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2008年06月11日

夏にふさわしい快晴・高温の日が、ここ10日ほど続いています。でも、今週末からまた、朝方霧〜徐々に晴れる〜というパターンに
戻るようです。

今週の「あれこれ」は、5月中旬に「Prima Ristorante」で行われた、恒例「ピノ・ノワール・ナイト」について
書きます。当レストランでのワイン・テイスティング・イベントについては、過去何度となくご紹介しているほど、
常連化していますが、毎回、新しい出会いが待ちうけているので、できる限り参加するようにしています。

大規模なテイスティング・イベントになると、ワインメーカーさんやオーナーがブースに常駐することが少なく、
大勢の人々が群れをなす中、なかなかワイナリーの人と言葉を交わすことも難しい。
が、当店でのイベントは、参加ワイナリーが大体6〜8軒に抑えられているので、ディナーと一緒に、
じっくり味わうことができるし、テーブルを順次周ってこられるワイナリー関係者と、何やかやおしゃべりできるので、
充実感があります。

当日のメニューは以下でした。

Antipasto
Ricotta Baked with Black Truffle
White Mushroom Salad with Lemon

この、黒トリュフ入りベイクド・リコッタ、大変大変美味しゅうございました。
白マッシュルームのサラダも、マッシュルームをスライスして、レモンを絞っただけなのに、爽やかでナイス。

Primo Piatto
Tortelli Filled with English Peas
Sweet Butter and Thyme

家でパスタ料理を作ることは結構頻繁にありますが、こういう詰め物をするパスタは面倒くさくて、つい市販のものを
買ってしまいます。だから、こういう、ホームメイドなトーテッリやラヴィオリやらは、本当に美味しくいただけます。

Secondo Piatto 
Pancetta Wrapped Niman Ranch Pork Tenderloin with Mustard Cream
New Potatoes, baby Carrots and Turnips

Dolci
Strawberry Crostata with Vanilla Bean Gelato

出されたワインと、来られていたワインメーカーさん、オーナーは以下。(ワイナリー名アルファベット順)

         

BakerLane
2006 Pinot Noir
Hurst Vineyard
Sonoma Coast
Steven Canter
ワインメーカー

当ワイナリーの背景はなかなか興味深く、オーナーのステファン・シンガー氏は、かの「シェ・パニース」オーナー、アリス・ウオーターさんと過去、結婚されていました。そして、ワインメーカーのスティーヴン・カンター氏は、ボストンのバークリー音楽院に在籍していたこともあるほどのミュージシャンで、現在もバンド活動をしておられるとのこと。
ワインは、残念ながら、私には個性が薄すぎる感があり、時間がたつにつれ酸ばかりが前面にでてきて、望むearthyさが出てきませんでした。
あくまで、私個人の印象です。
 
Bybee Vineyards & Habitat
2006 Pinot Noir
Green Valley,
Russian River Valley

2007 Rosé of Pinot Noir

Suzanne Hagins
ワインメーカー


グリーン・ヴァレーというのは、Russian River Valley AVAの中に位置するサブ・サブ・アペレーション。この地区において、数少ない「認定」されたオーガニック・ヴィンヤードを持ち、ピノ・ノワールだけを造っておられるのが、このバイビー。(「Bワイン」と呼ばれることが多いです)。
大変スムースで、酸もしっかりしていて、時間がたつと、ダーク・チョコレートの香りが鼻腔をくすぐる・・。
なかなかチャーミングなピノ・ノワールだと思いました。
ディナーの前のレセプションで、ここのピノ・ノワール・ロセが振舞われたのですが、これがまた素敵なロゼで、クリスプだし、フルーティーだし、いい感じにドライだし・・で、迷わず2本注文。
 
