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2007年03月14日

去年の3月は、記録的な雨の日の多さでゲンナリさせられましたが、今年は「いつもの」3月らしい毎日。
11日から夏時間になって、朝起きるとまだ、ほんの少し暗いのですが、8時前になるとパ〜〜っと明るく、気持ちよい陽光が
さしこみます。もうすっかり春です。

今週は、 レアード・ファミリー・エステート・ワイナリーにお勤めのロバートによる「ロバートからの絵葉書」 パート16です。
ナパ・ヴァレーの春について書いてくださいました。
                   
ロバートのプロフィールは、こちらから。

                                                 Post Card from Napa Valley

ナパ・ヴァレーから、暖かい春のご挨拶を送ります。これを書いているのは3月上旬、世界で最も美しい「庭」がここにあります。
快晴の日が増え、地上を暖め始め、様々な花がその華麗な色を散りばめています。果樹の花、水仙、百合、そしてカメリアなどが
まずナパ・ヴァレーにお目見えしてきました。

1700年代、スペイン人のカトリック教会伝道師がいた時代から、スペイン種マスタードは、
ナパやソノマのヴィンヤードにその美しさと滋養物を加えてきました。
Junipero Serra神父率いるスペイン人
牧師さん(「パドレス」
Padres)一行は、サンディエゴから北上、北端ソノマまで、要所要所に教会を建て、
その周りにマスタードの種を植えていったのです。
現在では、多くのヴィンヤードにおいて、木々の合間を縫って、この明るく、優美な黄色い花が咲き乱れ、
その様子はほとんどスピリチュアルな感じです。マスタードの花は、これからのち春の間に耕され、
土に戻され、葡萄の木々に一年分の滋養を与えます。

去る1月28日、恒例「マスタード・マジック・セレブレーション」イベントに、私はLaird Family Estateの代表として参加、
歴史的建築物であるグレイストーン・セラーズ(元、クリスチャン・ブラザーズ、現CIA)のリザーヴ・ルームにて、ワインをサーヴして
いました。レアードのテーブルは、その昔からそこに保存されている古いブランディ・ポットの前に設置されており、
随分昔の話になりますが、私はクリスチャン・ブラザーズ・ワイナリー時代にここで働いていたので、何というか、ちょっとした
「デジャ・ヴー」的感覚を覚えました。
イベントのテーマは「マスタード」と「マルディ・グラ」でしたので、テーブルをビーズで飾りつけしたりしていました。
マスタード・フェスティバルそのものは、比較的スローな1・2月、そして3月上旬に、ナパ・ヴァレーにもっと人を呼び込もうとの
趣旨のもと、
Yountville商工会議所によって15年前から始められたものです。

これを書いている時点では、葡萄の木々に新しい成長の印はまだ見られていません。
でも、もう何日か暖かい日が続けば、じきに現れてくるでしょう。ナパでは、今年の1月が例年以上に寒く、
葡萄の木々がいつもより深い休眠状態に入っていました。
だから、ひとたび彼らが目覚めたら、きっとものすごく勢い良いものになると思われます。

先日、ヴィンヤードの中を散歩したのですが、実に素晴らしかった。マスタードなど、私の腰のあたりまで
伸びていて、一面黄色に輝く中を歩くのは、なかなかのもの。
真っ青な空と、綿菓子のような雲の白さ・・・自然というものだけが造りだすことのできる風景です。

ヴィンヤードでの散歩のあとは、ちょっとしたリフレッシュメントの時間。最近見つけたナイスなシャルドネ2本をお知らせしましょう。
シャルドネと言っても、クリーム・ブリュレーと合わせた方が良さそうな、いわゆるオーキーで、バタリーで、乳酸化バシバシの
ものではありません。

この2本は、春の陽光に祝福されたかのようなワインです。
2005 Twin Fin シャルドネと、2005 Castle Rock Barrel Fermented Central Coast
シャルドネ。
ツイン・フィンのフルーツは、大半がモントレー・カウンティのもの。トロピカル・フルーツと梨のアロマが
大変魅惑的。柑橘系、熟した梨、マンゴ、そしてカサバ・メロンの風味は、パレットと私の気持ちを爽やかに
してくれます。
このあとディナーまで残しておいて、ツナ・サラダと、ローストしたレッド・ポテトを作って、合わせることにします。
カジュアルな食事&パーティーにピッタリの、このツイン・フィン・シャルドネは、小売価格が10ドルほどで、
お買い得。
同じワイナリーのピノ・ノワール2005も試して見ましたが、プラムとチェリーの風味が豊かで、
酸味もしっかりしており、食事と合わせるのに適したものでした。

もう1本の方、キャッスル・ロック・シャルドネも、モントレー・カウンティのフルーツです。これはツイン・フィンよりも、
少しオークが強めですが、柑橘系とトロピカルなフルーツ風味が、ほんのりヴァニラ味のオーク風味と、良い感じに混ざり合って
います。これも、10ドルほど。

今宵は、これらのナイスなフルーティ・シャルドネをグラスに注いで、光り輝く陽光、マスタード、そしてこれからの素晴らしい
季節に乾杯、といきましょう。

★原文をお読みになりたい方は、こちらへ。以上の翻訳は 小林が行いました。★

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