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2007年11月28日

今年は、夏から秋にかけての2ヵ月半を、ほぼ毎日ナパ通勤で過ごしたからでしょうか、とにかく今、もう師走が目の前という、時間のたつ
早さに、ただただ驚いております。気持ちが、まだ夏の盛りのあたりをうろついている感じです。
それでも、気温は確実に冬モードになりつつあり、裸足で過ごすことができなくなっている状況を見て、季節の移り変わりを実感している次第。

11月も今週で終わり。月末ですので、なんちゃってブログ「こんなもの食べてます、飲んでます」11月分をお届けします。
今回は、食べてます飲んでます、というより、どこどこ行きました報告の趣強しです。
 

 2007年 11月某日

10月末に、サンフランシスコ市内でアポイントがあり、ランチを一緒にということで、シアター・ディストリクトにあるメキシカン「Colibri」。
場所柄、うなぎの寝床タイプの、こちゃこちゃっとした店内で、特に何が美味しいというわけでもないのだが、昼時はいつも空いているので、ぼ〜っとしたい時には便利。シアターが斜め前にあるので、演劇、ミュージカルがかかっている最中は、開演前後、たくさんの人で賑わうのであろう。
この店にjは、選択肢の多い「テキーラ」メニューがある。テキーラもお酒なので、ピンからキリまであるだろうことは想像に易し。
当店は、「blanco」(ageされていない白)、「reposado」(2ヶ月以上、1年未満、オーク樽で寝かされたもの)、「añejo」(1年以上、3年未満、オーク樽で寝かされたもの)の3カテゴリーに分けて、リストアップされている。そのメニューを眺めながら、「昼間からテキーラ飲んでたら、完全にアル中だろう」と考え、
スペインのテンプラニーヨをグラスで。いづれにせよ飲んでいるのだから、大差はない。
 
 2007年 11月某日

これも10月の話だが、山梨県からの研修生と一緒に、とある日、コルクとカプセルを取り扱う「Lafitte USA」社へ
見学に行った。研修先のワイナリー・オーナーがアポイントを取り付けてくださったのである。コルクひとつ取っても、
こだわろうと思えばトコトンこだわることができるわけで、見学内容は大変興味深く、充実したものだった。
が、私は何より、社屋入り口近くの小さな会議室に飾ってあったアートに目が釘付けとなった。
コルク造りの行程を、コルク材で表したもので、全部で6枚か7枚くらいのシリーズになっているのである。
デコボコ、3Dに質感があり、とてもキュート。欲しい。
「値段はつけられないほどだと思いますよ」と、ディレクターの方がにっこり微笑まれた。
 2007年 11月某日

ソノマ郡とナパ郡をまたぐカーネロス地区を横断する121号線は、ソノマ郡のアーノルド・ドライヴとぶつかって、そのまま
南に向かって伸びるのだが、位置的には丁度、Gloria Ferrerワイナリーの前あたりに、「Cornerstone Place」と
いうキュートなモールが登場した。
もともと、野外アート・ギャラリー風ガーデンがあったところで、そのガーデン横に各種ショップが集合して、この夏、
コーナーストーン・プレイスとして、堂々オープンしたものである。お庭やテラスに飾るもの、インテリアの一部として置かれるもの、など、日本の家ではちょっと考えられないサイズ・デザインのディスプレイを、なるほどね〜と眺めてウロウロするだけでも、結構楽しめる場所である。
そして、ここには現在、3軒のテイスティング・ルームがある。Russian River Valley地区の施設をTwomey(シルバー・
オーク・ワイナリー所有)に売却したRoshambo Winery、カーネロス地区のArtesa, Larson Family、そして「Grange Sonoma」。Grange Sonomaは、ブティック・ワイナリー8軒の協同テイスティング・ルームで、馴染みのある名前がひょこひょこ
出てくる各ワイナリーの背景を知っていると、ここでの試飲がより楽しくなる。
いつか近いうちに、ちゃんと、ここ「コーナーストーン・プレイス」の紹介を当サイトで書いておきたいと思う。
 
