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2006年11月08日

今年の冬は、「エル・ニーニョ」タイプであると予報が出たようです。それほど寒くはならないけれど、例年より雨量が多くなるのとこと。
今年の3月の、あの雨の日の多さにうんざりしたのを思い出し、やれやれとタメ息。
が、今日のように、朝方の雨の予報のあと(実際に降りました)、午前10時あたりからパ〜〜と晴れ渡るのを見ると、
こういう感じで雨が来て欲しいと、(寝ている間に降る)切に願うのであります。

今週は、セラーについて。

我が家は、玄関入ってすぐのリビング・ルームにある「クローゼット」が、セラーになっています。
サンフランシスコ湾に近く、海風がそよそよ吹く我が家周辺は、サンフランシスコから車で約20分なのですが、
霧もあまり発生せず、極端ではない穏やかな「四季」があります。
そんな環境の中、そのクローゼットは、ドアを閉めていれば暗く、振動もなく、そしていつもヒンヤリしているのです。
気温が上がった夏の日も、その中に入ると涼しいわけで、何にもせず何も取り付けずして、セラーの役目を果たしてくれています。

と言っても、私の場合、そこで「寝かせておく」ということはあまりしておらず、とりあえず開けて飲むまでソコに置いておく、だけの
ものです。寝かせておいて、熟成させておいて、そのワインが「良く」なるかどうかというのは、そのワインを最低でも数本買って
おかないと、比べようがありません。
同じワインを数本ずつ(或いはケースずつ)買うなんて余裕は、まったくありませんので、これは仕方ない。
しかも、比較的「さっさ」と開けて飲んでしまう方ですし、寝かせて何年後かに楽しもうと大事に置いておかなければならないほど、
高価なワインも買いませんので、結局、これは「セラー」というより、「ワイン倉庫」でしかないと言えます。

今日現在、その「倉庫」には163本のワインがありますが、ばんばん入れていくだけでは何がどこにあるのか
まるでわからなくなりますので、とりあえず、キャップにひっかける穴のあいたタッグに、ヴィンテージ、ワイナリー、品種、AVA、
購入価格を書いて、ボトルにぶらさげています。
そして、向かって右側のラックは、「50ドル以上」のワイン専用にしてあります。

時々、夕食時に、テーブルに並んだ食べ物を見てもらって、主人にワインを選んでもらい、それをブラインドで飲んで
品種を当てたり、どこのワインかを推測したりする「遊び」をやるのですが、必ず「右側は触らないように。左側から選んでね」と
念を押します。
でも、右側ラックがいっぱいの時は、仕方なく50ドル以上でも左側に置くことがあり、さっきやったことも忘れるような私ですから、
そういうものを左側に置いたことも、すっかり忘れていることが多いわけです。
で、「左側から選んでね」という指示に忠実に従う主人が、「しめしめ」と思ったかどうかはわかりませんが、
その50ドル以上のワインを選ぶのです。
一度、そのパターンで、70ドルのワインが開けられ、ブラインドの正体がわかった時は、ショックでくらくら〜〜っとなりました。

そういう高価なワインは、ワイン・パーティなど数人の人が集まった時にみんなで楽しみたいという気持ちが強く、
ふっつ〜〜〜の夕食の場で、しかもたった二人の時に開けるなんて「もったいない」と思ってしまうのでした。
で、それ以来、「右側は触らないように。左側のものでも、30ドル以下のものの中から選ぶように」と、指示内容を変えました。

しかしながら、ノー・タッチ、プリーズの右側にしたって、一番高いものでも90ドル前後ですから、これでも「つつましく」
なったものです。ワインにハマって、見境なく「有名」ワインを買っていた頃は、右側ラックの平均が140ドルくらいでしたから、
随分とおとなしくなっているかと思います。
どんどん開けて飲みますから、100ドルを越えるワインを2本買うより、30ドル前後のワインを7本買う方が、今の生活状況
では、より現実的であり、面白い(?)ワインに出会う機会も増えるというものです。

で、その、右側ラックに今、どういうワインが置かれているか、一部を記録しておこうと思います。

 

Biale
プティ・シラー

Old Crane ranch
2000
$60.00
 ジンファンデルの造り手として定評のあるビアーレの、
 これは、たった50ケース生産のプティ・シラー。
 リリース直後は50ドルでしたが、それから2年以上
 たってからの購入だったので、ちょっと高くなりました。
 ワイナリーで試飲した時、のけぞるくらい鮮烈な印象を
 受けました。
Showket
スーパー・タスカン・スタイル
Asante Sana 2003
Oakville
$50.00
 ハイジ・バレットさんがワインメーカーの「ショーケット」は、
 サンジョベーゼもファンが多いのですが、
 スワヒリ語で「サンキュー・ヴェリー・マッチ」の意味を持つ
 「アサンテ・サーナ」は、カベルネ・ソーヴィニョンとサンジョ
 ヴェーゼのブレンドです。確か、「Napa Wine Co」の
 ワインクラブ経由で送られてきたものです。
Paul Lato
ピノ・ノワール "Duende"
Gold Coast Vineyard
2003
$40.00

