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2006412

4月になり夏時間にもなったのに、ま〜だ雨が続いています。一日中降り続けることはないのですが、朝からピカ〜〜ンと快晴という日が
ほとんどない状態。これを書いている月曜日10日は、よく晴れており、久しぶりに外を走りました。やっぱり気持ちよいです。
予報によると、今週いっぱい、降ったり止んだりの様子がまだ続くようです。やれやれ。

今週は、3月に訪れた南仏のワイナリーについて書きます。

インターネットで探し当てた「スタージュ・アン・プロヴァンス」の栗田さんに、訪問ワイナリーの選定・スケジュール組立てをすべて、
お任せしました。「品種の好き嫌いはまったくなし、仏ワインへの固執・偏見もまったくなし。な〜〜んでもOKです。」と申し上げておいた
のですが、「何食べたい?」「なんでもいい」っていうのが、一番厄介なパターンであることは承知の上。
とりあえず、ナパのワイナリーに勤める友人から聞いていたワイナリー1軒と、シャトーヌフ・デュ・パ−プ地区を入れてもらうことだけ
リクエストしておきました。

                当日は、朝方雨が残った、あいにくの曇天でしたが、真っ青な空にヴィンヤードという風景は、北カリフォルニアで充分に味わっていますので、
       特に「残念」とも思わず、試飲に集中。

Domaine des Girasols
Rasteau

 
  ナパ・ヴァレーにある「Kuleto Estate」でツアー&テイスティングを担当
  しているゴードンさんが、私が南仏に行くと言うと「是非訪れてみて欲しい」
  と教えてくれたドメーヌ。彼の弟が、このドメーヌの娘さんと結婚して、
  ワイン造りをしているとのこと。それは絶対訪問しなければなりません。
 ラストーの街に入ると、丘の斜面に当ドメーヌのサインが見えてきました。
 ゴードンの弟さん、Jon Larum氏は声が兄弟そっくりなだけでなく、
  マッチョな体格もそっくり。
 ラストー地区全1240ヘクタールのヴィンヤードのうち、ギラソールズは17ヘクタールを所有。
 99年3月に植えられた新しい木々と、約90年弱樹齢の古い木々が、南向きの斜面に並んで
 います。栽培している品種は、58%がグルナッシュ、そしてサンソー、シラー、
  ムールヴェードル、キャリニャン。
 ラストー・ヴィラージュのロゼ03と、赤(2000, 01,02,03)を頂きましたが、
  他の定番ラベルとは違う、奥様作成キルトの模様がデザインされたラベル
  の、「L'Arbre de Vie2002が特にキュートな味わいでした。
  ロゼも捨てがたい。しかし、安い。ユーロで一ケタ台は驚き。
 

Château Raspail
Gigondas

 
 ジゴンダスは、ラストーから直線距離にして約8キロ強南に位置します。
 ギザギザ・モコモコの岩肌が街の背景にそびえ、山の斜面から平地に
 かけて家が密集する、実に素敵な風景を見せてくれるジゴンダスの街。
 ここでは、「シャトー・ラスパイユ」を訪問。
 パリの「ラスパイユ大通り」の名前のもととなった政治家、フランソワ・
 ヴァンサン・ラスパイユ氏の甥っこ、ユージン・ラスパイユ氏が1800年代
 後半に興したシャトーです。
 1860年当時、土地を掘り返して出てきたギリシャ彫刻が、英国博物館に
 高値で売れ、その資金をもとに、現在も残る写真の建物を建てたそうです。
 現在のオーナーは、1979年にここを全部買い取ったMeffreファミリー。
 土曜日でお休みだったのに、わざわざChristian Meffre氏が案内して
 くださいました。
 彼は、このシャトー・ラスパイユの他に、「Le Chateau de Ruth」と
 いうワイナリーもお持ちで、テイスティングは、ここのものを入れて4種。

 @Chateau de Ruth, Cotes du Rhone 04 (白)
  グルナッシュ・ブラン、ルーサンヌのブレンド。
  クリスプでフルーティーで、大変美味。1本6ユーロ(約860円)という
    安さにびっくり。
  自宅への郵送が可能なら、ケース買いしたかったほど。
     郵送が無理とのことで、泣く泣く1本だけ購入。
 AChateau de Ruth, Cotes du Rhone 04 (ロゼ)
  グルナッシュ、サンソーのブレンド。とても「しっかり」したロゼ。
  チキンもも肉の粒マスタード入りクリームソースなんてのに、良く
  合いそうなワイン。これも、5.40ユーロという安さ。
 B、Cuvee Françoise Seissars, Cotes du Rhone 03 (赤)
  グルナッシュ60%、シラー25%、カリニャン15%のブレンド。

