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2006年11月01日

インディアン・サマーでしょうと確信するくらい、高温・快晴の日々が続いた10月が終わり、10月最終日曜日に
夏時間から標準時間に変わった途端、がく〜んと気温が下がりました。
ワインカントリーの北の方では、今週はちょっと雨がパラついているようです。

今週は、「20ドル以下のカリフォルニア・ワイン」Vol.25を、お届けします。
先回の当コラムが9月第一週だったのですが、もう2ヶ月もたったということです。

Napa River 
Merlot
Napa Valley,   2003         $4.99

20ドル以下のカリフォルニア・ワインを取り上げていこうとすると、「Bronco Wine」社のワインを避けて
通ることはかなり難しいです。
スーパーマーケットで良くみかける「
Forest Glen」「Quail Ridge」「Hacienda」「Black Mountain」を始めとして、
30以上ものブランドを抱えており、最近では、2003年に登場して大ヒットとなった「
Charles Shaw
Two-Buck Chuck)も、ブロンコ・ワインのものです。

このブロンコ・ワイン社のCEO Fred Franzia氏は、業界では知らない人がいないくらい何かと物議を醸すお方で、
最新のワイン・スペクテータ誌11月15日号では、「カリフォルニア・ワイン業界の悪ガキ」というタイトルで特集記事が組まれています。

ずっと昔から市場に出してきていた「Napa Ridge」は、セントラル・ヴァレーで収穫された葡萄から造られているのですが、
これが、2000年9月に制定された法令「生産地名をワイン名に使う場合は、その地域からのぶどうが75%以上使われて
いなければならない」にひっかかるとして、「ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ」から訴えられました。
それまでは、1986年7月7日以前に設立されたブランドは、この法令から免除されるとなっていたのですが、この免除も
ダメ、ダメ、絶対ダメ〜と裁判沙汰になり、今年の1月、アメリカ最高裁はフランジア氏の「免除を今後も残しておいてください」
という最後の上訴要求を却下したのでありました。

で、その4ヵ月後、彼は「ナパ・リッジ」用に使われていた葡萄を「Harlow Ridge」という名前に変えて市場に出しました。

この一連の裁判沙汰の間に出てきたのが、$1.99の「チャールズ・ショー」ワインだったわけで、
まったくへこたれないというか、図太いというか、負けん気強いというか、ほんまもんの商売人というか、とにかく「すごい」。

そして今年の晩夏、またまたブロンコ・ワインはやらかしたのです。
ナパ・ヴァレーの葡萄を使った、その名も「ナパ・リヴァー」という、超ド真ん中直球ワイン。
しかも、1本4ドル99セントという安さで。
「カリフォルニア」という大きな括りではなく、「ナパ」という生産地名を堂々と出して、そして5ドル以下に設定したのですから、
第三者&消費者としては、「ひえええ、またやっちゃったあ」と思ってしまいます。

今回も、「チャールズ・ショー」同様、「トレーダー・ジョーズ」というスーパー・マーケットでのみ販売です。
今のところ、03ヴィンテージで、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シャルドネが出されています。

4ドル99セントですから、ケース買い(12本)したって、60ドルです。
いかに、ナパ・ヴァレーの葡萄が余っているかということにも繋がり、2003年でこれですから、
例年以上に獲れすぎた2005年のものまで、「ナパ・リヴァー」はトレーダー・ジョーズで出回り続けるものと
思われます。

エブリデー・ワインにお金を使えないけれど、「チャールズ・ショー」には飽きた・疲れたという方に、
この「ナパ・リヴァー」はお薦めでしょう。

ある日の夕食、ポーク・ピカタを作って、オクラ、スイート・ポテト、ポテト、ほうれん草のローストを添えたものに、
ナパ・リヴァーのメルローを合わせてみました。
ほとんどクセのない、スルスル飲めるメルローで、これはこれで、何の問題もなし、OKでした。
何たって、4ドル99セントですから(しつこい)。

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