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2007年11月07日

長らくのご無沙汰をしておりました。9月9日分の「あれこれ」で書きましたように、8月下旬から10月いっぱいにかけて、
山梨県
農政部果樹試験場から研修に来られていた方お二人の通訳の仕事で、ほぼ毎日ワインカントリーに通い詰めておりました。
朝5時起きがデフォルトの毎日、収穫時期に入ると、ナパに午前4時集合という日もあり、そういう日は前夜からナパ在住の友人宅に
泊まらせてもらったり・・・。

家を午前6時前に出ると、8月下旬あたりはそれでも、6時15分くらいには夜明けが始まっていましたが、10月最終週にもなると、
7時近くにならないと空が明るくなってこず、また、ヴィンヤードの色も日一日と秋色に変わっていき、季節の移り変わりを肌身に感じていた次第です。

今週の「あれこれ」は、「なんちゃってブログ、こんなもの食べてます、飲んでます」8・9・10月分をお届けします。
 

 2007年 08月某日

8月20日、研修生への通訳仕事が始まる前日、「Family Winemakers of California」テイスティング・イベントに出席。毎年、当イベントについては、ここでレポートを書くのだが、今年は翌日からナパ通いが始まり、落ち着いて書く時間がないまま。ちゃんと11月末までにはアップさせようと思う。で、この日は少し風が出ていたものの、素晴らしい快晴。晴れ渡ると、マリーナからのゴールデンゲート・ブリッジの眺めも素敵で、つくづく「きれいな街だなあ、サンフランシスコは」と思ってしまう。
 
 2007年 08月某日

晴れ渡ると言えば、8月上旬、アポイント先がハーフムーン・ベイだったため、久しぶりに向かったところ、これまた実に実にゴージャスなお天気の日だった。ハーフムーン・ベイはサンフランシスコから太平洋岸沿いに約30分で行けてしまう所で、リッツ・カールトン・ホテルがあったりするので、ベイエリア地区の高級ビーチ・リゾート地と言ってしまっても良いかと思う。
アポイントの時間まで30分ほど余裕があったので、ステート・ビーチ(州営ビーチ)まで出て、iPodシャッフルで音楽を聴きながら、ボ〜っと過ごしてみた。最高にリラックスできた。
週末だともう少し人が出ているのだろうが、平日とは言え、夏の盛りにこの程度の人の数なのだから、
実に贅沢なビーチだ。
 
 2007年 08月某日

毎年書いていることだが、夏の間はこれでもかと言うくらい、エアルーム・トマトと空豆(Fava Beans)を食べる。
それだけ好きなら、買って冷凍しておけば秋〜冬にも食べられるだろうということなのだが、やはりこういう
「季節もの」は、その季節にしか食べられないからこそありがたいものであり、11月の今でもまだスーパーで
見かけはするが敢えて買おうとは思わない。
トマトは、アスパラガスと並んで、ワインとの相性があまり良くない二大野菜と言われているが、むちむちモッツェ
レラ・チーズを投入して、エキストラ・ヴァージン・オリーヴオイル+バルサミコ酢、そしてほんの少しのハチミツを
加えてシャカシャカしたものを垂らすと、白ワインに良く合う。空豆と、リコッタ・チーズ入りラビオリをサイドに出せば、そのノッタリ感が良い感じ。
私のワイン「モ・ナミ」のヴィオニエを開けて、くいくい。
 
 2007年 08月某日

オクラも夏の野菜である。粘り気がガンボ・スープに最適なので、冬の間は冷凍ものをよく使うが、夏の間は炒め物にバンバン使う。麻婆豆腐ならぬ、麻婆オクラにする。豆板醤を少し多めに使って、ピリ辛度を増やすと、食べながら汗もちょっと出てきて美味しい。
「セント・ヘレナ・ワイン・マーチャント」に行って、レジの左奥の部屋に入ると、売れ残りのワインが割引されて
置かれている。ちょっと前にそこで、Andrew Murrayのマルサンヌ99年というのを見つけ、買っておいたので
それを開ける。ここのワイナリーではもうマルサンヌは造ってないはずで、しかも99年という古さなので、
かなりリスキーだなと思いつつ、20ドルに値下げされてあったものを、更に5ドルもおまけしてもらった。
15ドルで頂けるのなら、こんなものだろう。可もなく不可もなく。
 
