2004年3月17日

                        レアード・ファミリー・エステート・ワイナリー勤務の「ロバートからの絵葉書」パート３です。
                        今回は、「Favorite Napa Day」～ナパでのお気に入りの一日～のご紹介。
                        ロバートのプロフィールはこちらから。

　　　　　　　　　　　　　　　Post Card from Napa Valley ,
　March 05, 2004　　　　　

                        ナパ・ヴァレーで暮らすということは、あらゆる面において「パラダイス」に暮らしているようなものです。
                        ですので、「お気に入りの１日」を限定するのは、結構難しいものです。
                        しかしながら、ナパ・ヴァレーを初めて訪れるといった友人のために、観光の一日をプラン
                        するとしたら、より新しいスポットを押さえつつも、歴史を感じさせるスポットを選ぶでしょう。
                        以下、ナパには初めてという人のための、私のお気に入りの場所について、いくつかお話します。

                        贅沢な朝の過ごし方というのは、プランする上でないがしろに　　　　　　　画像をクリックして、ご覧ください。
                        できない部分です。私達は、クランベリー・オレンジ・マフィ
                        ンと、濃いコーヒーを求めて、ヨントヴィルにある
                        「Gordon's」（ゴードンズ）に行きます。
                        「ゴードンズ」は、ローカル達の溜まり場で、外部からの
                        訪問客にはあまり知られていません。
                        ワインメーカー、ワイナリーのオーナー等、このあたりの
                        有名人をウオッチしつつ、朝の素敵な食事を楽しみ
                        ます。「ゴードンズ」では、また、ピクニック用品を買い揃えることができます。
                        周囲にレストランがないワイナリーも少なくないですし、素晴らしいピクニック・エリアを持つ
                        ワイナリーが多いので、これは忘れてはいけないポイントです。

                        ゴードンズを出て５マイルほど北に向かうと、Rutherford
                        （ラザフォード）の街。ここで、「ニーバウム・コッポラ・ワイナ
                        リー」を訪れます。ここは昔、「Inglenook Winery」（イング
                        ルヌック・ワイナリー）だった所で、1995年、アカデミー賞
                        受賞映画監督フランシス・フォード・コッポラが購入しま
                        した。これより遡ること1975年から、コッポラ氏は旧ニー
                        バウム邸を買い取り、そこで暮らしてきていたのですが、
                        彼がワイナリー施設の方をも購入し、敷地をひとまとめに
                        入手した時、イングルヌック時代の再現という彼の夢が
                        遂に実現したのでした。

                        ワイナリーには朝一番に訪れるのが良いでしょう。
                        面白い被写体が建物の外・中にたくさんありますし、
                        ナパ・ヴァレー内で最も興味深い工芸品を目にすること
                        もできます。
                        テイスティング・ルームとギフトショップは、ヴァレー内
                        でも屈指の充実した内容。堂々たる中央階段を上がって
                        いくと、上階にはコッポラ氏の映画関連展示物が飾られ
                        ています。

                        コッポラのワインは、あらゆる客層にマッチするよう、軽いエブリデー・ワインから、驚くべき複雑さを
                        持つラザフォーアド・レッドまで揃っています。「Pennino Zindandel」はハッピーなワインですし、
                        「ルビコン」は、ナパ・ヴァレー内でも評価の非常に高い葡萄から手作りされているものです。

                        ニーバウム・コッポラのあとも、歴史あるファミリーを
                        テーマに１日は続きます。ラザフォード・クロス・
                        ロードを東に入ると、輝くばかりの葡萄畑と、昔ながらの
                        ナパの面影が残る風景が広がります。
                        シルヴェラード・トレイルから８マイルほどの東側丘陵に
                        あるのが、「Nichelini Winery」（ニカリーニ・ワイナリー）
                        です。ここは、まるで時を遡ったかのようなスポットです。
                        スイス系イタリア人として移住してきたアントン・ニカリーニ
                        氏が、1884年ここにキャビンを、1890年にワイナリーを
                        建立しました。建物は、スイス系イタリア人によってナパ
                        まで運ばれてきた材料による美しい石造り。
                        今も、アントンの孫達によって、このワイナリーは所有・
                        経営されています。
                        立派なワイナリーの前には、古代ローマ時代のワイン・
                        プレスが置かれています。ニカリーニのOld Vineから
                        造られる赤ワインは、１００年に渡る農耕作業による
                        産物なのです。

                        そろそろランチ・タイム。お腹が空いてきたので、ピク
                        ニック場所「Rutherford Hill Winery」（ラザフォード・
                        ヒル・ワイナリー）に向かいます。ピクニック・テーブルは、
                        オークやオリーヴの木に囲まれ快適な木陰になっており、
                        ヴァレーを見渡す素晴らしい眺望が楽しめます。
                        テイスティング・ルームとワイナリーは、素朴な納屋風の
                        建物の中です。ここのエステート・カベルネやメルローは
                        なかなか美味しく、シャルドネはピクニックに最適。
                        夜用に、ジンファンデル・ポートも買っておくと良いでしょう。

                        シルヴェラード・トレイルに戻り、もう一軒、歴史あるワイ
                        ナリー「Regusci Winery」（ラグーシ・ワイナリー）に寄ること
                        にします。３階建ての石造りの建物は1800年代に建てら
                        れたもの。ラグーシ・ファミリーが、代々、このプロパティー
                        を所有してきました。６年前に、ワイン造りを商業ベースで
                        始め、テイスティング・ルームをオープン。
                        数あるワイナリーの中で、ここが好きな理由は、
                        その飾り気のない、ひっそりした雰囲気にあります。
                        強い日差しにさらされるヴァレーの東側斜面に育つ葡萄は、リッチでありながらソフトなワインに
                        仕上がります。エステート・ジンファンデルは、その最も卓越した例です。

                        このあたりになると、もうディナーまで２時間ほどとなるので、
                        我が家に戻り、プールサイドで冷たい飲み物を飲みながら
                        一休みします。ディナーの予約は、ヨントヴィルの「Bistro
                        Jeanty」（ビストロ・ジェンティ）に入れてあります。
                        ここの、パフ・シェルで包まれたトマト・スープや、マッシュ・
                        ポテトが敷かれた上にそっと置かれた舌ビラメが、私の
                        大好物です。
                        フレンチ・ビストロですから、まずシャンペンで始めます。
                        メインのあとは、かなりお腹いっぱいになってますが、それでも私は、
                        クリーム・ブリュレーを注文します。
                        結局食べ切れなくて、持ち帰りになってしまいましたが、我が家に帰り、暖炉のそばで
                        今日一日のことを語り合いながら、ゆっくりたいらげます。
                        ラザフォード・ヒルで買ったジンファンデル・ポートを開けて・・・。

★原文を読まれたい方は、こちらへ。以上の翻訳は私が行いました。★

　back