ホーム 日本語ガイド フード&スポット ワイナリー紹介 人&ビジネス あれこれ コンタクト
Nickel & Nickel
ニッケル&ニッケル
画像をクリックしてご覧ください。
カリフォルニア・ワインを好んで飲んでおられる方なら、
「Far Niente」(ファー・ニエンテ)というワインは、目に
したこと、口にしたことがあるかと思います。今回、ご紹介
するのは、そのファー・ニエンテの方々が1997年に設立
した「Nickel & Nickel」というワイナリーです。
ニッケル&ニッケルのワイン自体は、2000年に97年ヴィン
テージでデビューしており、単一畑のラインアップで既に
注目は浴びておりました。
そして、2003年7月に、一般公開のワイナリーが
オープンしたのです。しかも、オークヴィルの、とても
目立つ場所に!
古くからあった農舎・農場を買い取り、(おそらく)巨額の
資金を投入して、建物を修復・増築をほどこして出来上がり
ました。その修復さ加減は、目を見張ります。
電話で予約したツアーは、午前10時スタートでした。とても
品の良い女性が、ツアー参加者を迎え、ニッケル&
The Gleason Barn
ニッケル誕生の背景の説明から始まりました。
その昔は納屋で、それを大・大修復して、オフィスとワインメー
キングのためのラボをしつらえた、「The Gleason
Barn」、
近い将来、ホスピタリティー・ハウスとして使われる
「The Sullenger House」(現在まだ修復工事進行中)、
驚くほど近代的な「The Fermentation Barn」(オーダー
メードの発酵タンクが並んでいます)、そして、その地下に
広がるセラー・・・・、と、ツアーは淀みなく進みます。
興味深かったのは、セラーの入り口に並べられた、各ヴィン
The Fermentation
ヤードの土壌サンプルでした。 ニッケル&ニッケルの
Barn
ワインは、14のヴィンヤードから、それぞれのワインが造られて
いますが、そのうち、10箇所の土壌サンプルを見ることが
できます。色といい、土質といい、石・岩の大きさといい、
各ヴィンヤードが、どれも大変個性的です。
さあ、ツアーが終わると、お待ちかねのテイスティング
です。ホスピタリー・ハウス完成までは、ラボのある
Gleason Barnで,試飲が行われています。
ワイン名が書かれた紙の上に、きれいにグラスが並べられ、
参加者を待ち受けていました。
この日は、「テロワール・テイスティング」。
土壌サンプル
同じヴィンテージで、4つの異なるヴィンヤードからのカベルネ・
ソーヴィニョンと、そして、その日のサプライズ・ワイン1種、
計5種類を頂きます。
2000 カベルネ・ソーヴィニョン Carpenter Vineyard
2000 カベルネ・ソーヴィニョン Tench Vineyard
2000 カベルネ・ソーヴィニョン Sullenger Vineyard
2000 カベルネ・ソーヴィニョン Rock Cairm Vineyard
1999 Dolce ドルチェ
ツアーの様子
色といい、香りといい、最初に口にした時の印象といい、
4種それぞれにハッキリとした違いがあり、ヴィンヤード
比較(テロワール比較)テイスティングの醍醐味を
味わうことができました。
各ヴィンヤードの特定ロットからできてくる葡萄は、
それぞれが手のかかる子供のようだ、とはよく聞きますが、
10数人もの子供をかかえる親は、大変です。 地下セラー
しかも、毎年毎年、その性格が変わる(変わらないかも
しれない)のですから、深い深い愛情なしでは、関わって
いけないものです。
その日の「サプライズ・ワイン」は、ドルチェでした。
ファー・ニエンテが手がけるレート・ハーベスト・ワイン
として、愛好家の間では、その人気はゆるぎないものです。 テイスティング
カベルネ・ソーヴィニョン4種を堪能したあとのドルチェは、
汗をたっぷりかいてハイキングして、山頂に到達、
素晴らしい眺望を楽しんだあと、温泉に身をゆだねた、
その一瞬のようです。 (長い)
ああああああ〜〜〜、おいしい〜〜〜〜〜〜〜、と、
語尾が限りなく、だらしなく延びます。
かのシャトー・ディケムほどはしませんが、それでも、 カベルネとドルチェ
ハーフボトル(375ml)で、75ドル(99年ヴィンテージ、
ワイナリー価格)というのは、簡単に変える価格では
ありません。 ですから、この日にドルチェが「サプライズ」
として出てきたのを見つけた時は、同行者の女性と
小躍りしてしまったほどです。
場所も、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーの前、という
絶好地ですし、ゆったり座ってテイスティングできます
ので、今後、訪問客の途絶えない人気ワイナリーに
なることは必須だと思われます。
早めの予約をおすすめします。
住所: 8164 St. Helena Highway, Oakville
電話: (707) 967.9600
ウエブ: http://www.nickelandnickel.com
訪問: アポイント制。
ツアー及びテイスティングは、一日に数回 目に付く看板
行われます。事前に電話を入れ、希望の
時間を予約します。
ツアーを省略して、テイスティングだけの予約も可能。
料金は、ツアーをしてもしなくても、25ドルか30ドル。
25ドルは、現在リリースされている各種ワインから
アトランダムに3〜5種出されます。
30ドルは、このレポートに書いたような「テロワール・
テイスティング」になります。
5ドルの違いなら、テロワール・テイスティングにした The Sullenger House
方が、このワイナリーの「Single Vineyard Wines(単一
畑ワイン)」というコンセプトを理解する上でも、
よろしいかと思われます。
30ドルのテイスティングは、例えば2名で行ったなら
それをシェアすることができます。つまり、一人15ドル
で、半分ずつ飲めるわけです。
実際、当日は2名ずつ3組のツアー参加者がいましたが、
全3組ともシェアをしていました。
(2003年9月現在)
ワインメーカー
Darice Spinelliさん
2003年10月30日朝、「ファー・ニエンテ」と「ニッケル&ニッケル」のオーナー、Gil Nickel氏が
癌のため、お亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。