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2006年4月12日
4月になり夏時間にもなったのに、ま〜だ雨が続いています。一日中降り続けることはないのですが、朝からピカ〜〜ンと快晴という日が 今週は、3月に訪れた南仏のワイナリーについて書きます。 インターネットで探し当てた「スタージュ・アン・プロヴァンス」の栗田さんに、訪問ワイナリーの選定・スケジュール組立てをすべて、 |
当日は、朝方雨が残った、あいにくの曇天でしたが、真っ青な空にヴィンヤードという風景は、北カリフォルニアで充分に味わっていますので、
特に「残念」とも思わず、試飲に集中。
Domaine des Girasols |
![]() ナパ・ヴァレーにある「Kuleto Estate」でツアー&テイスティングを担当 しているゴードンさんが、私が南仏に行くと言うと「是非訪れてみて欲しい」 と教えてくれたドメーヌ。彼の弟が、このドメーヌの娘さんと結婚して、 ワイン造りをしているとのこと。それは絶対訪問しなければなりません。 ラストーの街に入ると、丘の斜面に当ドメーヌのサインが見えてきました。 ゴードンの弟さん、Jon Larum氏は声が兄弟そっくりなだけでなく、 マッチョな体格もそっくり。 ラストー地区全1240ヘクタールのヴィンヤードのうち、ギラソールズは17ヘクタールを所有。 99年3月に植えられた新しい木々と、約90年弱樹齢の古い木々が、南向きの斜面に並んで います。栽培している品種は、58%がグルナッシュ、そしてサンソー、シラー、 ![]() ムールヴェードル、キャリニャン。 ラストー・ヴィラージュのロゼ03と、赤(2000, 01,02,03)を頂きましたが、 他の定番ラベルとは違う、奥様作成キルトの模様がデザインされたラベル の、「L'Arbre de Vie」2002が特にキュートな味わいでした。 ロゼも捨てがたい。しかし、安い。ユーロで一ケタ台は驚き。 |
Château
Raspail |
![]() ジゴンダスは、ラストーから直線距離にして約8キロ強南に位置します。 ギザギザ・モコモコの岩肌が街の背景にそびえ、山の斜面から平地に かけて家が密集する、実に素敵な風景を見せてくれるジゴンダスの街。 ここでは、「シャトー・ラスパイユ」を訪問。 パリの「ラスパイユ大通り」の名前のもととなった政治家、フランソワ・ ヴァンサン・ラスパイユ氏の甥っこ、ユージン・ラスパイユ氏が1800年代 後半に興したシャトーです。 1860年当時、土地を掘り返して出てきたギリシャ彫刻が、英国博物館に 高値で売れ、その資金をもとに、現在も残る写真の建物を建てたそうです。 現在のオーナーは、1979年にここを全部買い取ったMeffreファミリー。 ![]() 土曜日でお休みだったのに、わざわざChristian Meffre氏が案内して くださいました。 彼は、このシャトー・ラスパイユの他に、「Le Chateau de Ruth」と いうワイナリーもお持ちで、テイスティングは、ここのものを入れて4種。 @Chateau de Ruth, Cotes du Rhone 04 (白) グルナッシュ・ブラン、ルーサンヌのブレンド。 クリスプでフルーティーで、大変美味。1本6ユーロ(約860円)という 安さにびっくり。 自宅への郵送が可能なら、ケース買いしたかったほど。 ![]() 郵送が無理とのことで、泣く泣く1本だけ購入。 AChateau de Ruth, Cotes du Rhone 04 (ロゼ) グルナッシュ、サンソーのブレンド。とても「しっかり」したロゼ。 チキンもも肉の粒マスタード入りクリームソースなんてのに、良く 合いそうなワイン。これも、5.40ユーロという安さ。 B同、Cuvee Françoise Seissars, Cotes du Rhone 03 (赤) ![]() グルナッシュ60%、シラー25%、カリニャン15%のブレンド。 オーク樽で熟成。 CChateau Raspail, Gigondas 01 (赤) グルナッシュとシラーの老木がブレンドされると、こうもマッチョなワインが できあがるのかと感嘆。ジンファンデルに見られる「フルーツ主体」の強さ でなく、昔ながらのバーで、どっしりガタイのよろしいおじさま達が 葉巻をくゆらせて、うおっほっほっほとノドだけで笑って、ひそひそ話を しているような、そんな「近寄りがたい」強さ。 何故か私には、しょうゆの味が強かったです。 |
Domaine Paul
Autard |
南仏に来たら、シャトーヌフ・デュ・パープは行かにゃらなんでしょうというわけで、ここ。 ジゴンダスの街も、シャトーヌフ・デュ・パープの街も、建物の造り・色がほぼ同じなので、 あとで写真だけ見ると、どっちがどっちだったか区別がつかなくなります。 違いはしかし、その昔アヴィニョンにおられた法皇が建てたお城の跡。 街の名前そのまんまなのですが、これが見えるか見えないか、です。 この城跡を写真に入れておかないと、あとで困ります。 ![]()
さて、この地区最初の訪問先は、アメリカ市場でも有名な「ポール・ 栗田さんによると、ここは昔からの古いカーヴが素敵だったそうですが、今は新しい |
Chateau
Mont-Redon |
![]() 種々の本・雑誌で見てはいたのですが、実際にこのシャトーヌフ・デュ・ パープ地区のヴィンヤ−ドを目にすると、その「石ゴロゴロ」風景は圧巻。 そして、木と木の間隔の長さも、ここまで離れているのはカリフォルニア ではなかなか見かけない類のものです。
「シャトー・モン・ルドン」は、そのワインが世界中に出回っている大手
これだけのものを、次から次へとテイスティングしていくと、もう何が何やらわかりません(笑)。 |
Château La Nerthe |
![]() 恐らく、シャトーヌフ・デュ・パープ地区で最も知名度の高いワイナリーの ひとつ、「シャトー・ラ・ネルト」が、本日最後の訪問先でした。 最後を飾るにふさわしい、大変古い、重厚なカーヴを拝見できました。 案内をしてくださった担当の女性が、とても一生懸命な方で、カーヴの 中も端から端まで、栗田さんいわく「普通はここまで行ってくれない」 ような、奥の方まで見せてくださいました。 そこはもう、横幅の大きい人は蟹歩きするしかないくらいの狭い狭い 通路の繋がりで、本当に「洞窟」のようでした。 ![]()
石でできたタンクを使っているのは、この地区でここだけだとのことですが、 @ Chateauneuf-du-pape Blanc
2004, 2003, 2002 せっかくここまで来たのだから、1本高いラインのものも買っておこうと、 テイスティングを終えて、ワイン代も支払った時点で既に午後6時前。 |
今回の南仏ワイナリー巡りで、特に興味深かったのは、熟成の仕方でした。 ポール・オタールを除いて、他4軒全部でセメント・タンクを使用しており、上記のように「ラ・ネルト」に至っては「石」のタンクまで 今も尚使っています。 セメント・タンク100%使用ではなく、オーク樽で熟成させたものとブレンドさせる所が大半なようですが、 セラー内で隙間なく塗り固められたセメント・タンクを見た時の驚きは、今も忘れられません。 木樽の巨大サイズ版「フードル」を、熟成時に使っている所もまだまだあるとのことで、 世界中には、いろんなワイン造りの方法が現存しているのだなあと、今更ながら感じ入るところ大でした。
ワインそのものについては、シャトーヌフ・デュ・パープの白が、かなりイケたのが嬉しい収穫でした。 週末なのに、1日フルに案内をしてくださった栗田さんにも感謝。 |