 2007年 08月某日

こちらの学校は新学年が9月から始まるが、それに向けて8月末は、文房具やら服やらの調達時期となる。
下の息子が「新しい服が欲しい」と言うので、二人でサンフランシスコに出る。高校生くらいの男子が、どういう
格好をしたいのか、私にはさ〜っぱりわからないので、店に連れていって放し飼いにして、私は椅子に座って
ぼ〜っと待つことになる。
ひとしきり買い物が終わったところでお昼時となったので、ウエストフィールド・ショッピングセンター地下にある
Out The Door」へ。この店は、フェリー・ビルディング内の人気ベトナム料理店「Slanted Door」のカジュアル
版のようなもの。平日だったが相変わらず繁盛しているようで、席に案内されるまで15分ほどの待ち。
妙にモダンで、食べている人も、ちょっとトガったファッションの人多し。
スランティッド・ドアーの出店で、しかも大型ショッピング・センターの地下にあるという要素を考えても、
ちょっと高すぎるように感じる。
 
 2007年 08月某日

ロサンゼルスから友人夫妻が来られていたので、我が家でディナー。週末だったが、昼間「ワインカントリー日本語ガイド」の仕事が入っていたので、前日にファーマーズ・マーケットに買出しに行き、サラダ3種の下準備をしておく。
スイカが美味しくなってきたので、すぐ食べられるくらい熟したものを店の人に選んでもらって、大きなそのスイカを
切り分け、スイカ・サラダを作ってみた。
ボールに、スイカと赤玉ねぎのスライスをトスして冷蔵庫に入れておく。別のボールで、フレッシュ・オレンジ
ジュース、ライム・ジュース、ラズベリー酢を混ぜる。冷やしておいたスイカ&赤玉ねぎに、ルッコラを加えて、
ドレッシングもかけて、塩・胡椒。上から、リコッタ・サラタをおろして、くるみを散らす。
大変清清しい、夏らしいサラダだ。
ワインは、どこのか忘れたがリースリングのスパークリング、Nickel&Nickelのカベルネ、Tench Vineyard 2000MacPhail ピノ・ノワール、ソノマコースト2004、Capiaux ピノ・ノワール、Freestone Hill Vineyard 2004
 
 2007年 08月某日

その日の昼間、「ワインカントリー日本語ガイド」のお客様とソノマのダウンタウンに行き、ランチは「
El Dorado Kitchen」で。ここはテラスで食事するのがベストなのだが、あまりに暑い日だったのと、年配の方がおられた
ため、ダイニングで頂く。
シェフは、以前「フレンチ・ランドリー」や「オーベルジュ・ド・ソレイユ」で働いておられた方で、洗練されていながらも、田舎っぽさを敢えて残した、とっつきやすいお料理を出している。
軽くサっと食べられるものをと思い、私は、
Charcuterieを注文。
店によって、何が出てくるかはまちまちだが、エル・ドラド・キッチンのそれは、パテが中心。
これだけでも充分なボリュームだ。この一品で、運転さえしていなければ、白と赤、グラス1杯ずつ軽くいけて
しまいそうだった。
 
 2007年 08月某日

皮が剥かれてある白身のイカを買ってきた。開いて、カラマリ・ステーキにするべく、真ん中と周囲にナイフを
入れてみたのだが、フライパンに乗せた途端、無情にもクルンクルンと巻かれてしまった。
レストランで出てくるカラマリ・ステーキは、どうやって平らのままになっているのだろうか。やり方を知りたい。
シーフード日と名づけ、サイドにはマグロをたたいてケッパー、マヨネーズと合えたサラダ。
ワインは、
Peay ルーサンヌ&マルサンヌ 2005。
個人的に、白のローヌ・ブレンドは大好きで、カリフォルニア・ワインでそれを見かけたら買うようにしている。
Peayのルーサンヌ&マルサンヌは、この日のシーフード・メニューにばっちりマッチ。
口当たりはすっきりしているのだが、ミネラル感が充満してくる感じで、グラスに注ぐほどに、いろいろなアロマが
出てきて、とても楽しいワイン。たった55ケースの生産量というのが凄い。もっと買っておくんだった。
 
