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2005年9月14日
今年の夏は、実にマイルドというか、「夏だ〜〜」という感じの暑さが感じられませんでした。
といっても、こちらにはインディアン・サマーというものがありますので、これから1ヶ月の間に
もしかしたら、ぐんと気温が上がる日が来るかもしれません。
この時期、例えばナパ・ヴァレーなら、連日摂氏27度を越す日が続き、時々30度をぶっ越える
ものなのですが、今年はせいぜい22〜23度という涼しさ。
このまま気温が上がらず雨が降ってきてしまったら、カリフォルニア独特のフルーツ味満載、
がっしり骨太、フルボディの赤ワインが期待できなくなるので、ヴィンヤードの方々、
ワイナリーの方々は、「気温よ上がれ、雨よ来るな」と祈るばかり。
糖度も大切ですが、暑い日が続きすぎて糖度が急上昇すると、フレーヴァーが追いついて
いかない危険性もありますので、今年のように涼しめですと、糖度とフレーヴァーの上昇が
いい具合にシンクロナイズし、「バランス」の取れたワインになることは確かです。
ただ、いかんせん、8月後半から今に至るまで、あまりに涼しすぎ。
ブドウだけでなく、私自身も、「もっと夏を感じさせて」と身もだえしています。
さて今回は、先週ワインカントリーのご案内をしました、長野県からの小グループについて
書きます。
当グループの主催者は、長野市内に店を
構えておられる「セラー・キタムラ」の店主、
北村秀雄さん。代々続く酒屋さんの3代目
ご主人でいらっしゃる北村さんは、2002年
の「ワインアドバイザー日本選手権」で、
堂々優勝された経歴を持っておられ、
現在、一般消費者向けにワイン講座も
催されています。
今回は、そのワイン講座の生徒さんたちを募っての、カリフォルニア・ワインを楽しむツアーでした。
収穫の時期を狙って、9月上旬に日程を
設定されていたのですが、前記のように
マイルドな夏となり、収穫が遅くなるのでは
ないかと、私は心配していました。
が、ラッキーなことに、丁度ソーヴィニョン・
ブランの収穫が訪問先ワイナリーで行われて
いて、畑から移動してきたぶどうが、どのよう
に除梗・破砕されるのか、
それによって出てきたジュースがどのように
次のステップへ進むのか、
などを、目の前で見ることができました。
除梗・破砕されて流れ出た、できたて(?)
ジュースをテイストしたり、一週間ちょっと前
に収穫されて、ほんの少し発酵が進んで
いるジュースを比較テイストしたり、
あるワイナリーでは、発酵タンクの上部に行き、
ぶくぶくと泡だっている発酵途中の様子を見る
ことができたり、別ワイナリーでは、丁度昨年
ヴィンテージのボトリング作業が見られたり、
はたまたヴィンヤードでは、まだ小さいベイビ
ーの台木に、カベルネの芽をくっつける作業を
見ることができたり・・・と、いろいろな段階に
おけるプロセスを垣間見ることができました。
北村さんという「先生」を中心に参加された
皆さんは、とてもとても気持ちの良い、
素敵な方々ばかり。
北村さんのお人柄の賜物だと思います。
このツアーのサプライズだったという、
おそろいのテイスティング・ボードが
素晴らしい! セラー・キタムラのロゴが
裏面にプリントされた木製ボードで、
テイスティング・シートをはさむクリップはもちろん、ボードの右上は、
ワイン・グラスをさしこめるようにカットされていて、立ちながら、テイストしながら
メモが取れるようになっている優れもの。
記念にひとつ譲って頂いたらよかった、と、今になって悔しがっています。
みなさん、熱心にワイナリーの方々のお話を聞き、熱心にワインをテイスト、
そして正直に、自分の言葉で、それぞれのワインについてのメモをされていました。
北村さんを含めて全部で10名でしたが、
そのうち3名はいわゆる「シニア」年代の女性。
私はあえて「日本の母」と言ってしまったの
ですが、そういう世代の女性が、ワイン講座を
受け、ツアーに単独で参加されている、
という事実、そしてとても大切に、おいしそうに
ワインをテイストされている様子を拝見し、
何だか心から嬉しくなってしまいました。
ジョークまじりに、「年金と時間を、思い切って
ワインに使っちゃいましょう!」と申し上げたの
ですが、ワインを知って、日常的に、ごく自然
に、普通に、ワインを楽しむ、そういう60〜70歳台の
女性が増えていっていることを頼もしく実感しました。
セラー・キタムラ・グループの皆様、お会いできて良かったです。
またいつか、お目にかかることが出来る日を楽しみにしています。
写真上から (画像をクリックして、ご覧下さい) |
Schug
ケーヴの中でのテイスティング。オーナーのウオルター・シュグさんは、その昔、 ジョセフ・フェルプスで、かの「インシグニア」造りに携わっておられた方で、 埃をかぶった、当初のインシグニアを見せてくださいました。 |
Merryvale 背の高い大きな樽をくりぬいた個室でのテイスティング。ここでは、当ワイナリーの 代表ブレンド・ワイン「プロファイル」のヴァーティカル・テイスティングをしました。 99年〜02年のヴァーティカルでしたが、参加者の中に、99年に結婚されたカップル がおられ、そのヴィンテージのものを購入されました。これが、また、美味で。 |
発酵中のワイン。ぶくぶくと、泡だっています。タイミングが合わないと、滅多に 見られないシーンです。 |
Frog's
Leap ツアー主催者の北村さんが、オーナーのジョン・ウイリアムスさんからサインを もらっている図。ジョンが語る哲学に、涙が出そうになるくらい感動された北村さん。 |
Frog's
Leapでの、参加者全員+ジョン・ウイリアムスさん、記念写真。 みなさんが手に持っておられるのが、セラー・キタムラ・オリジナルのテイスティング・ ボード。空の青さと、建物の赤のコントラストが素晴らしい。 (参加者、望月様ご提供の写真です) |