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2005年3月16日
まだ、マスタードの花が一部に残っていますが、新たにいろいろなワイルド・フラワーが
咲き始めています。
今週末、また雨が来るという予報ですが、ここのところ、毎日半袖でOKなくらいの陽気です。
今週は、「20ドル以下のカリフォルニア・ワインVol.13」です。
T.J's President's Reserve
2001 カベルネ・ソーヴィニョン
S-K-E Vineyards
$9.99
まず、「T.J」というものについてですが、これは、
「トレーダー・ジョーズ」の頭文字です。
トレーダー・ジョーズというのは、ロサンジェルスの
小さなコンビニエンス・ストアが発端の、スペシャ
リティ・グローサリー・ストアで、今では全米に
200ほどの店を出しているチェーン。
製造者から直接、すべて現金払いで大量に買い付けをし、
それらに自社ラベルをつけることにより、良いものを安く消費者に提供しています。
パッケージも、シンプルながら、トレーダー・ジョーズらしいセンスが出ているし、
手頃な値段で、簡単に作れる素敵な素材が揃えられているので、
何も買わなくても見て回るだけで、結構楽しい、そういうお店です。
(何も買わないことなど、ないのですが)
どこかのマーケティングの人が、このトレーダー・ジョーズの顧客層を、
「Over-educated but under-paid」(高学歴だけど、そんなに高収入じゃない)と
言っていましたが、実に言いえて妙。
で、そのトレーダー・ジョーズですが、アルコール類の品揃えも安くて面白く、
いっときワイン業界を席捲した「2バック・チャック」、1.99ドルのチャールズ・ショー・ワインを
出したのも、ここです。今でも、このシリーズは売れ続けています。
水より安いのですから、毎日ワインを飲まずにいられない人には、手放せないものでしょう。
ある日、トレーダー・ジョーズのニュースレター(というか冊子)「Fearless
Flyer」が
届いたので読んでいましたら、今回のワインが紹介されていました。
$9.99という値段は、トレーダー・ジョーズにしては、高い方です。
フライヤーの文章をそのまま、訳してみます。
2年ほど前、行き先を求めていた素晴らしい出来のワインを発見した時、
「プレジデント・リザーヴ」のラベルを復活させました。このプレジデント・
リザーヴは、常時、我々のワイン・コーナーに置かれているものではない
のですが、その時その時で、このラベルに値する画期的なワインを見つける
たびに、これを使っていました。
2001
Trader Joe's President's Reserve Cabernet Sauvignon,
Stagecoach-Krupp-Elyse Vineyards は、まさにそういうワインです。
このカベルネは、ナパ・ヴァレーの最も名声高いヴィンヤード、「ステージコーチ」
「クラップ・ブラザー」「エリーゼ」から収穫されたフルーツのブレンドです。
ロッキー(岩がごつごつ)で、火山質の土壌と、最適の気候が、複雑味のある
味わいが幾層にも重なるエレガントなワインを作り上げており、寝かせることに
より、味わいが深くなります。
つまり、他のラベルをつければ、9.99よりももっと高くで売られてもおかしく
ないほど、優れたワインなのです。
しかし我々は、クオリティの高さもさることながら、「バリュー」というものに
重きを置いていますので、この素晴らしいワインを、トレーダー・ジョーズでなら
9.99ドルでお買い上げいただけます。
また、このようなグッド・バリューは、そうそう簡単に手に入るものでもありません
ので、在庫は2900ケースのみです。
店頭からなくなったら、それっきりです。When it's gone, it's
gone.
かなりお上手ですよね、宣伝文句が。(笑)
こう言われて、買いたくなくなるわけがないです。
実際、ステージコーチ、クラップ・ブラザーズ、エリーゼは、注目に値するヴィンヤードであり、
(このサイト上でも、2回ほどその名を紹介しております)
そのヴィンヤードからのカベルネを、9.99ドルで買えるのなら、それは素晴らしい
ことだとも思いました。
早速店に行き、これを買ってきて、すぐに頂きました。
これは、これは、本当に「グッド・バリュー」です。
その日は、ちょっとお洒落して(?)、ポーク・テンダーロインのクランベリー&マスタード
・ソースかけってなディッシュをこしらえてみたのですが、クランベリーのトロっとした
甘さと、カベルネのダーク・ベリーの風味が良く合って、嬉しくなりました。
久々のひと桁ワイン、ヒット作です。
確かにこれなら、例えば15ドル〜20ドルという値段がついてても
まったくおかしくないと思いました。