 2007年 11月某日

東京都の仕事で知り合った女性(アメリカ人)が、このたび結婚することになり、彼女が10数年にわたり親交を深め、「日本の私の家族」と呼んでいる大阪の御一家が、結婚式出席のため訪米。この御一家の通訳をやってくれないかと彼女に頼まれ、丁度スケジュールも空いていたので、喜んで、そのお仕事を引き受けた。(泊りがけである)
ジャパン・スペシャリストとして、何人もの訪日観光客の手配をやってきた彼女(ジェニファー)は、自身、日本の文化にぞっこんで、ウエディング・ドレスも、着物をイメージしたものをオーダー・メイド。写真ではわからないが、白い生地のスカート部分には、大阪の御一家の紋をモチーフにした絵柄がエンボッシングされている。ベルト部分は、帯をイメージしていて、背中側に飾りを持ってきている。
できあがりに相当感激したらしいジェニファーは、デザイナーの女性と何度もハグして、「It is great ! Fantastic ! I did it ! We did it !」と連呼していた。初めてお目にかかる新郎も、穏やかな、控えめな、優しそうなナイス・ガイで、人の結婚式に出るのは実に実に久しぶりだったが、心から二人の末永い幸せを祈った、素敵なウエディングだった。で、私はレセプションでこれまた、しこたま飲んだのである。踊っていたらしい。
 
 2007年 11月某日

上のウエディングがカーメルで、2泊3日の「お仕事」。この直後、今度は東京都の仕事で、デンバー郊外2泊。
デンバーに行くのは何年ぶりだろうか。アメリカ本土、カ州外で、訪れた回数の多い街のひとつがデンバーだということも、
何かしらの縁があるのだろう。つい、この前、メジャー・リーグのワールド・チャンピオンシップが行われていたが、デンバーでの試合の日はものすごく寒かったようで、テレビで観ていても観客全員すさまじい重装備だった。それを見ていた私は、膝下までのブーツを履き、ロング・コートを手に、マフラーも首に巻いて乗り込んだのだ。ところが、私が滞在した2泊3日は、季節外れの陽気。連日、21〜3度である。唖然とした。
西海岸からコロラド州へのフライトは、ネバダ州、ユタ州の上を飛んでいくこともあり、海の底というのはきっと、こういう感じなのだろうなあと思わせられる風景が、目の下に広がる。飽きない。
 2007年 11月某日

デンバーから帰ってきて翌日、日本から母、祖母、母のパートナーご一行様が訪米。土曜日到着で、その週末は我が家で
ゆっくりしてもらい、翌週月曜日から3泊4日で、アリゾナ州セドナへお連れした。2週間続けて、サウスウエスト・エアライン&ダラー・レンタカーのお世話になったわけだ。ニュースレター「あれこれ番外編」でも書いたが、祖母は車椅子である。飛行機の乗り降りも、車の乗り降りも、当然、健常者よりも時間がかかる。加えて、祖母だけでなく、母も一応「シニア」なので、お二人ともトイレが近い。私も近い方だが、彼女らはもっと近い。アメリカは、ハンディキャップ用設備がちゃんと整えられているので、どこのトイレに行っても車椅子専用ルームがあるので助かるが、それでも「行ける時に行っておくべし」の感覚が私の身に染み付いてしまっており、ワインカントリー日本語ガイドでも、ワイナリーに着くたびに「お手洗いはあそこです」「トイレは大丈夫ですか?」と、お客様に言ってしまう。若い方がお客様だと、失礼にあたるかもしれない。気をつけよう。
 
 2007年 11月某日

で、セドナであるが、私一人で行っていたら、恐らく連日ハイキングしまくっていたであろうと思うくらい、登り甲斐がありそうな奇岩がいっぱいの街である。また、アーティスティックな街でもあり、多数のギャラリーがあり、そこで売られているオリジナル・デザインのアクセサリーなども、かなりナイス。祖母、母、私の女3代が、あ〜でもない、こ〜でもないと言いながら、
指輪やらネックレスやらを試着するのは、ことのほか楽しかった。そうやって買った(いえ、買っていただいた)アクセサリーは、それを着けるたびに、この旅のことを思い出させてくれるものとなるわけで、しみじみとする。
岩のそばは、ハイキング用トレイルが主要で舗装されていないので、車椅子で近寄ることもできずだったが、「Chapel of the Holy Cross」という教会は、スロープが完備されていて、力ふりしぼって車椅子を押して上がった。そこからの景色は大層素晴らしいもので、赤い岩と、コバルト・ブルーの空との色のコントラストが美しかった。
 
