
と何故かデザートまで、しっかりと胃袋に入っていきます。
Creme Catalanは、いわゆるクリーム・ブリュレですが、
表面がガリガリでなく、しっとりとクールに(?)甘くて、
やめられない、止まらない。
Arm of a gypsyは、ヘーゼルナッツのムースですが、
形がビスコッティのようで、ねちょ、どろっとしたムースとは全く
趣きが異なり、これも微妙にハマりました。
場所柄なのかどうかわかりませんが、訪れる人の年齢層が
高く、大人のための
クールなダイニングといった感じで、好感が持てます。
6時頃に、仕事帰りだろう女性(パンツ・スーツ、ショートカット
年の頃40代後半)が一人で軽やかに入ってこられて、
バーに席を取り、グラス・ワインと何か1品を頼んで、新聞を
読んでおられました。
こういうことが自然にできる店というのは、ありそうでないです
から、それだけでも、この店の存在価値が高くなるってな
ものです。
Bocadillos |
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住所 | 720 Montgomery Street, San Francisco |
電話番号 | (415) 982.2622 |
ウエブサイト | 今のところ、なし。 |
営業時間 | 月〜金: 午前7時〜午後10時半(金曜日は午後11時まで) 土: 午後5時〜午後11時
★朝食、昼食、夕食と、メニューは変わります。 |
メモ | ワイン・リストは、ヒリゴイエン氏のもうひとつの店「Piperade」同様、 「MIURA」のエマニュエル・ケミジ氏が監修。 スパークリング2種、スパニッシュ・ホワイト9種、ロゼ1種、 カリフォルニア・ホワイト8種、スパニッシュ・レッド12種、 カリフォルニア・レッド15種。 ドライ、フルーティ、ライト、ミディアム、ボールドの表示と、2〜3行の わかりやすい説明が、各ワインにつけれています。 タパスでカジュアルな店というコンセプトですから、ワインもボトルで 25〜40ドルが平均というリーズナブルさ。 まったく未知の世界であるスペインのワインを試すのも楽しいですし、 カリフォルニア・ワインも、ありきたりなラインアップではありません ので、何らかの発見が期待できます。 久しぶりに、読むのが楽しい、良くできたワイン・リストに出遭った なあと思いました。 |
(2004年11月現在)