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Castello di Amorosa          カステッロ・ディ・アモローサ

ダリル・サテュイ氏の夢】        

ナパ・ヴァレーの北端近く、カリストガの街まであと少しというあたりに、この5月「カステッロ・ディ・アモローサ」
ワイナリーがオープンしました。白い建物とゴンドラで有名な「スターリング」ワイナリーを訪れて、テラスからの眺めを
楽しむと、ダイアモンド・マウンテン側に威風堂々と聳え立つ、この「キャッスル」が見えます。

カステッロ・ディ・アモローサは、ダリル・サテュイ氏が14年かけて建築し続けてきているプロパティです。
ダリル・サテュイ氏といえば、29号線にピクニック・テーブルとお惣菜を提供している、あの「
V.Sattui」ワイナリーの
オーナーです。
同じオーナーではありますが、この2軒はまったく別経営で、別施設、別ワインメーカーを配しています。

カリストガに近いこの土地を購入した当時、サテュイ氏は自分達の別荘というか、ちょっと贅沢な「ヴィラ」を建てようと考えていた
そうですが、すぐに気持ちが変わり、壮大なカステッロ(城)造りに足を突っ込むことになりました。

14年たった現在、ようやく一般公開を始めましたが、まだまだ手を加えなければならない箇所はたくさんあるとのことで、
これは「お城」の運命でしょう。

ここはどこ?私は誰?】        

ツアー&テイスティングは、1時間に1本の割合で出ており、所要時間1時間45分ほど。
地上4階、地下4階、合計107室もあるキャッスル内のツアーですから、(すべての部屋を見るわけではありませんが)、
歩きやすい靴と元気な「足」が必要です。

建物は、イタリアはトスカーナ地方の城をモデルに、史実に忠実に再現されています。
馬を繋いでおく駐車場ならぬ、駐馬場用金具とか、松明を差し込む燭台だとか、XXXX年に敵軍からの攻撃を受けて
半分崩れ落ちた塔だとか、捕虜や罪人に対して行う「拷問」の部屋だとか、(実際に使われていた古い拷問機が
並べられています)、騎士用のリビング&ダイニング・ルーム、そして貴族用のダイニング・ホールなどなど、
よほど「城」というものに思い入れがないと、ここまで手間と費用をかけて再現させることはできません。

一番う〜んと唸ったのは、アーチ型天井のあるセラーで、柱というものを支えとせずに曲線を出すこの様式、現在では
これを専門にやっておられる職人がヨーロッパにもいなかったとのことで、文献を取り寄せ読み漁り、独学で造り上げたそうです。
この部屋の作りつけだけで、約1年半ほどかかったとのこと。

案内役の人が、「写真撮影はどこでもOKですが、私が立ち止まって話している時にだけ撮ってください。
移動している間に
立ち止まって写真を撮るのはご遠慮ください。」とツアー開始前におっしゃってました。
これは本当に、それを守らないと、あまりに建物全体が広く入り組んでいるため、ちょっとグループから外れると、
もうどこに行けば良いのやら、まったくわからなくなるのです。

深く青い空の色と、壁に埋め込まれた石の模様を見ていると、ふと今自分がどこにいるのか、ここはアメリカか
ヨーロッパか、或いは現代か中世か、自分の存在があやふやになる不思議な感覚を覚えます。

テイスティングは、どれを選ぶか】        

ツアーの最後に、地下のテイスティング・バーで、当ワイナリーのワインを試飲。
赤・白合わせて10数種類ある中から、4つを選んでテイスティングします。
ゲヴェルツトラミナーを、「ドライ」タイプと、「
Dolcino」タイプの2種類出しているのが面白く、
私はこの2種類と、イタリア系らしくサンジョヴェーゼ、そして、マスカート・デザート・ワイン「
Il Raggio Del Sole
Ray of Sun)を選択。
手頃でおいしいゲヴェルツを出しているカリフォルニアのワイナリーがまだ少ないので、ここのゲヴェルツは嬉しい
発見でした。
ビール代わりにするならドライのもの、お魚・お刺身などに合わせるなら「ドルチーノ」のもの、と、楽しみ方をわける
ことができます。21ドルと手頃なので、マスカートと一緒に買いました。

赤は、サンジョベーゼの他に、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、リザーヴ・カベルネ、スーパー・タスカン風ブレンド
などを出しておられますが、どれも試飲に選ばなかったので、何も申し上げられません。
現在2003年ヴィンテージのものが勢ぞろいしていますが、04年ものが出揃う頃、この赤軍団をテイストしてみることにします。

V.Sattui」のワイン同様、カステッロ・ディ・アマローサのワインも一般流通に回されませんので、ワイナリーで買うか、
ワイナリーのサイトからオンラインで購入するかしないと入手できません。

ナパ・ヴァレーに突如現れた「ディズニー・ランド」?と、一瞬思えてしまいますが、中をツアーして拝見していくうちに、
ダリル・サテュイ氏の夢というか、情熱というか、思い入れというものがひしひしと感じられ、「よくやった!」と
スタンディング・オベーションをする思いになります。

ツアーも、キャッスルのあちこちを見て回るのに加え、ワイン造りの場に行って、収穫からボトル詰めまでの流れを
丁寧に説明してくれます。英語での説明ですので、大半が理解できないままで終わることを考えると、
とてももったいないのですが、ダイアモンド・マウンテンを背景にしている当地区の土壌、天候の特徴なども学ぶことが
できます。

カリフォルニア・ワインの初心者、ワイン・テイスティングもしたいけど観光要素も欲しい、と願われるビジターには
ぴったりのデスティネーションではないかと思います。

               

カステッロ・ディ・アマローサ
Castello di Amorosa

住所  4045 North Saint Helena Hwy, Calistoga
電話番号  (707) 942.8200
ウエブサイト   www.castellodiamorosa.com
訪問  
 テイスティング・ルーム:午前9時半〜午後5時半
 ★テイスティングのみなら、10ドル。リザーヴ・ワインの試飲を加えると、20ドル。
 ★ツアー&テイスティングは、おひとり平日25ドル、土・日・祝日30ドル。
   試飲にリザーヴ・ワインを加えると、それぞれ10ドル・プラス。
   ツアーは、1時間に1本催行。事前予約要。
 ★フル・キッチンもあるので、50名〜100名のコーポレート・パーティには
  なかなかのヴェニューではないかと思われます。
 

                                                                               (2007年7月現在)

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