ホーム 日本語ガイド フード&スポット ワイナリー紹介 人&ビジネス あれこれ コンタクト
私の葡萄の木 St. Helena Winery セント・ヘレナ・ワイナリー
あるウインター・キャンペーン・プログラムのサイトで「ワイナリー」欄を眺めていたところ、「セント・ヘレナ・ワイナリー」
という見慣れない名前を目にし、紹介文を読むと「Adopt-a-Vine」プログラムの創設ワイナリーとありました。
今回は、その「セント・ヘレナ・ワイナリー」のご紹介です。
画像をクリックして、ご覧下さい。
セント・ヘレナ・ワイナリーは、現在リリースされている2001年が
セカンド・ヴィンテージの新進ワイナリーです。オーナーの Peter
Storyさんは、シリコン・ヴァレーにある、サン・マイクロシステムに
勤務されていました。ワインが好きで毎週ナパに通っているうち
に、「いつかここに移り住みたい」と望むようになり、1994年、
その夢を実現させたのです。
土地を買い、家を建て、そこに葡萄の木を植え、最初は、収穫
した葡萄をワイナリーに売る、いわゆる「グレープ・グローワー」
(葡萄栽培者)の立場でいたのですが、(今でも、当時からの
ヴィンヤードから獲れる葡萄は、メリーヴェル・ワイナリーに売られ
ています)、「ナパ・ヴァレー・ホーム・ワインメーキング・アソシエ
ーション」に登録、優れたワインメーカー達と話すうちに、自分達
のワインをデビューさせてみようと決心するに至ったのでした。
ストーリー夫妻は、自分達のワインに何か他と違う付加価値を
つけたいと考えました。
ワイン愛好家が、彼らのワインに対して、もっと身近で、もっと
直接的な繋がりを感じられるようにしたい。自分達が、ここナパ・
ヴァレーに惹かれたのは何だったか? ワインだけじゃない、この
ワインカントリーでの時間・生活・経験が、私達を虜にしたはず。
それを、ワイン愛好家とシェアしようじゃないか。
そうして考え出されたのが、「Adopt-a-Vine」プログラムだったの
です。葡萄の木と養子縁組する、つまり、「自分の木」を持ちませ
んか?というプログラムです。
養子縁組代(?)は、年間 $79.95。これを支払いますと、
「養子縁組認定証」が発行され、自分の名前が彫られた名札が、
葡萄の木につけられます。そして、養子縁組のお礼として、
「Sympa」1本か、または「Scandale」2本のどちらか選択した方が
送られてきます。
右の写真は、養子縁組を申し込んだ私に送られてきたセット
ですが、認定証には、
Manami Kobayashi has adopted on vine on January 08, 2004.
Cabernet Sauvignon Vine - 101-14 Root Stock -Bacchus Budwood
☆ Vine Number: 11 ☆ Row Number: 4 ☆ Block Number: 1
Fleur de Vigne Vineyards - St.Helena Winery
とありました。
ある晴れた日、アポイントを取って、自分の木を見に行きました。
「これですよ」と指差された木には、私の名前が彫られた
タグが・・・!。
どうってことないものなのに、妙に嬉しいものです。
すぐ写真に撮りました。
ピーター・ストーリーさんは、体格の良い、柔和な笑顔がキュート
なおじさま。ワイン造りに、大いなる情熱を持っていて、土壌、
灌漑、剪定法、マセレーション、発酵などについて、とても熱心に
細かく話してくださいました。
ご自宅のキッチンで、Scandaleをテイスティングしたあとは、
セラーに行って、リリースまであと半年の2002年もの、そして
2003年のカベルネを、樽試飲。
グラスは、リーデル(!)
ワインメーカーは、「Merus」という知る人ぞ知るカルト・ワインの
オーナー・ワインメーカー、Mark Herold氏。マークさん自身、
ストーリー夫妻の葡萄にぞっこん惚れこんでしまっているとのこと。
これこそ、ナパの100%カベルネ・ソーヴィニョン!とも言える、
純粋にビッグなどっしりワインが、彼らによって生み出されています。
「自分の木」があるブロックは、2002年に植えられたもので、まだ
しばらくは実験段階というか、様子を見つつある部分です。従って、
配られるワインに、自分の木の葡萄が使われることはしばらくありま
せん。まして、私が選択した「Sympa」はリザーブですから、
その可能性は、非常に低いといえます。
つまり、結果だけ見ると、$79.95で彼らのワインを買っているのと
同じことなのではありますが、そんなことはまあ、どうでも良いです。
ナパ・ヴァレーのセントヘレナに、「自分の木」があるというだけで、
ほのぼのした気分になりますし、やはり他のワインよりも気持ちの入り方が違ってきます。
ストーリー夫妻のマーケティング戦略、私には効果あり!でした。
St. Helena Winery
セント・ヘレナ・ワイナリー
住所:100 Pratt Avenue, St. Helena
電話: (707)
957.WINE
ウエブサイト: http://www.sthelenawinery.com
訪問: アポイントメント要。
「Adopt-a-Vine」プログラムに参加していない方の訪問は、週末の1日、4人まで。
★敷地内に、二棟コテージを建て宿泊施設にしつらえており、養子縁組をした人達は
ここに(有料で)泊まることができます。
★「Adopt-a-Vine」プログラムは、Fleur de Vigneヴィンヤードに植えられた12,000本に
限られています。
★ワインメーカー、マーク・ヘラルド氏の威力からか、2004年1月第二週の「ワイン・スペク
テーター・ウイークリー」で、当ワイナリーの「Sympa」(カベルネ・ソーヴィニョン・リザーヴ)
2001が取り上げられ、なんと「92ポイント」がつけられました。
その影響たるや凄まじいものがあり、ウイークリーが流れた直後から、電話・問い合わせが
じゃんじゃん入ってきたそうです。
リザーヴの「Sympa」が生産75ケース、エステートの「Scandale」が50ケース、合わせて
たったの125ケースしかないものが、ワイン・スペクテーター・ウイークリー掲載1回で
在庫半分以上がハケてしまったとのこと。
(2004年1月現在)