セント・フランシス

【ソノマ・ヴァレー】 画像をクリックして、ご覧下さい。

               ソノマのダウンタウン（プラザ付近）を抜け、北にあがって
                いきますと、「ソノマ・ヴァレー」に入ります。
                エル・ヴェラーノ、ボイズ・ホット・スプリングス、アグア・
                カリエンタ、グレン・エレン、そしてケンウッドという、
                小さな街が連なるのですが、気をつけて通りの名前を見て
                いない限り、それらの街の境界線はほとんどわかりません。

                このあたり、西にソノマ山脈、東にマヤカマス山脈を控え、のんびりした雄大な田園風景が広がります。
                「ソノマ」という名前は、ネイティブ・アメリカンの言葉で「ヴァレー・オブ・ザ・ムーン」であると言われて
                いますが、空をさえぎるものがほとんど何もない盆地では、月を愛でるのにも最高の地であり、
                なるほど、「月のヴァレー」という名にふさわしい所だなと思えます。

                今回御紹介するのは、そのソノマ・ヴァレーの北端近くに
                ある「セント・フランシス・ワイナリー」です。
                サイトを通じて、ワインカントリー日本語ガイドをお申し込み
                頂いた荒川様ご夫婦のご希望により、ご案内しました。

                ご主人の荒川さんが、ニューヨークに出張された時、
                グランド・ハイアット・ホテルでサーヴされたハウスのグラス・ワインに、いたく感動されました。
                どこのワインかと聞いたところ、このセント・フランシス・ワイナリーのシャルドネ（リザーヴ）だった
                そうです。

                セント・フランシス・ワイナリーは、１９７１年に、サンフラン
                シスコのビジネスマンだったJoe Martin氏ご夫妻が、
                ケンウッドの土地に１００エーカーほどの畑を購入したこと
                から始まり、１９７９年に自分達のワイナリー施設を
                建立、１９９９年には、より大きな近代的ワイナリー施設を
                完成させています。

                ２００１年には、エステート畑であるワイルド・オーク・
                ヴィンヤードの入り口付近に、ミッション・スタイルの素晴ら
                しいビジター・センターを建てました。
                今回訪れたのは、このビジター・センターです。

暖炉でパチパチ燃える火は、冬のワイン・カントリーの風物詩。
オフ・シーズンで、しかも平日ですから、どこを訪れても人が少なく、ゆっくりくつろげます。

大きな窓の向こうは、Bald マウンテンとヴィンヤード。
若いシラーが植えられていて、あと２～３年後にはラインアップに加わるだろうとのこと。

                さて今回の訪問では、普通のテイスティングではなく、
                「リザーヴ・ワイン＆フード・ペアリング」を申し込んで
                みました。
                各種パーティ、ウエディング、ミーティングなどが開ける
                スペースも備えてある所ですので、ワイナリーお抱えの
                シェフがおられるわけで、そういうものを見逃すテは
                ありません。

                メイン・テイスティング・ルームで、しばし待ったあと、
                別室に導かれました。
                ５～６人サイズのバーカウンターに、私達３人分のセットが

されてあり、案内係の
Brantさんがクールな笑顔で迎えてくれます。

                ミニ・サイズの食べ物が可愛らしく盛られていて、ちゃんと
                各ディッシュのレシピまで用意されています。
                ワイナリーの簡単な説明を聞いたあと、ブラントさんが、
                フードの説明、そしてワインの説明をしてくださいます。　
                この日のメニューは以下でした。

Duck Confit Canapes	2002 シャルドネ Behler Reserve, Sonoma Valley
コンフィは塩加減が適度で、脂っけも適度。マヨネーズとプロヴァンス・ハーヴで和えられて　いて、ペアリングされたシャルドネとの相性抜群。トッピングされた、いちじくのチャツネが　かなり濃い味で、これが少々勝ちすぎた感あり。　リザーヴのシャルドネは、柔らかな南国果実の香りと、しっかりしたリッチな味わい。　酸味もしっかりあって、とてもバランスの取れたシャルドネでした。
Asian Mahi-Mahi	2001 ジンファンデル Nuns canyon Vineyard, S.V(*)
メルローがあるのに、ジンファンデルが先に来ます。というのも、このジンファンデルは、糖度・　アルコール度の高い爆発型のものとは対照的な、とても軽いＺｉｎだからです。軽やかでは　ありますが、ハーヴの香りと風味がちゃんとしていて、エレガントなＺｉｎになっています。　マヒマヒは、味噌でマリネして網焼き、醤油とごま油を混ぜたソースをたら～り。　味噌や醤油の塩気が、ジンファンデルの甘みを引き出すという典型例を実感しました。　軽いジンファンデルだからこその組み合わせです。これは面白かった。
Braised Short Ribs	2000 メルロー Behler Reserve, Sonoma Valley
コトコト煮込む「Braised」は、かなりの時間がかかりますので、こんなミニ・サイズとなって　出てくると、なんだか申し訳ない気がしてきます。作っちゃった分、全部食べてさしあげます、　と言いたくなる・・・って、これは申し訳ないんじゃなくて単に貧乏臭いということですか。　メルローも美味しく頂けましたが、もう少しパンチの効いたシラーを合わせてみたいなと　思いました。
Dried Fruit and White Chocolate Pave	1999 カベルネ・フラン McCoy Vineyard, Sonoma Valley
どちらかというと、軽やかで飲み安いカベルネ・フランを飲んでいましたので、このように　どっしり強いカベルネ・フランは意外でしたし、それをデザート・ワインのように扱って、甘い　ものと合わせる頂き方は新鮮でした。　ワインだけをテイストしていたら、このカベルネ・フランの良さを掴む事はできなかったのでは　ないかと思いました。

　まずワインだけを一口味わい、そして食べ物を少しつまみ、

                ワイン＆フードを行ったりきたり、「こういう組み合わせ方が
                あるのねえ」、「これを食べると、ちょっとワインの味が
                変わりますね」、「美味しいわあ！これ」・・・と、
                話も弾みます。

正午に予約を入れ、ちゃっかりランチ代わりにしてしまい
ましたが、朝食をしっかり食べていれば、女性なら、これで充分です。

セント・フランシス・ワイナリー＆ヴィンヤーズ St. Francis Winery & Vineyards
住所	100 Pythian Road, Santa Rosa,
電話番号	(800) 543.7713
ウエブサイト	www.stfranciswine.com
訪問	ビジター・センターの営業時間：　毎日午前１０時～午後５時。　主要祝日は閉まります。
メモ	★クラシック・テイスティング　　　　　　　＄５．００　　　シャルドネ、メルロー、カベルネ、ジンファン　　　デルなど４種。　　　ワイン購入で＄５は差し引き。　★リザーヴ・ワイン・テイスティング　　　＄１０．００　　　リザーヴ４種。　　　街でよく見かける白いラベルのシリーズと違い、　　　このリザーヴ各種はあまり見かけません。　　★リザーヴ・ワイン＆フード・ペアリング　＄２０．００　　　レストランで見かける以外は、ここワイナリーでしか売られていない　　　リザーヴ・ワイン４種とフードの組み合わせ。事前予約要。