 2007年 11月某日

サンフランシスコ・ベイエリアに戻ってきたら、翌週はもうサンクスギビング・デー連休が控えていた。
週末の17日(土)に、下の息子も入れて総勢5人でサンフランシスコに出たが、ものすごい人の数で、賑やかなのはホリデー気分が出て良いのだが、車椅子を押す者にとっては危なっかしくて神経尖る。週明け月曜日に、母と二人だけで再度サンフランシスコに出て、必要なお土産物などの買い物。
ランチをどこか静かでゆっくりと・・と思い、フォーシーズンズ・ホテルの「Seasons」へ。
マーケット・ストリートを眼下にするセッティングだが、「下々の者達よ、お勤めご苦労」と、のたまってしまいそうな、ここだけ別世界の落ち着きである。お値段も別世界で、二人で「二人用前菜」をシェア
して、それぞれサンドイッチを頼んで、グラス・ワイン一杯ずつ飲んだだけで、ちょっとしたディナー並みの料金になった。
でも、ここでナイスなのは、グラス・ワインを注文すると、ちゃんとボトルごと持ってきてくださること。
スペインのアルバリーニョと、ドイツのリースリングと、フランスのシャルドネのどれにしようか迷っていると伝えると、3つのグラスを、母と私それぞれの前にセットして、3本ボトルを持ってきて、テイスティングさせてくださった。さすが、フォーシーズンズ。「これにします」と決めたあとも、
試飲分が残ったグラスはそのまま。完全に飲みきってしまうまで下げられなかった。食い意地ならぬ飲み意地はっている私には、これも
ナイス。食べ物のポーションはデカい。「二人用の前菜」など、これだけで充分なサイズだ。ホタテだけたいらげて、フィンガー・サンド(にしてはデカい)はお持ち帰りさせてもらった。
 
 2007年 11月某日

サンクスギビング・デー前日、全員(総勢7名)で、ご希望の「Crustacean」へ。外国タンカーが、ブリッジの一部にぶつかり重油が流れ出たせいで、現在ベイエリア一帯で獲れるものは一切市場に出せない状態なのだが、当店の蟹は、
カナダから取り寄せているものだとのこと。店の人が、電話の相手にそう説明しておられた。
以前、会社勤めをしていた頃は、日本からの方を接待すべく、頻繁にここで食事していたものだが、最近はとんと
ご無沙汰。しばらく来ないうちに、店内インテリアが変わり、メニューも日本語のものが出てきた。蟹の気分が出なかった
ので、お魚のディッシュにしてみたが、ここではやはり、ロースト・クラブを食べないことには意味なしであることを、
改めて実感。
以前良く来ていた頃は、ワイン・リストも「意欲的」な感じがして好印象だったが、今回はどうも「疲れている」感否めず。
「某Aのシャルドネ単一畑ものが、安くないけどバカほど高くない料金で出ていたので、これを注文したが、リストに載っていたのが2002年ヴィンテージ。「これの05年はないのですか?」と聞くと、ないとのこと。売れ残っているのを、
リストに載せたままにしてあるのだろうなあという気がして、少々がっかり。2002年シャルドネそのものは、のったりして美味しかったが、このシャルドネはこんなのじゃないはずなんだけどなあ・・という思いが、最後まで消えなかった。
 