 2007年 09月某日

翌日早朝出発だったので、ナパの友人宅に寝袋を持っていってキャンプ。ディナーは外食しようと、最近オープン
して話題になっているナパ市内の「BarberQ」へ。バーベキュー(BBQ)の店というのは、大抵ワイルドというか、ワイオミングかコロラドにいるかのような内装の店が多いのだが、ここはパっと見、BBQ店っぽくない。
スッキリ、モダン。友人が人から頂いた「Inglenook」の「Reunion」1984を持ち込み。
私と飲むために置いておいたとのことだったが、正直なところ、開ける前から何となく悪い予感がした。
数年前にも、イングルヌックの古いヴィンテージを飲む機会があり、それが、完璧にイカれていたのである。
店の人に開けてもらうも、コルクが既にポロポロ状態で、トライすればするほど、コルクがどんどん下がっていくのだ。
とりあえず、コルクは下に落としちゃって、ディキャンティングしてもらうも、香りを嗅ぐだけで「あ〜〜あ・・、
やっぱり」。せっかく、私と一緒に飲もうと置いていてくれたのに「残念だったね」。「まあ、こういうこともあるわよ。」
テイスティング・イベントで、隣のブースに出展していたワイナリーからもらったという、これまた「頂き物」の
ピノ・ノワールを代わりに開ける。Reye's Hill ピノ・ノワール、アンダーソン・ヴァレー2004。スモーキーで、BBQリブと
適度に合っていた。
 
 2007年 09月某日

9月の第一週末は、レーバー・デー連休。この連休で一応「夏も終わり」という感覚になる。
でも今年のこの時期は、8月末からの暑気が続いて、朝から快晴、タンクトップでないとやって
られないくらいの高温。久しぶりに、いつもの仲間と集まり飲んで食べる会。
まず、白2本。品種当てっこブラインド。誰も正解が出なかったが、答えはどちらもヴィオニエ。
何を出すかは、選んだ本人・私はわかっていたが、息子に注がせたので、AとBのどちらが
どちらかは、私も知らずにいた。Aの方が、フローラルな香り。Bの方がドライな印象。
この段階で、恐らくBが私の「mon amie」ヴィオニエだろうと決めたのだが、何と、結果はAがモ・ナミ。
へえ、こんな素敵なアロマを出すワインだったのか、私のは・・・と、非常に無責任なというか、あっけらかんとした造り手である。
因みに、Bは、Whetstoneのもので、どちらも同じCatie's Corner Vineyardのヴィオニエで、同じ2005年ヴィンテージ。
大好きなウエットストーンのワインとブラインドさせるという、実に大胆不敵な行いである。
大胆ついでに、次の赤は、Caleraのピノ・ノワール、4畑、2003年ヴィンテージの水平テイスティング。
個人的には、Millsが好みだった。
 
 2007年 09月某日

ナパ・ヴァレーへの通勤は、片道1時間20分ほどを要するが、行きは研修生をピックアップ
する前、帰りは家に着く前に、一旦トイレ休憩を入れるのがパターンとなった。
行きは、ナパ市内の「リヴァー・テラス・イン」、帰りはオークランド・エスチュアリー(入り江)の
スターバックス。
ちょっとゆっくり目の朝だと、リヴァー・テラス・イン裏の川沿いを、ダックが朝の散歩をしている。
帰りのスターバックスでは、丁度サンセットの時間に当たることが多く、湾の向こうに沈んで
いく夕日を眺めながら、一日の終わりを熱いコーヒーで締めくくるのであった。これで、家に着いたら夕食が待っている
という状態なら、どれだけ嬉しいことだろうと、叶わぬ事を思い描く。実際は、このあとが戦場なのだ。やれやれ。
 