Harmonique
2004 Pinot Noir, Delicace
Anderson Valley
Robert Klindt
ワインメーカー

ソノマ・コーストのピノ・ノワールも好きですが、メンドシーノに近いアンダーソン・ヴァレーのピノ・ノワールも、個性たっぷりで好きです。
ハーモニークは、ここもピノ・ノワールのみを造っていて、マッチョな「Noble One」と、柔らかめの「Delicace」という2種類を出しておられます。
他ワイナリーよりもリリースが遅めなのですが、それでも、今この時期なら2005年ヴィンテージが出されてもおかしくないのに、2004年とは・・。そのせいでしょうか、少々お疲れ気味なテイストが印象的でした。
 
Pelerin
2006 Cuvee St.Vincent
Santa Lucia Highlands
Chris Weidemann
ワインメーカー


Pelerin」はフランス語で、「Pilgrim」(巡礼者)の意味とのこと。4年前の夏に、ここのワインを買ったことがありますが、「ラベルで買う」層にはまったくウケなさそうなデザインのエチケットが印象的でした。
サンタ・ルチア・ハイランドのフルーツで、ワインを造っておられ、Rosella's Vineyard単一畑ピノ・ノワールで知名度をあげておられます。が、単一畑ものでも、45ドルという値段にしているところが、今の時代、偉い!!
今回出されたピノは、3つの畑からのフルーツのブレンドですが、7割強が前述のRosella's Vineyardのフルーツで占められており、これがバシっと骨格を成しているという印象。安心して頂けるピノ・ノワール。
残り香に、柑橘系。
 
School House
2004 Pinot Noir
Spring Mountain, Napa Valley
Nancy Walker
オーナー

当ワイナリーについては、過去ご紹介しています。(もう4年半も前!)ワインメーカーは、現在も、Bob Foley氏で、とにかく生産量がものすごく少ないので、イベント主宰者も「在庫がないので、このワインに恋してしまわないようにお願いします」と、苦しいスピーチをしておられました。
スプリング・マウンテンでピノ・ノワールを栽培しておられること自体、大変珍しいことで、だから生産量150ケースという数もさもありなん。earthyさがたっぷりの大人っぽいピノ・ノワールは素晴らしいけれど、だけれど、75ドルというのが、ちと高い。
 
Small Vines
2006 Pinot Noir
Russian River
Paul & Kathryn Sloan
ワインメーカー&オーナー

「スローン」と聞いて、ナパ・ヴァレーのカルト・ワイン「Sloan」の新プロジェクト?と思い込んでしまったのですが、どうやら全く関係はないようです。(珍しいラスト・ネームだと思うのですが)
98年、ソノマ郡に戻ってきたポールさんは、葡萄栽培会社を興し、ブルゴーニュのグラン・クリュ畑をモデルに、高品質のワイン用葡萄を栽培してこられています。そして、2007年秋に、「スモール・ヴァイン」の名で、初リリース。
パっと見、他のピノ・ノワールよりも色が薄めなのですが、森の香り、earthyな風味がふくよかで、タンニンと酸とのバランスば大変良いワイン。
とてもエレガント。この日一番好きなワインでした。
 

Whetstone
2006 Pinot Noir
Pleasant Hill Vineyard
Russian River Valley

 

Jamey Whetstone
ワインメーカー

当ワイナリーについても、過去ご紹介しています。
ジェイミーさんにインタビューして以来、ここのメーリング・リストに名を載せて、定期的にちゃんと彼のワインを飲み続けてきていますが、リリースして半年もたつと、売り切れのサインがウエブサイトに出るくらいで、ますますのご盛況何よりでございます。
2006年プレザント・ヒル・ヴィンヤードのピノ・ノワールは、ふるふるフレッシュ、ミントのような清涼感がある、ジェイミーさんみたいなワインでした。
やっぱり、間違いないピノ・ノワール。

        

6人座りのテーブルに同席した2カップルのうち、私の左横に座られた紳士が大層ユニークな方で、血液型の話題になった時、
とりあえず「あなたの血液型は?」とお聞きしたら、「ピノ・ノワール」とお答えになりました。
かなりの規模のセラーをご自宅にお持ちなようにお見受けしましたが、イタリア産ならバローロ、フランス産ならDRCのものと
ディケム以外は、ワインと呼ばない!とおっしゃるし・・・。
やれやれ、いろんな人がおられるものです。

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