 
 カリストガにあるワインショップ「エノテカ」は、他では置いて
 いないようなレアもの(?)を見つけることのできる、とても
 ナイスなお店。
 この「ポール・ラト」のピノ・ノワール03も、たった75ケース
 の生産です。サンタ・マリア・ヴァレーの単一畑ピノ。
 とても大切にしたいので、50ドル以下ですが右側に。
 WA(Wine Advocate)で、91P。
Piña
カベルネ・ソーヴィニョン
Howell Mountain
2001
$54.00
 
 「ワイナリー紹介」でも取り上げました、ピーニャのカベルネ。
 どうも、山の方とか、標高高い所で造られたカベルネを
 好む傾向があり、これは試飲した時に感嘆し、即購入した
 ものです。
 写真は、ボトルの裏側のもの。
 表は、シンプルに「
Piña」とエッチングされています。
 WS(ワイン・スペクテーター誌)で、90P。 
 
Larkmead
カベルネ・ソーヴィニョン
Napa Valley
2002
$50.00
 どこで買ったのか、何に惹かれて買ったのか覚えてません。
 が、ワインメーカーのAndy Smith氏は、DuMOL
 Gemstoneでもワインメーカーをしてこられている方で、
 もっと知名度が上がっても良いのになあと感じます。
 WAで93P。
Favia
シラー Sal Y Miel
Bennett Valley
2004
$65.00
 
 ViticulturistAnne Faviaさんと、ワインメーカーの
 Andy Erickson氏が一緒になって造っておられるワイン
 ですが、かなりlow profileだったと思います。が、今年に
 なって、かの「スクリーミング・イーグル」がこのお二人を
 新しいワインメーキング・チームに任命(?)されたので、
 これからは、いろいろと注目されていくことでしょう。
 
Sean Thackrey
Orion
Old Vine, Rossi Vineyard
2000
$73.00
 どういうわけか、ベイエリアの中でもイーストベイ地区で
 昔からものすごくコアなファンを持つ、ショーン・タッカリー
 さんのワイン。彼自身は、ほとんど表舞台に出てこない
 職人気質なワインメーカーで、その「偏屈(良い意味で)」な
 様子は、そのウエブサイトからも伺えます。
 このオリオンこそ、寝かせておくに値するワインだと思うの
 ですが、いつまで待てば良いのか不明。 WS91P。
Sean Thackery
Andromeda (ピノ・ノワール)
Devil's Gulch Ranch
2003
$60.00

 
 これもショーン・タッカリーさんのワイン。気が向いた時に
 ワインをリリースしている感じなので、毎年決まった時期に
 決まったワインが出てこないというところが、またまた
 ミステリアス(笑)。
 このピノ・ノワールも、「ショーン・タッカリーからピノが出て
 いるそうだ」と耳にしてから随分たって、やっと店で
 見つけました。
Harris Estate
カベルネ・ソーヴィニョン
Jake's Creek Vineyard
2002
$75.00
 ロバート・パーカーJr氏や、WSのJames Laube氏から
 高得点をもらって、一躍有名になるワインメーカーが
 おられますが、「Merus」のMark Herold氏もそのお一人。
 ハリス・エステートは、このヘロルド氏がワインメーカーに
 なっています。ハリス・エステートは、ダイアモンド・マウン
 テン地区に畑を持っておられ、またまた「山」好きの私は
 それにつられて買いました。 WA,03で93−95P。
Sbragia
カベルネ・ソーヴィニョン
Monte Rosso Vineyard
2002
$65.00
 Sbragia氏といえば「ベリンジャー」なのですが、数年前
 から、彼自身の名前を冠したワインを出されています。
 それよりも、「モンテ・ロッソ」ヴィンヤードのカベルネと
 いうだけで、飛びついて買いました。
 この歴史ある古い畑からカベルネを造っているワイナリーは
 もう数少ないので、貴重です。 WA89P。
ANAKOTA
カベルネ・ソーヴィニョン
Helena Montana Vineyard
Knights Valley
2001
$80.00
 どれも100ドル以上する「Verite」のワインメーカーを
 しておられるフランス人Pierre Seillan氏が、ここの
 ワインメーカーもしておられます。まあ、それは買ったあと
 から知ったのですが、これもまた、ナイツ・ヴァレーの山の
 上の方で造られているというのが、購入の決め手でした。
 ロバート・パーカー氏曰く、最低5年はボトル熟成が必要
 とのこと。つ、つ、強そう。

        これらのほかに右側にあるのは、シングル・ヴィンヤードもののピノ・ノワール数種、カリフォルニア以外のワインなどです。
          「高い」=「デイリーに開けるのはもったいない」=「それなりの場で開けたい」=「そんな場は、それほど多くない」=
          「必然的に長いことソコに置かれたままになる」、という現象になっており、
          寝かせておいた方が良さそうな、強そう(?)なワインばかりが右側に集まるのも、そういう現象を意識した上でのことなのかなと
          今、思いました。

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