 2007年 11月某日

昔からアメリカに住んでいる人の中には、「レストランで、よく『シャブリ』と『バーガンディー』というワインを見かけるのだが、アメリかのどの辺でシャブリ(バーガンディー)が造られているのか?」と疑問に思っている方がおられる。日本に住んでいる方にとって、この疑問は、何のことを言っているのか、さっぱりわからないものだろうと思う。最近でこそ、ほとんど見かけなくなったが、ほんの15年ほど前までは当たり前のように存在していた「間違った表記」である。
先日、家の近所のメキシカン・レストランに息子達と食事に行った時、久しぶりにその表記がされたドリンク・メニューと出会った。こういうメニューが、北米ではごくごく一般的なものだったのである。すなわち、「シャブリ」とはドライな白ワイン、「バーガンディー」とは赤ワインを意味する総称 なのである。スパークリング・ワインをすべて「シャンペン」と呼ぶのと、同じ感覚かと思う。
この表記で、恐らく一番被害をこうむっているのは、本物のシャブリだろう。生産地も品種も不明の、色が白ワインっぽいというだけの安ワインがイコール「シャブリ」なのだから、「シャブリは安いだけで、全然おいしくない」という偏見が根強く残っていたりする。
 
 2007年 11月某日

サンクスギビング・デーは、日本からの家族、そしてワイン仲間の一家と、全部で10名いたので、久しぶりにターキーを焼いた。18ポンドのデカい七面鳥である。きゅうりとアボカドの冷たいスープを皮切りに、友人ご持参の三種ビーンズ・サラダ、マッシュド・ポテト、いんげんのサイド・ディッシュ、ターキー&スタッフィング、パンプキン・パイ(ちゃんと焼いた)、チーズと、食べるものは盛りだくさん。
冷たいスープには、我が家の「ハウス・ソーヴェニョン・ブラン」化しかけている、Elizabeth SpencerのSB、
Mendocino 2005。
そのあとは、テーマを「ワールド・ワイド」に設定。開けた順番に以下。 5番以降はカリフォルニア・ワイン。

@Great Wall, Cabernet Gernischet  中国
AChateau Musar, Guston Hochar  98 レバノン
BCastello Di Ama, Chianti Classico 99 イタリア
CPaul Autard, Cuvee La Côte Ronde, Chateauneuf-Du-Pape 03 フランス
D
Piña, Cabernet Sauvignon, Howell Mountain 01
E
Capiaux, Pinot Noir, Pisoni Vineyard 04
F
Stony Hill, Semillon de Soleil 05

中国のワインは、10月末から中国に出張で出かけた主人が買ってきてくれたもの。カベルネ・ガーニシェットなどと
いう品種とは初対面。中国産のワインからして、一同にとって初体験だった。ラベルのどこを見ても、ヴィンテージが
記されていないのだが、表に「八年珍○」(何と読むのかわからない)とあるので、8年寝かせてあったものなの
だろうと判断するが、いつから8年なのかわからず。
香りだけ嗅ぐと、「あ、飲まない方が良いかも」と思ってしまうタイプのものだったが、飲んでみると、さほど悪くない。
でも、何かしら、よくわからない、微妙〜〜な味わいだった。「中国4千年の歴史」じゃないが、古〜い古〜い醸造所を彷彿させる。

シャトー・ミュザールは、レバノンを代表するワイナリーと聞いていたので結構楽しみにして開けたのだが、残念なことにヤラれていた。
ある方から2006年10月に頂戴して、我が家のクロゼット・セラーに保管していたのだが、恐らく、その方が購入された時点で既に
痛んでいたものと思われる。大変残念。

3本目のキアンティ・クラシコから、ようやく「ワインらしいワイン」にありつけた〜!という、皆さんの安堵感がひしひしと伝わってきた。
圧巻は、やはり4本目ポール・オタールの赤だった。2006年3月、南仏に行った時訪れ、いたく感激したワイン。
あれから1年半以上がたち、少々目立っていた醤油くささが消え、深いダークベリーの味わいがジワジワ〜と出てきて、とてもナイス。

5,6本目は、やっと懐かしい場所に帰ってきた感たっぷり。いづれも、大変美味しかった。
最後、ブルーチーズとマンチェゴをアテに、デザート・ワインでストーニー・ヒルを開けたが、山の斜面のセミヨン畑が目に浮かび、
赤ワインのオンパレードで少々疲れていた私達を、ホっとさせてくれた。素晴らしい。
 

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