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クレト・エステート・ワイナリー KULETO ESTATE FAMILY VINEYARDS
【ベイエリアのレストラン王】
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サンフランシスコ及びベイエリアでの外食好きであるな
らば、「Farallon」「Boulevard」「Jardiniere
」「Martini
House」といったレストランは、当然
見聞きしているはず。
これらのレストランのオーナーの一人であり、デザイナー
であるPat Kuleto氏は、過去３０余年に渡り、
数々のレストランを手がけ、彼の手にかかった店は絶対に繁盛するという不文律があるほどです。
何のアカデミックな学位も持たず、独自のセンスとバイタリティで、今の地位を築いてきたクレト氏は、
一方で、当然と言えば当然ながら、かなりのグルメであり料理人であり、
そして、ワイン好きでもありました。
【自らのワイナリーを広大な土地に】
過去２５年の間、ホーム・ワインメーキングに手を染め
てきたクレト氏は、ラザフォード、セント・ヘレナの街を
見下ろすレイク・ヘネシー上の土地を、自らのワイン
造りに最適のロケーションと判断し、１９９２年に
７６１エーカー（約９３万坪）もの敷地を入手しました。
翌年から自家農園として葡萄を植え育て、アウドドア・リビングの究極を行く住み家を建て、
そして９７年にはワイナリー施設を着工、２００１年に完成させたのです。
【一般公開されたエステート】
つい最近、アポイントメント制でツアー＆テイスティング
を一般公開することになったと聞き、早速訪れてみました。
シルベラード・トレイルから１２８号線を東に入り、レイク・
ヘネシーを過ぎると、セージ・キャニオン・ロードは一転、
人里はなれた山道の趣きとなります。
入り口は門が閉ざされていて、Ｅメールで送られた暗証番号を押すと、ずずず〜〜とそれが開きます。
そこからが長い。対向車が来たら一旦停まって、そろそろと通り過ぎなければならないほど
細い道が延々と丘の上まで続きます。
ようやく辿り着いたワイナリー、テイスティング・ルーム
のある建物に入ると、ツアー担当のゴードンさんが
「ヘイ！お待ちしてましたよ」と明るく登場、子犬の
ウギーと一緒に案内を始めます。
テイスティング・ルーム前のテラスは、メキシコの某郵便
局のしつらえが大層気に入ったクレト氏が、材料ごと、
そっくりそのままコピーして、職人まで連れてきて
作り上げたというもの。
【レストランの食材も、この土地で】
そのテラスから始まり、ツアーは丘の上へと向かい、途中
ヤギやウサギや鶏がわんさかいる小屋を通ります。
レストランを所有しているクレト氏は、使用する食材も、
ここで育てています。
セント・ヘレナにある「マティーニ・ハウス」レストランで口に
する卵、ハーブ、野菜、果物の大半は、このエステート
から毎日運ばれているものと、お考え下さい。
もちろん、それら食材を専門に飼育･栽培するガーデナー、
ランチャーがここにおられます。お金のかかり方、凄いです。
【素晴らしくファンタスティックな眺望】
ツアーは引き続き、ゆるい上り坂を進み、頂上にあたる
クレト氏のエクスサイズ場兼仕事場兼休憩場所へと
進みます。
ここからの眺めの何とも素晴らしいこと！
左一帯に、クレト・エステートのヴィンヤードが広がり、
正面にはプリチャード・ヒルの畑が一望できます。
コルギンも、ネイヤーズも、シャペレーも、ぜ〜〜〜んぶ
見えるのです。凄い！
そして右下には、通ってきたレイク・ヘネシーが美しく
湖面を光らせていて、その向こうの平地はラザフォード。
コッポラの邸宅まで、遥かかなたに確認することが
できます。
この大パノラマが望める最高の場所に、水平線いっぱい
まで水が張られた美しいプールが！
夏の夕暮れ、ピニャ・コラーダか何かを頂きながら
このプールでくつろぐことができたら、どんなに素敵なこと
でしょうか。
【クレト氏のプレイベート・ハウスも？】
ツアーの途中、丁度クレト氏ご出勤時に出くわし、案内係
のゴードンさんは、「パットが出かけていったから、じゃあ、
家の中もお見せしましょう。」と、かなり軽いノリで、
すたこらすたこら。
３段になって水が流れる池（もちろん、鯉がいる）を前に、
新しいのにもかかわらず築何十年にも見えるラスティック
な建物が、クレト氏のプライベート・ハウスです。
広々とした吹き抜けのリビングは、「マティーニ・ハウス」
レストランのミニチュア版のよう。
家の隅々にまで、クレト氏のテイストが反映されていて、