  オーク樽で熟成。
 C
Chateau Raspail, Gigondas 01 (赤)
  グルナッシュとシラーの老木がブレンドされると、こうもマッチョなワインが
  できあがるのかと感嘆。ジンファンデルに見られる「フルーツ主体」の強さ
  でなく、昔ながらのバーで、どっしりガタイのよろしいおじさま達が
     葉巻をくゆらせて、うおっほっほっほとノドだけで笑って、ひそひそ話を
     しているような、そんな「近寄りがたい」強さ。
  何故か私には、しょうゆの味が強かったです。
  
 

Domaine Paul Autard
Ch
âteauneuf-du-Pape

 
 南仏に来たら、シャトーヌフ・デュ・パープは行かにゃらなんでしょうというわけで、ここ。
 ジゴンダスの街も、シャトーヌフ・デュ・パープの街も、建物の造り・色がほぼ同じなので、
 あとで写真だけ見ると、どっちがどっちだったか区別がつかなくなります。
 違いはしかし、その昔アヴィニョンにおられた法皇が建てたお城の跡。
  街の名前そのまんまなのですが、これが見えるか見えないか、です。
 この城跡を写真に入れておかないと、あとで困ります。

 さて、この地区最初の訪問先は、アメリカ市場でも有名な「ポール・
 オタール」。 アメリカ産ワインのように、「ポール・オタール」という
 ドメーヌ名がラベルの前面に出ていて、わかりやすいので、売れるのだと
 思います。
 オーナー&ワインメーカーの、ジーン・ポール・オタール氏が案内して
 くださいました。かなり男前。クール。渋い。(ワインよりそっちですか)
 
 @ Chateauneuf-du-pape Blanc, 04
     グルナッシュ・ブラン、クレーレット、ルーサンヌのブレンド。
  新樽使用のためでしょうか、馴染みのある味わい。それがかえって、
  シャトーヌフだ!という個性に欠けるような気もしました。
 A Chateauneuf-du-pape, Rouge 04
     70%グルナッシュ、そしてシラー、ムールヴェードル、ミュスカルダン
  のブレンド。シャトーヌフに来たぞ〜、シャトーヌフのワインを飲んでるん
  だぞ〜と、ここに来れたことを感謝したくなる、私にとって「典型的」な
  当地のワインでした。
  グルナッシュがどういうものなのか、徐々にわかってきたような気がします。
 B Cuvée Lacôte Ronde 04
  これは、グルナッシュとシラーのみのブレンドのシリーズ。
  まだボトリングはされておらず、樽出しのもののテイスティングでした。
  100%新樽使用の赤で、のどもとが「ファイア〜」と叫ぶくらい、強烈。
  ジュ〜っとミディアム・レアに網焼きしたステーキを、今ここに配達して
  きてください、とお願いしたくなるワイン。
 C Cuvée Lacôte Ronde 03
     どうもグルナッシュ=「しょうゆ」風味というのが、私の中にインプット
  されてしまったみたいで、これもそうだったのですが、他のものと断然
  違っていたのは、ダーク・ベリーの香りと味わいがとても顕著だった
  ことです。そして、マッチョな力強さが良い感じに溢れていること。
  オーナーのオタール氏の印象とかぶりました。素晴らしいワイン。
  迷わず、1本お買い上げ。38ユーロという値段(約5450円)は安くはありませんが、
  それだけの価値は充分以上にあり。

 栗田さんによると、ここは昔からの古いカーヴが素敵だったそうですが、今は新しい
 テイスティング・ルーム及びセラーが建てられています。今回訪れたワイナリーの中で、
 唯一、アメリカと同じセラー風景でした。(後述参照) 
  
  

Chateau Mont-Redon
Châteauneuf-du-Pape

 
 種々の本・雑誌で見てはいたのですが、実際にこのシャトーヌフ・デュ・
 パープ地区のヴィンヤ−ドを目にすると、その「石ゴロゴロ」風景は圧巻。
 そして、木と木の間隔の長さも、ここまで離れているのはカリフォルニア
 ではなかなか見かけない類のものです。

 「シャトー・モン・ルドン」は、そのワインが世界中に出回っている大手
 ワイナリーです。 ワイナリー巡りの前夜、ホテルのレストランでワインを
 頼んだ時も、ここの白が出されました。

 @ Chateauneuf-du-pape, Blanc 04
 A Cotes du Rhone, Rose 04
 B Lirac, Rouge 02
 C Chateauneuf-du-pape, Rouge 03
 D Chateauneuf-du-pape, Rouge 02
 E Chateauneuf-du-pape, Rouge 99

 これだけのものを、次から次へとテイスティングしていくと、もう何が何やらわかりません(笑)。
 どれもお値段が手頃だし、ラム・チョップとか辛めのソーセージなどと一緒に頂くと、
 さぞや美味しかろうと思いましたが、どれも「!!」とピンとくるような個性というものに欠けて
 いたように感じられました。
 意外に、
Liracの赤が、バラの花びらの香り豊かで飲みやすかったです。
 

