Beaux Fréres
ボー・フレア
「Beaux
Fréres」は、フランス語で「brothers-in-law」(義兄弟)。「ボー・フレア」は単数形時の発音で(Beau
Frére)
フランス語に明るくないので、複数形になった時、それをちゃんと発音するのかどうかわかりません。
どなたか、フランス語のできる方、ご教示ください。
で、何故「義兄弟」なのかということですが、ワイナリー設立にあたり、義兄弟同士でパートナーを組んだことから
来ています。
当ワイナリーのワインメーカーでありヴィンヤード・マネージャーであるMichael
G. Etzel氏が、ヴァケーションで
オレゴン州にやってきた1986年、88エーカーの養豚場が売りに出されていたのを見つけ、ウイラメッテ・ヴァレーに
おけるピノ・ノワール造りに将来性を見出した彼は、義兄(マイケルのお姉様のご主人)、Robert
Parker Jr氏と
共同で、この土地を購入したのです。
そうです、ワイン批評家として大変有名な、あのロバート・パーカーJr氏です。
Beaux Fréres
が、なかなかのワインを出しているのに、「Wine
Advocate」に登場してこないのは、パーカーさんご自身が、
当ワイナリーのオーナーの一人だからなのです。
8月末、アポイントメントを取って訪れた当日は、マイケル・エッツェルさん自らの案内を受けました。
テキサス州から来られたというワイン・ショップ経営のご夫妻と一緒に。
砂利道をぐんぐん上がって、約10エーカー(約4ヘクタール)に広がるエステート・ヴィンヤード
「The Upper Terrace」を拝見。
南東向きのヒルサイドに植えられた木々は、朝の光をたっぷり浴びます。
アッパー・テラス・ヴィンヤードは、8割までがピノ・ノワール(ディジョン・クローン)、残り2割にグルナッシュが植えられています。
当ヴィンヤードのフルーツで造られたピノ・ノワール、初ヴィンテージは2002年。
このアッパー・テラス・ヴィンヤードと、それに隣接する24エーカーの「ボー・フレア・ヴィンヤード」は、いづれも
オーガニック農法で栽培・管理され、No Irrigation
(灌漑なし)。現在、バイオダイナミック農法を取り入れつつ
あるようです。
もうとっくに、Varaison
の時期は過ぎているはずなのに、一房の中に、まだ薄緑色の粒が残っています。
マイケルさん曰く、色の濃いのは朝の光を受ける東側に向いた方で、薄緑色のものは午後の光を浴びる西側なのだ、
とのこと。もう少ししたら、この薄緑色の粒を取り除くのだとおっしゃってましたが、ちょっと気の遠くなるような作業です。
ワイナリーへ下りていくと、そこにはサイズが様々な発酵タンクが並べられています。
計18ブロックから収穫される量に合わせて、4種類のサイズのタンクを使い分けています。
セラーを通りながら、一通りの説明を受けて、テイスティングへと向かいました。
ヴィンヤードでのお話と、ワイナリー内でのお話をお聞きするに、マイケルさんは、ヴィンヤードの方に、
よりご自身を没頭させておられるように感じました。お話の熱心さが、ヴィンヤード関連事項の方に濃く反映されて
いるように思えたのです。
まあ、そんなことはどうでも良いとして、さあ、テイスティングです。
2007
Pinot Noir Willamette Vally
$50.00
3種類のピノ・ノワールを出していますが、ボトルネックの色で、種類が判別できるようになっています。
ウイラメッテ・ヴァレー内ヤムヒル・カウンティの別ヴィンヤードのフルーツとブレンドしてある当ピノ・ノワールは、
グリーンです。
2007年ヴィンテージのフルーツの出所は、ボー・フレア、アッパー・テラス、Shea,
Zena Canyon,
Amalie Robert, Carabella。
このうち20%ほどを、 Shea Vineyard
のフルーツが占めています。
2006年ヴィンテージのオレゴン・ピノ・ノワール(かなりザクっとした括りになりますが)と比べて、
07年のピノ・ノワールは、私にとって少し「わかりにい」ものでした。今飲んで、あまりピンと来ないものを、
熟成を期待して(つまり、何年後かまで寝かせておく)買ってしまって良いのだろうか・・・と、迷うのです。
ボーズ・フレアの、このピノ・ノワールも、まさにそんな感じの、私にとって典型的な07年ヴィンテージ、オレゴン・ピノなのでした。
2007 Pinot Noir Beaux Fréres Vinyeard
$80.00
100% エステート・フルーツ。ボトルネックの色は青。
主要クローンは、Pommard
と
Wädenswil 。
前記の複数ヴィンヤード・ブレンドものと比べると、やはり、単一畑らしい「個性」は出ているように感じました。
品のある大人の、でも話しかけやすそうな女性を思わせるエレガントさ。
でも、やっぱり、私個人的には、2006年の方が好きです。
2007 Pinot Noir The Upper Terrace
Vineyard
$90.00
100% エステート・フルーツ。ボトルネックの色は茶。
ディジョン・クローンのものは、上記ボー・フレア・ヴィンヤードのクローンのものより、色が濃くなるとされている
そうですが、2007年のアッパー・テラス・ヴィンヤードのピノ・ノワールは、色としては、さほど違いがありません。
ただ、グラスから立ち上がってくる香りが、前記2本より断然力強く、素晴らしいものでした。
ダーク・チェリー、エキゾティックなスパイスの香りがフワ〜っと漂い、好きな土っぽさ、森林の感じもあとを
追いかけてきます。
3本の中では、これが一番素敵だなと思いましたが、でも、やっぱり2006年の方が好きです。(しつこい)
マイケルさんには、3人の息子さんがいて、既に皆さん独立しておられます。
長男は、カリフォルニアの「Fisher Vineyards」で働いていて、家族経営のヴィンヤード&ワイナリーがどういう
ものか、どうあるべきかを学んでおり、次男は、ご近所「Willakenzie
Estate」で、ヴィンヤード・マネージメント・
チームに所属、三男はエレクトロニック・エンジニア。
これをお聞きする限り、マイケルさん引退後も、ボー・フレアは次世代に引き継がれていくのだろうと思われます。
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