2003年11月26日

                    11月の第４木曜日はサンクスギビング・デーで、大抵のオフィス・学校は金曜日も含めて
                    ４連休となります。　この連休からクリスマス、そして元旦までを大きくひっくるめて「ホリ
                    デー・シーズン」と呼んでおり、街は飾りつけ・ライトアップで美しく輝き、クリスマス・ショ
                    ッピングに出る人達で大いに賑わいます。

人々の挨拶も、「ホリデーの準備はどう？」から始まって、別れる時は必ず、「Have
nice holidays !」が付け加えられます。

                    さて、そういうウキウキ気分に満ち始めたたこの時期、何人かの友人・お客様が、日本
                    からお越しになりました。その中のお一人(友人）は、なんと今回たったの２泊で、アメリ
                    カ西海岸に来られており、随分と久しぶりの再会だったのですが、サンフランシスコ国際
                    空港での約１時間半ほどのおしゃべりで、終わり。

                    その友人が、前日の夕暮れ時、愛を語り合うカップルが集まる場所として有名な「バー
                    クレー・ピア」（埠頭）に一人で行ったとのこと。その時のサンセットがあまりに綺麗だった
                    ので写真を撮ったそうで、それを送ってくださいました。

                    同じ時刻、私はサンフランシスコのダウンタウンにいたの　　　　　　　　　画像をクリックして、ご覧ください。
                    ですが、こんなに美しい夕焼けが出ているとは、まったく
                    気づきませんでした。
                    一説によると、オレンジ色・レンガ色の夕焼けは、空気
                    が汚れている時に出るそうですが、本当のところ、どう
                    なのでしょうか。　確かに、日によってサンセット時の
                    空の色は様々で、薄紫や薄いピンクを、サっと刷毛で
                    描いたような時もあります。

                    いづれにせよ、本当にきれいです。この「バークレー・ピア」は、
                    ご覧のように、桟橋が海とゴールデンゲートブリッジに向かって長く伸びている、なかなか
                    ロマンチックな場所で、何かを告白しあいたいカップルには、絶好の場所です。

                    その頃、私はとある方々と、サンフランシスコにあるお気に入りのレストランで、夕食を
                    ご一緒しておりました。とてもとても経済力豊かな方で、カリフォルニア・ワインのこと
                    は、まったく知らないとおっしゃりながら、「とびきりのワインを選んでください」と、力強い
                    お言葉。

                    なかなか口にすることができない有名ワインを、と、ソムリ
                    エと相談して決めたのが、Harlan Estate 1999。
                    ちゃんとディキャンティングもしてくれて出されたワイン
                    は、ダーク系フルーツの香りが魔法のように漂って
                    くる、それはそれは素晴らしいものでした。
                    もっとフルボディな感じを予想していたのですが、
                    嬉しくなるくらいの柔らかさがありました。時間がたてば
                    たつほど、甘～～いジャムのような香りが強くなり、
                    飲み干すたびに、もっともっと欲しくなる魅惑的な
                    １本でした。

ハーランが空になったのは、まだ前菜をようやく終えた頃で、ウエイターさんが「これから、まだ
メインが来ますが、ワインもう１本飲まれますか？」と、悪魔のささやきを寄こしました。

                    再びソムリエ氏と相談して決めたのが、
                    Grace Family Cabernet Sauvignon 2001。
                    ミーハーの極地と笑ってください。笑われても飲む。
                    ソムリエ氏の、「コルギンColgin、ブライアント・ファミリー
                    Bryant Familyも良いけれど、私なら、グレース・ファミ
                    リーを飲みたいと思います」という言葉にノリました。
                    99年もののハーランのあとだったので、リリース直後の
                    2001年ものは、飲む人が飲んだら「まだ若い」と、おっしゃ
                    るかもしれません。しかしながら、どちらかというと早飲み
                    が好きな私には、そのフレッシュさが心地よかったです。
                    何と言ったら良いのでしょうか。非常に懐深い香り、
                    フェンネルのような、ちょっぴり苦さが混じったテイスト、
                    程よい酸味。

                    グレース・ファミリーのボトルが半分も空かないうちに、お腹
                    いっぱいになってしまい、もう一口も入らない状態。
                    格好よく決めるなら、このままサッと支払いを済ませて
                    席を立つのが良いのでしょうが、そんなこと私にはでき
                    ませんでした。
                    ソムリエ氏にお願いして、ディキャンターにたっぷり残っ
                    てしまったグレース・ファミリーのワインを、再びボトル
                    に戻してもらい、お持ち帰りです。
                    笑われても良いです。

友人達との再会と、この２本の極上ワインが、ホリデー前にホリデー以上の喜びを、
私に与えてくれました。　感謝。

　back