2006年4月19日
やっと雨があがり、朝から快晴の日が出てきました。例年比120%以上の降雨量となっているのですから、もう結構です、雨は。
今週は、
レアード・ファミリー・エステート・ワイナリーにお勤めのロバートによる「ロバートからの絵葉書」
パート14です。
この春の異常な雨ふりについて書いてくださいました。雨は降っても、いつも心に太陽を!
ロバートのプロフィールは、こちらから。
Post Card from
Napa Valley
ここ2ヶ月ほどのナパ・ヴァレーは、さながら降雨林のようでした。3月単月では、雨降りの日の多さで記録を出しましたし、4月も同じ
ような感じで来ています。 北カリフォルニアのあちこちで、崖崩れ・地すべりなどにより、ハイウエイが閉鎖され、多くの家屋が
ダメージを受けたり壊されたり、悲しいことに命を落とされた方もおられました。
しかし、ここナパでは、一時的な道路閉鎖を除いては、さほど大きな被害は今のところ起こっていません。
今日、4月13日は、大変美しい春の快晴日でした。太陽の光が、毎日続いた雨の名残を照らし、
エメラルド・グリーンが鮮やかに際立ちます。ナパは今、アイルランド色をしています。
天気予報によると、あと数日のうちに、また雨降りの日がやってくるそうですが、
それでも「最悪のパターン」は終わった、と伝えています。
ナパ・ヴァレーにおいて、ワインとツーリズムは最も重要な産業であり、異常気象は大きな心配事に
なりかねません。いくつかのヴィンヤードは水浸しで、水溜りをあちこちで見かけます。
同時に、葡萄の木々の間を縫うカバー・クロップは、青々を茂り、ものすごい勢いで育っています。
レアードのレッド・ヘン・ヴィンヤードのファヴァ・ビーン(ソラマメ)など、実にきれいにその花を咲かせ、
春への希望の象徴となっています。
カバー・クロップは、土壌を守る役目を果たし、土壌に滋養分を与えます。
トラクターが問題なく入り込めるほど、水気がなくなり次第、これらのカバー・クロップは切り取られ、
土壌が耕されます。
ノーマルな状態に戻る予報は、実にナイス・タイミングでやってきました。
太陽光線とそよ風が、葡萄の木々やヴィンヤードを乾かし、被害の度合いを最低限に抑えて
くれることでしょう。それこそ、ヴィンヤード・マネージャーやワインメーカーたちが望む「春」なのです。
ツーリズムに関しては、ほんの少しの影響しかありませんでした。
3月はいつもスローな月で、多くのワイナリーがこの時期、ワイン・クラブの配送に時間をあてて、
ワイナリーへのウオーク・インの少なさをカバーしています。
サンフランシスコからのツアー会社は、この時期、人の少ないテイスティング・ルームに、
中小サイズのグループを連れてきます。
個人旅行の一部の方々は、混雑度の少ないこの時期にナパを訪れることを好んでいます。
外は大雨でも、多くのビジターはこれを「アドベンチャー」と考え、テイスティング・ルームでの、
より親密な会話を楽しんでおられます。
私が最も驚き、嬉しくなったのは、雨の中、恐れ知らずにペダルをこいでやってきた自転車ツアーのグループです。
レアードは、ヴァレー内でも中心部にあり、外にテーブル&チェアーがあるため、こういう「プランされた」1日コースの中の
お気に入りストップになっています。 あまりに雨が激しい時は、どこか他でランチを取るようですが、いづれにせよ、
ワイン・テイスティングのために立ち寄ってくださいます。
ナパに住んでいると、つい忘れがちですが、劣悪な天候のもとで毎日暮らしている人達が世の中には
たくさんおられるのです。 私にとって極端な状況も、他の人にとってはごくごく普通なのです。
今日は、ノルウエーからのゲストがワイナリーに来られました。
彼らは雪と雨の国から来られたわけで、ナパの雨降り天気も、まったく気にならないとおっしゃってました。
昔からの言い回しに「すべての雲は、『へり』を持っている。(=明るい希望)」というのがあります。
春というのは、希望、楽観、そして新しさを象徴する季節ですので、雲の中にいくらかの光明を探すことが肝要。
夏にはきっと、この鮮やかな緑色がいつもより長く見られるだろうし、アウトドア好きなら水周りのトレイルは
抜群でしょう。ゴルフ・コースは、色鮮やかで気持ちの良いコースとなるだろうし、ナパ・ヴァレーは
キラキラ輝いて、ピクニック、ハイキングや自然の中での憩いの時間を提供する、一大遊園地となることでしょう。
ガーデニング愛好家は、裏庭の作物のその量とクオリティにびっくりするでしょうし、
ワイルドフラワーはその輝きが最高潮を迎え、鮮やかグリーンの草原を、色とりどりに染めることでしょう。
さんざん降った雨による「効果」を、こうやってポジティブに考えれば、気持ちの高揚につながります。
今年は、楽観的でいられやすい年だと思います。 グラスは、「まだ半分」?「もう半分」?
今年は、グラスの縁ぎりぎりまで、満杯です。
★原文をお読みになりたい方は、こちらへ。以上の翻訳は
小林が行いました。★
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