 2007年 09月某日

サンフランシスコで、ランチ・アポイント。ほぼ毎日、ナパ・ヴァレーに通う生活をしている中、
こうしてたまにサンフランシスコに出てくると、「やっぱり都会だなあ」と妙に感心してしまう。
人の流れの速さが違うし、服装も違う。畑に入ったり、ワイナリーで作業しやすい、
汚れても良いスニーカーではなく、私もちゃんとヒールのついた靴を履き、
穴のあいたジーンズではなく、ちゃんとしたパンツ・スーツを身にまとって向かう。
背筋が伸びるようである。
モスコーニ・コンベンション・センター近くにある「ウエスティン・マーケット・ストリート」は、
つい最近ウエスティン系列に衣替えしたホテルで、一番最初はメリディエン・ホテル。
その次に全日空ホテルとなり、アージェント・ホテルになり、そしてウエスティンになった。
ホテル内レストランも改装され、「Ducca」という名前になってリニューアル・オープン。
インテリアが、スターウッド系らしくスリークでクールなものになっていて、食事内容もホテル内レストランにしたら上出来。
天気が良ければテラス席も素敵そう。これからちょくちょく、ランチアポに使わせていただこうと思う。
 
 2007年 09月某日

ナパ、ナパ、ナパ、サンフランシスコ、ナパ、ナパ、バークレー、シリコン・ヴァレー、ナパ、ナパと、「ここはどこ」「今日は何曜日」の状態なのにもかかわらず、とある週末、1泊でロサンゼルスの友人宅へ。たまたま、主人がLAに出張で行っていたので、現地集合して、ゴルフをしようと。あいにくの雨模様でスタートしたゴルフも、3ホール目くらいから晴れてきたが、スコアは一向に晴れ間が見えず、でも久しぶりにプレイできたことが嬉しくて、へらへら楽しく過ごす。
夕食は、友人宅近く、ブレントウッドにある「Toscana」イタリアン・レストラン。LAは、「人」が微妙にサンフランシスコと違うなあと感じる。常連客で大いに賑わっている風だったのだが、何というのか、みなさん、ハリウッドしているのだ。顔の造り、服装、髪型、すべての要素が「濃い」と言ったら良いのだろうか。
ワイン・リストを見ると、まあ、凄い。カリフォルニア・ワインの有名カルト・ワインがずらずらずら〜である。ハーランだって、スクリーミング・イーグルだって、コルギンだって、何でもある。そのクラスのラインアップは凄いのだが、その次になると、ごくごく一般的なメジャーどころのものしかなく、そこが私には残念だった。
イタリアン・レストランなのだから、じゃあイタリアン・ワインを飲もうと、テーブル担当の元気なお兄さんに相談。
「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの97年は高すぎて飲めないから、他の最近のヴィンテージでナイスな年のブルネッロを教えて。」
結果、決まったのが「Fossacolle」2001年。と〜っても良いお値段でリストされていたが、大正解の選択だった。
時間がたつほどに丸く深くなっていきつつも、ブルネッロらしい力強さ、フルボディさがずっと続く、素晴らしいワインだった。
 
 2007年 09月某日

バークレーのファーマーズ・マーケットに、ちょっと変わった野菜を出している農家さんがある。種類そのものは
一般的なものなのだが、形が他とまったく違うのである。うまく説明できないが。
ここのルッコラを摘んで試食したら、その苦味がバシっとしていて、形も小さいながらバキっとしており、以来、
ファンである。同じファーマーズ・マーケットで、生パスタを買い、瓶詰めロースト・ペッパーを使って、冷たいパスタ・
サラダを作ってみた。上からリコッタ・サラタをおろして振りかけて・・・。
ワインは、Terra Valentine ヴィオニエ 2006。メインディッシュは、なんちゃってタルタルソースかけサーモン
だったが、つるんと冷えたヴィオニエと、うまく合っていた。
 
