2005年2月23日

2005年02月23日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

                        今週は、レアード・ファミリー・エステート・ワイナリーにお勤めのロバートによる
                        「ロバートからの絵葉書」パート10です。
                        冬のワイン・カントリーについて書いてくださいました。

                        ロバートのプロフィールは、こちらから。

　　　　　Post Card from Napa Valley
Winter in Wine Country　　　　　

                        冬のワイン・カントリーは、葡萄の木々が休眠中でありながらも、エキサイティングな
                        時期です。葡萄の木が冬眠している間、畑ではプルーニング（剪定）を施す人達が
                        その技術を存分に発揮しています。彼らは、寒くじめじめした中で、木々を切り取り、
                        春に必ず現れる新しい成長に向けて準備を怠りません。

                        ワイナリーやテイスティング・ルームにおいても、                                画像をクリックして、ご覧下さい。
                        今は比較的静かな時期です。
                        ワイン・カントリーを訪れる人の数も少なく、この時期
                        に来られるお客様は、より密接なアテンションを受け
                        ることができます。人気レストランの予約も取り易く
                        なるようですし、ワイナリーのツアー予約も、より
                        簡単にアレンジできます。

                        ロマンティックな雰囲気を好む方々にとっても、こじんまりして静かなベッド＆
                        ブレックファースト・インに泊まり、暖炉やジャクージを楽しむのは、「超脱の境地」
                        （nirvana）です。マッサージを受けて、スペシャルなワインとディナーを頂けば、
                        心身ともにリフレッシュされることでしょう。眠っていた魂が突然呼び起こされ、
                        作家ロバート・ルイ・スティーブンソンが残した名言「ナパは、永遠の春に満ちた
                        場所」の意味を、しみじみ実感します。

                        このように冬のワイン・カントリーは静かで平和です
                        が、恒例のスペシャル・イベントも開催されていま
                        す。私のお気に入りのイベントのひとつに、「ナパ・
                        ヴァレー・マスタード・フェスティバル」があり
                        ます。
                        過去１５年間、この８週間にわたるイベント行事は、
                        ナパ・ヴァレーを盛り上げる要因となってきました。
                        このフェスティバルは、当時ヨントヴィル商工会議所
                        のメンバーで、家具屋のオーナーだった人によって
                        始められました。以来、このフェスティバルは、ワイン・カントリーを訪れる多くの人にとっての、
                        年に１回の恒例行事となっています。

                        １月最終土曜日には、マスタード・フェスティバルの最初のイベント「マスタード・マジック」が
                        催されました。会場は、ナパ・ヴァレー内で最も美しく歴史のある建物のひとつ、
                        「Greystone Cellars」です。現在は、「Culinary Institute of America」になっています。
                        長年、Christian Brother's Wineryだった、石造りの建物3階がすべて、
                        「マスタード・マジック」に使われます。

                        フランス、ニュー・オーリンズ、マルディ・グラ、
                        デカダンといったテーマに沿って、ナパのトップ・
                        ワイナリーやフード・ベンダーが、夢のようなご馳走
                        を提供します。
                        サイレント・オークション、ライブ・オークション、オリ
                        ジナル・アートの展示販売が行われ、会場内を
                        バレエの踊り子らが舞い、パントマイマーが練り
                        歩き、ケイジャンスタイルのZydeco Bandが音楽を
                        奏でます。

                        会場を訪れる人達の大半はブラック・タイ（正装）、
                        そしてかなり高い確率で、多くの人が、羽やシーク
                        インで飾られたマルディ・グラの仮面をつけています。
                        古い石や木材で覆われたグレイストーン・セラーズ
                        の雰囲気と、このカラフルでリズム感に溢れ、
                        俗念に満ち満ちたとも言えそうなイベントとのコント
                        ラストが微妙で、クリスチャン・ブラザーズ・カトリック
                        教義修道会の亡霊と、うまい具合に共存しているか
                        のようでした。（神父たちは、近くの修道院で暮らし、
                        宗教的目的において、グレイストーンでワイン造りを行い、1980年代まで、
                        全米のクリスチャン・ブラザー学校をサポートしていました。）

                        イベントでは、カリナリースクールのキッチン・
                        スタッフの方々が、大きなウルトラ・モダンなキッ
                        チンで、見事なビュッフェを用意していました。
                        私は、その豪華なラインアップの中から、トライ・
                        チップ、サーモン、グリル・アスパラガス、シュリンプ・
                        フェタチーネ、チーズ乗せポテト、そしてミックス・ベイ
                        ビー・グリーンのサラダを選び、楽しみました。
                        ラスベリーとマンゴのヴィネグレットなどは特に素晴
                        らしく、脈拍数がぐ～んと高くなったほど。
                        チョコレート・アイスクリームとクッキーで、ちょっと落ち着きましたが。

                        ひとしきりお腹を膨らませたら、パーティーに
                        戻ります。ジェラート・サンプルの数々、
                        ロースト・ビーフ、チョオレート・トラッフル、
                        地ビール、タパス、シャンペン、そして世界に名だ
                        たるカベルネ・ソーヴィニョンにシャルドネ・・・・。
                        間違いなく、これらは、1月末の夜を盛り上げる
                        大ご馳走でした。

                        マスタード・フェスティバルは、これから3月の半ばまで続き、ワイン、フード、アートにまつわる
                        各種イベントが開催されます。カメラを持参して、マスタード・フェスティバル・フォト・コンテストに
                        応募してみてはいかがでしょう。 3月の最終イベントでは、それらの写真が展示され、
                        またまたフード＆ワインのパーティとなります。

                        この原稿を書いている今、2月中旬、ワイン・カン
                        トリーには春のきざしが現れています。
                        色とりどりの花が開花し、鳥たちのさえずりが増え
                        ました。雨も少しだけ、その量を落としています。
                        マスタード・マジックのイベントが、何かしら季節の
                        移り変わりをスムースなものにしてくれているように
                        私は感じます。
                        春はもう、すぐそこです。

★原文をお読みになりたい方は、こちらへ。以上の翻訳は小林が行いました。★

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