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2008年02月20日

2週間ほど、もう春かと思わせる穏やかな日が続きましたが、今週からまた雨です。
今日、水曜日は朝方に雨が上がり、清清しい青空が広がっていますが、夜から今週末までずっと雨の予報です。
今晩は、「月食」が見られる日とのこと、それまで雨が来ないままだと良いのですが。

今週の「あれこれ」は、夏以来の久しぶりの登場、「ロバートからの絵葉書」パート18をお届けします。

ロバートのプロフィールは、こちらから。

Post Card from Napa Valley

まだ暦の上では冬ですが、2月半ばのナパ・ヴァレーでは、春に向かって衣替えの予行演習が行われています。
空には明るい太陽、ふわふわと浮かぶ雲の切れ端、大地にはきれいに剪定された冬眠状態の葡萄の木々たち。
昼間に花開くマスタードの花は、その鮮やかな黄色が新旧ヴィンヤードの畝をあちらこちらを埋め尽くし、
来る2008年ヴィンテージのために、栄養素を土壌に与えています。
ほぼ毎朝、熱気球が空に上がり、アドベンチャーを求める訪問客は、彼等だけにしか見られない素晴らしい風景を
満喫しています。

2008年の始まりは、雨ばかりでした。、例年標準よりも約15%ほど多い雨量が、北カリフォルニアの1月
いっぱいにもたらされました。
特に大きな洪水・冠水は起きませんでしたが、いくつかの小川はその沿岸を越えてしまっていました。
ヴィンヤード・マネージャーらは、溜池に注がれた水量に大満足です。

地元住民は、2月という月が、想像できうる限りのあらゆるタイプの天候をもたらすということを知っています。
今年もそうでした。
春の訪れを思わせる気候が1週間強続き、果樹には赤い芽が出たり、ラッパスイセンが花開いたり。
このような時期には、霜が下りる危険性があることも、我々は知っています。
ウインド・マシーンの試運転が行われ、ヒーターも準備されます。
私にとっては、この時期の花のひとつひとつ、そして陽光の暖かさを楽しむ毎日で、「春先の熱」が
上がる一方です。

今日は、ここ最近で見つけた素敵なワインを紹介したいと思います。これらのワインは、特に「2月」のワインと
して選んでみました。
バレンタイン・デーを中心とする「ロマンス」の月、春といちゃつく月、そして、時々かなり寒くなる夜がある月、
これらがテーマです。

Jana , Old Vine Riesling 2006, Napa Valley, Lazy K and E Ranch

このワインは、ナパとヨントヴィルの間、元「ニューラン・ワイナリー」だった場所に新しくできたカスタム・クラッシュ・ワイナリー
Silenus Vineyards」で、初試飲しました。ここでは、毎日違うブランドのワインがテイスティングに出されています。
ワインメーカーの
Scott Harveyは、その昔、私が高校で教師をやっていた頃の生徒でした。
スコットの奥さんの名前が
Janaで、彼のワイン名になっています。
オフ・ドライのリースリングは、ラザフォード地区にある136年の歴史を持つヴィンヤードからのフルーツで造られています。
2006年は、収穫時期に雨が降ったり気温が下がったりして、結果、かなり長い収穫期間となっていました。
このゴージャスなリースリングのほんの一部は、「
noble rot」(貴腐)でもあります。
アルコール度が僅か10.5%、そして2%の残留糖度。
食前酒としても素晴らしいですし、ロースト・ポークに合わせるのもナイス。
たった350ケースの生産量。小売価格20ドル。

B Cellars, Blend 24, 2004

同じくカスタム・クラッシュ・ワイナリー「Silenus Vineyards」で試飲した、赤のブレンドです。
カベルネ・ソーヴィニョン75%、メルロー15%、シラー10%。
軽めのディッシュでも、重めのものでも食べ物と合わせて飲みやすいワインで、私はある日のバーベキューに
合わせました。赤い果実の風味に、チェリー・タルトや、プラムのニュアンス。
きっちりフルボディだけれど、上質のフィネスあり。小売価格35ドル。

Whetstone, Syrah 2004, Sonoma Coast, Guidici Family Vineyard

ワインメーカー、Jamie Whetstoneは、サウス・キャロライナ出身のサーファーです。私は、レアード・ファイミリー・エステートで
他ワイナリーのコンサルティングをしている彼に会いました。天然パーマっぽいブロンドの髪と日焼けした肌が特徴的な、ナイス・ガイです。
彼の話す言葉は、「サーファー語」がチラホラ。
このシラーは、凝縮されたダーク・フルーツの風味たっぷり、そして微かにスパイシーで胡椒風味の効いたフィニッシュ。
このワインなら、寒い2月の夜でも、温かい食べ物と愛する人と一緒に、あなたを暖かめてくれることでしょう。

(小林註:当ワイナリーについては、「ワイナリー紹介」でも取り上げています。こちらをご覧ください。)

Ceja, Syrah 2004, Sonoma Coast

私は Ceja ファミリーを心底尊敬しています。移民のフィールド・ワーカーから始まった一家の物語は、アメリカン・ドリームを目指す人々に
大きな勇気と目標を与えます。ここでは、彼らの歴史をすべて語ることができませんので、是非、
Ceja Vineyardsのウエブサイトに行って、
背景をご覧頂きたいと思います。
彼らのシラーは、ラスベリーとスパイスの風味が、深く深くパレットを魅了します。どんな食べ物と合わせようかと、想像力たくましく
させられました。まだ冬の装いに満ちている2月の日なら、赤ポテトとスイス・チャードをロースト、チキン・アップル・ソーセージを
グリルしたものと、このシラーを合わせます。

★原文をお読みになりたい方は、こちらへ。以上の翻訳は 小林が行いました。★

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