2009年07月22日
7月に入って、ずっと清清しい爽やかな夏日が続いていたのですが、今週は午前中ずっと霧・雲に覆われて薄ら寒く、午後になって
ようやく晴れ間が見えるという毎日。それでも、内陸方面へ30分も車を走らせると、霧の影響がまったくなく、朝から晴れ渡っています。
今週の「あれこれ」は、「20ドル以下のカリフォルニア・ワイン」
Vol.38 をお届けします。
UVAGGIO
Barbera, Lodi, 2007
18
ドル
この「ウヴァッジオ」ワインを造っているのは、Jim Mooreさんというベテラン・ワインメーカー。
1980〜90年代には、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーでアシスタント・ワインメーカーをやっておられ、
その頃、「Cal-Ital」(カリフォルニアーイタリアン)ワイン人気の兆しを感じ取った当ワイナリーが、
「La Famiglia di Robert Mondavi」という新ワイナリーを興すのを手伝いました。
この頃から、ジム・ムーア氏は「Cal-Ital」のスペシャリストとして注目されていたのです。
その後、Bonny
Doon Vineyardでアシスタント・ワインメーカーとして勤務しつつ、2004年あたりに、ご自分のブランド
「L'Uvaggio di Giacomo」を立ち上げます。このご自分のワイン造りに専念すべく、ボニー・デューンを辞めたのですが、
馴染み薄いイタリア品種は一般消費者の受けが悪く、売れ行きは芳しくありませんでした。
売れ残ったワインは山積みされていくし、養わなければいけない家族がいるし、さあ困った、どうしようと頭を抱えていた時、
ミネソタ州の投資グループが、ナパに新しいワイナリーを設立するというニュースが入り、この会社にムーア氏は雇われたのでした。
ワインメーカー兼オペレーションVPとして、ワイナリー設立をゼロの段階から手伝ったわけです。
そのワイナリーは、シルベラード・トレイル沿いに2007年頃、堂々オープンした「Black
Stallion」です。
ブラック・スタリオンに雇われた2005年春あたりから、彼のウヴァッジオ・ワインも好転の兆しを見せ、200ケースのワインを完売させるのに
4年半もかかっていたのが、2006年には合計2000ケース売れたとのことですから、めでたし、めでたしです。
ワイナリー完成とほぼ時を同じくして、ブラック・スタリオンを辞めたと思われるムーア氏は、現在、このウヴァッジオ・ワイン造りに
専念されているようです。
ワイナリー名も、「L'Uvaggio
di Giacomo」から「Uvaggio」に変えています。これは正解なのではと思います。
前者のものだと、どこの国のワインなのかパっと見でわかりにくい。
ローダイで収穫されるイタリア品種に特化したウヴァッジオのワインは、大きく一般受けしにくいものかもしれませんが、
昨今の大不況状況は、逆に大きな好機なのではないかと思われます。
バーベラという品種は、芳醇さがなく、アルコール感だけやたら強いという類いのものが多いのですが、
ウヴァッジオのバーベラは、このお値段にして「華やかさ」というものがありました。
そして、エキゾティックなスパイス風味がポツン、ポツンと現れ、胡椒風味も・・・。
ベリー系の甘さ、香りも感じられ、これをブラインドして飲んだら、一体何の品種なのか、何のブレンドなのか、
?????となりそう。
この味わいのポップさ、愉しさが、食事と一緒にワイワイやれるイタリア品種の良さなのだと思います。
親戚一同、友達など、たくさんの人が集まる野外でのバーベーキュー・パーティーに、ぴったりのワイン。
私は、ちょっとだけ肌寒い夕方に、チキン・スープを作り、それに合わせました。
チキン・スープに投入する野菜は、その季節によって臨機応変に変えますが、この日は芽キャベツと、ベビー・キャロットをどっさり。
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