Château La Nerthe
Châteauneuf-du-Pape

 
 恐らく、シャトーヌフ・デュ・パープ地区で最も知名度の高いワイナリーの
 ひとつ、「シャトー・ラ・ネルト」が、本日最後の訪問先でした。
 最後を飾るにふさわしい、大変古い、重厚なカーヴを拝見できました。
 案内をしてくださった担当の女性が、とても一生懸命な方で、カーヴの
 中も端から端まで、栗田さんいわく「普通はここまで行ってくれない」
 ような、奥の方まで見せてくださいました。
 そこはもう、横幅の大きい人は蟹歩きするしかないくらいの狭い狭い
 通路の繋がりで、本当に「洞窟」のようでした。

 石でできたタンクを使っているのは、この地区でここだけだとのことですが、
 ストーン・タンクでの熟成など、初めて見聞きするものでしたので、
 大変興味深く見入ってしまいました。

 @ Chateauneuf-du-pape Blanc 2004, 2003, 2002
    シャトーヌフ・デュ・パープの白を、こうやってヴァーティカルでテイス
  ティングできるなんて、とっても嬉しい。「ラ・ネルト」は、これらトラディ
  ショナル・ラインと、倍くらい値段が高い「Clos De Beauvenir
  (白)、「Cuvee Des Cadettes」(赤)がありますが、
  シャトーで普通にテイスティングできるのは、トラディショナル・ラインのみ。
  それでも全然OK,充分です。
  この白では、最近のヴィンテージのものほど好きでした。
  02年ものは味がぼんやりと薄く、03年はミネラルな味わいが豊かで○、
  そして04年がズバ抜けて私好みでした。
  またまた迷わず、1本購入。

 A Chateauneuf-du-pape Rouge, 2003, 2002, 2001, 1999
  これもヴァーティカル・テイスティング。
  2000年ヴィンテージのみ抜けてますが,恐らく評価が高くて売切れてしまっているのでしょう。
  この赤については、人による好みで好き嫌いがかなり別れるのではないかと思われます。
  私の感覚では、2003年は「若い」というより、「幼い」グルナッシュというイメージ、
  2002年は樽の印象が強く、99年は特に何とも感じないもの。で、2001年が飛びぬけて
  美味しかったです。口にしてすぐに「うんま〜い」と声にしてしまったほど。
  栗田さんが、「ランチをご馳走して頂いた御礼」と言って、このワインを買ってくださいました。
  ランチをご馳走するくらい普通なのに、かえって余計な出費をさせてしまって申し訳ない。

  せっかくここまで来たのだから、1本高いラインのものも買っておこうと、
 Cuvee Des Cadettes
のリストを見たところ、1989, 1998, 2001
  購入可能。何年がどのくらい良いのか、まったく知識として持っていな
  かったので、案内してくださった女性の意見も聞いて、
  1998年ものを買いました。59ユーロ。(約8500円) 

  テイスティングを終えて、ワイン代も支払った時点で既に午後6時前。
  土曜日のこんな時間まで、ビジターの相手をしてくださったシャトーの
  女性(名前失念)に感謝。
  一日の最後を、とても素敵に終えることができました。  
 

 
  今回の南仏ワイナリー巡りで、特に興味深かったのは、熟成の仕方でした。
 ポール・オタールを除いて、他4軒全部でセメント・タンクを使用しており、上記のように「ラ・ネルト」に至っては「石」のタンクまで
 今も尚使っています。 セメント・タンク100%使用ではなく、オーク樽で熟成させたものとブレンドさせる所が大半なようですが、
 セラー内で隙間なく塗り固められたセメント・タンクを見た時の驚きは、今も忘れられません。
 木樽の巨大サイズ版「フードル」を、熟成時に使っている所もまだまだあるとのことで、
 世界中には、いろんなワイン造りの方法が現存しているのだなあと、今更ながら感じ入るところ大でした。

 ワインそのものについては、シャトーヌフ・デュ・パープの白が、かなりイケたのが嬉しい収穫でした。
 シャトーヌフといえばグルナッシュとシラー、というイメージが強かっただけに、キリっ、スキっとした、ボヤケない白に出会えて
 ハッピーでした。

 週末なのに、1日フルに案内をしてくださった栗田さんにも感謝。
 自分が英語圏で生活しているため、英語を話す人を見ても何とも思いませんが、ヨーロッパ圏語を流暢に使いこなす人は
 「素敵だなあ」と尊敬モードに入ります。
 栗田さんがやっておられる会社「スタージュ・アン・プロヴァンス」は、料理実習、ファームステイ、アート、語学研修など、
 短期・長期滞在向けプログラムを取り扱っておられます。
 是非、ウエブサイトをご覧ください。
 
 

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