よくぞここまでいろいろな物を購入･収集したなあ・・と、
絶句状態でした。
クレト氏のデザインは、洗練された田舎風とでも申しますか、興味深いアンティークが惜しげもなく
あちこちに飾られていて、それでいてゴチャゴチャした感じがなく、普段着でくつろげる安らかさを
感じさせてくれます。
【ワイナリー施設、そしてスイート】
ツアーは、このあとテイスティング・ルームに戻り、グラ
ヴィティ・フロー（重力流動）システムを採用してあるワイ
ナリー施設を見学、階上のダイニング・スイートまで続き
ました。
このダイニング・スイートも、最大３０名ほどまで収容
できる、ゆったり広いスペースで、直ぐ横に専用キッチンまでついています。
ウエディング及びレセプションを開ける許可まで取り付けているので、各種イベントで
この部屋を利用することができます。
ここは座って食事ができる場ですが、先ほどのプールサイドでの立食なら、余裕で５０人くらいの
パーティを開くことが可能。
【アウトドア・テイスティング】
肝心のテイスティングですが、グラスを手に、敷地内を
歩きながらの試飲でした。雄大で美しい風景を眺め
ながらのテイスティングは、座ってするものより数段
美味しく感ぜられますし、ワインの背景をより身近に
理解することができます。
2002 Kuleto
Estate Pinot Noir $40
2002 Kuleto Estate Syrah $40
2000 Kuleto Villa Sangiovese $22
2002 Kuleto Estate Zinfandel $28
2001 Kuleto Estate Cabernet Sauvignon $50
どれも美味しく頂きましたが、特にピノ・ノワールとシラーが
印象深かったです。標高約３００〜３６０ｍの急斜面で育て
られたピノ・ノワール、約４２０ｍのシラーは、いづれも
味わいに独特の複雑さがあり、クレト氏ならどういう料理と
マッチングさせるのだろうと、いろいろ想像するのが楽しい
ワインでした。
カリフォルニアでは、どうもそのステータスを確立させられ
ないまま、どんどん衰退していきつつあるサンジョヴェーゼ
ですが、個人的には、ここのサンジョヴェーゼを結構気に
入ってしまいました。
値段も手ごろですし、エステートの雰囲気と言い、
トスカーナを彷彿させるワインとして、思い出になる１本だと思います。
話題の２００１年ヴィンテージのカベルネは、マウンテン・ワインでもありますし、ものすごいパワフルな
フルボディを予想していましたら、これが思いのほか柔らかく、いろいろなハーブの香りが
次から次へと出てくる、非常に面白いカベルネでした。
【ゆっくり楽しみたいエステート】
敷地内には、腰掛けて素敵な眺めを楽しめるスペースが
たくさんあります。来る途中に、食べ物を買い込んで、
ここのツアーをして、そのあとゆっくりピクニック・ランチを
することもできます。
一般公開しているワイナリーで、これだけの眺望、施設、
ワインを一度に楽しめる所は、そうそうありません。
是非、のんびりと、ゆっくりと、ゴージャズかつ、のどかなワイン・カントリー・ライフを、
ここで味わって頂きたいです。
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クレト・エステート |
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| 住所 | 2470 Sage Canyon Road, St. Helena |
| 電話番号 | (707) 963.9750 |
| ウエブサイト | http://www.kuletoestate.com |
| 訪問 | ツアー＆テイスティング： 月〜土曜日 午前１０時半 ＆ 午後２時半。 事前アポイントメント要。 ひとり２５ドル。 |
| メモ |  ★上記テイスティングしたワインの他にシャルドネ も造っているクレト・エステートのワインメー カーは、David Lattin氏。 ピノ・ノワールで有名な「Acacia」で延べ １１年ワイン造りに携わり、９８年から自らの ワイン「ＣＬワイン」を立ち上げる一方、 コンサルティング業を手がけておられます。 ２００２年から、Kuleto Estateのワイン・メーカーとして、ヴィンヤード・ マネージャーのアルベルト・オチョア氏と一緒に、ヒルサイド・フルーツに 挑戦の毎日です。 「今年（２００４年）のフルーツは、かなりエキサイティングですよ。 楽しみにしていてください」とのこと。 （右上写真：左がツアー案内のゴードンさん、右がデイビッドさん） ★最近のレビュー |
（２００４年１２月現在）