 2007年 09月某日

ティブロンでランチ・アポイント。ミーティングの相手がマリン郡に引っ越したため、サンフランシスコまで出てきてもらうのが申し訳なく、間を取ってティブロン。この日も最高のお天気で、
湾向こうのサンフランシスコの風景が素晴らしく、ベイエリア地区の豊かさというものを
しみじみとありがたく思う。
ミーティング場所には、ティブロンで今一番人気という「Three Degree」を選択。
「ロッジatティブロン」というホテルに入っている店。
天気も良かったし、アポの相手がもうすぐ結婚というタイミングだったので、昼間っからシャンペンを飲む。
3品ほど注文して、二人でつつきあって食べる。ポートベロ・マッシュルームは好きなキノコなのだが、大きなものはBBQの時くらいしか使わない。だから、こういうサラダになってメニューにあると、つい取ってしまう。
デカいポートベロが隠れてしまうほど、どっさりルッコラが乗っかっている。レモン・アイオリ・ソースがナイス。
 
 2007年 10月某日

10月の第一・第二週は、収穫のピークだった。
朝4時にナパ集合という日があり、「朝3時に起きるけど構わない?」と前置きして、ナパの友人宅に泊まらせて
もらう。寝袋持参。前回のように外食したりすると、翌日起きられなくなるかもしれないので、この日は
友人宅で軽く食事。軽くと言いつつも、「これを開けてみよう」と、ワインだけは立派なのが出てきた。
その友人、昔、ニーバウム・コッポラで働いていたことがあり、当時は従業員数もさほど多くなく、クリスマスに
なるとスタッフ全員にルビコンを6本ずつくれたそうだ。その時のRubicon が残っているとのことで、94年。
まだまだフレッシュで、ブラックチェリーの風味たっぷり。シルバー・グレイ一歩手前の紳士に、温かく
ハグされているような感覚。
素晴らしい。
 
 2007年 10月某日

週末に「ワインカントリー日本語ガイド」の仕事が入り、10月最初の2週間は、お休みがたった
1日になってしまった。体力勝負だ。
ランチをどこかでゆっくりという要望を受けていて、セント・ヘレナの「Martini House」を予約。
ここは現在、ランチは金・土・日しかやっていない。だから私も随分と久しぶりの訪問だ。
ランチ客は全員、パティオ・テーブルに。実のところ、この店の一番素敵な所は地下のセラー・
バー。思わずコニャックかブランデーか、はたまたシングル・モルト・ウイスキーでも傾けたく
なるような雰囲気なのだ。
ご案内したのは男性ばかり4名で、だからというわけではないが、ワインは女性ワインメーカーさんのものを選択。
Seleneのソーヴェニョン・ブランに始まり、Peayのピノ・ノワール「Pomarium」2005
男性陣は、お魚だとか、ホタテだとか、テリーヌだとかを注文され、私だけガッツリお肉を注文。逆だろう。
昼間からお肉が欲しくなるというのは、やはり体が疲れているというか、精力つくものを欲していたのかもしれない。
 
 2007年 10月某日

10月の第三日曜日、研修生2人と、研修先ワイナリーのアシスタント・ワインメーカー、ジェイソンとでサンフラン
シスコ観光。この日がまた、雲ひとつない、霧ひとつ出ない完璧な快晴の日となり、ツインピークスからの眺めも、
アラモ・スクエアからの景色も、ゴールデンゲート・ブリッジも、フィッシャマンズ・ワーフの賑わいも最高。
ギラデリ・スクエアに行き、オープンしたばかりで「無料テイスティング・クーポン」が送られてきていた
Cellar360」というワイン・ショップに寄ってみた。広い店内には、テイスティング・バー、購入用ワインのラック、
ワイン関連グッズ売り場が整然と設置されている。
ワインのラインアップを見て、ここが「Foster's Group」経営の店だということがわかる。そういえば同じ名前の店が、ヒールズバーグにもあったなあと思い出す。フォスターズが傘下に置いているワイナリー数は、かなり多いので、
こういう広いスペースでもやっていけるのだろう。この日のテイスティングは、ベリンジャーのものばかり5種と、
他ワイナリーごちゃまぜの5種、の2タイプ。
ワインカントリーまで出かけていく時間の余裕がない人には、ナイスなテイスティング・バーだろう。
Etude」も、「St.Clement」も、「Chateau St.Jean」も、「Stags Leap」(セラーの方ではない)も、オーストラリアの「Greg Norman」も「Penfolds」も、フォスターズ・グループだから。
 
 2007年 10月某日

ワイン用葡萄の収穫期とほぼ時を同じくして、マーケットにテーブル・グレープ各種が出回る。
日本のように、一房一万円もするようなものは、こちらにはなく、種無しで皮ごとパッパと口に入れて食べる。
一部のファーマーズ・マーケットでは、シャンペン・グレープを出す店もあり、これは大きな口をあけて、
上から房を口の中に落としていきつつ、むしゃくしゃ食べるのが美味しいのだ。
フード雑誌に、ぶどうを使ったサラダのレシピが載っていたので作ってみた。
ドレッシングは、赤ワイン・ビネガー、全粒マスタード、みじん切りしたエシャロット、パセリ、エクストラ・ヴァージン・
オリーヴ・オイル、塩、胡椒を、何かの空瓶に入れて、思い切りしゃかしゃか。サラダ・ボールに、好きなグリーン、
各粒半分に切った葡萄、トーストしたクルミ、ロックフォート・チーズを入れて、トス。
上からドレッシングをかけて出来上がり。
ワインは、Chappelletのシェニン・ブラン04。以前飲んだ時よりも、随分とドライだ。
 
 2007年 10月某日

久しぶりに家族で外食。ワイン仲間に教えてもらった韓国料理店に行ってみる。オークランドの「Ohgane」。
(オーガネと読むらしい)このあたり、韓国料理店がじわじわと増えつつあり、韓国スーパーマーケットもあるので、
あと何年かしたら、ちょっとしたコリアン・ローになるかもしれない。(もうなっているという人も)。
近隣の店の中でも群を抜く高級感。高級感というのが正しい表現なのかどうかわからないが、「すっきり、きれい」
である。その分、お値段もよろしくて、韓国料理=安いという図式は、ここでは通用しない。
でも、ちゃんと美味しかった。ちょっと多すぎるのではないかと思えるディッシュもあり、写真のユッケはその一例。
4人でも食べきれなかった。こまごま出てくる付き出し、当店のは味が優しくて、私は好きだ。

 
 2007年 10月某日

研修生が働いていたワイナリーは、コンサルティング業務もやっていて、パソ・ロブレスにある某ワイナリーの赤ブレンドを監修している。
06年ヴィンテージのブレンドを確立させていくために、ブレンドの候補になるサンプル・ワインをテイストすることになる。あちこちのディーラー、ヴィンヤードからサンプルがどんどん送られてきており、その数250ほど。
セカンド・ラインのブレンドなので、当然使うジュースも安めのもの。大半が、ハード・プレスされたものだと言う。
200以上のそういうワインから、一握りの「宝石」を見つけ出さなければならないのだから、このテイスティングは過酷である。
数が多いだけに、ひとつひとつ、じっくり試飲している時間の余裕などなく、一口、二口含んで、二言くらいのコメントを書きとめ、すぐさま「keeper」(次の段階に進ませる)か、「dumper」(ゴミ箱行き)かを、ワインメーカーさんが判断。
私も、このサンプル・テイスティングに2回ほど参加したが、10サンプルのうち、1つでも「ナイス」と思うのが出てきたら幸運な方で、15,20,25サンプルと飲み進めても、ひとつとして「fine」なものが出てこないことが多い。
ゴミ箱行きクラスのワインを、何サンプルもテイストしていく(もちろん、すべてspitする)という行為を2時間もやっていると、
いい加減、頭の中にどんより雲がかかってくる。そして、家に帰ってからのビールが、やったら美味しいのだ。
 

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