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単独ハイキング @ ヨセミテ国立公園

「またヨセミテですかい」という声を無視して、「またヨセミテ」のハイキングについてです。

日帰りヨセミテ・ハイキングから3週間後、週末に1泊だけキャンプしに、再びヨセミテ・ハイカントリーに
行ってきました。8月下旬ともなると、ヨセミテ国立公園内ハイ・カントリー地区は、朝晩の冷え込みが
厳しくなり、私がジョインした日の朝(金曜の朝)は、華氏27度(=摂氏マイナス2.7度ほど)にまで
気温が落ちたとのこと。
寒くなることはわかっていたので、たった1泊のキャンプなのに、重ね着する服を7枚も持参しました。

1泊した翌日、土曜日のプランを「Dog Lake & Young Lake」トレイル・ハイキングに決めていましたが、
キャンプグラウンドで知人から話を聞いていると、ヤング・レイクそのものはキレイな湖ではあるものの、
湖際まで行かずに、これを見下ろすスポットに行った方が、断然、風景が素晴らしい、という同じアドバイスを
2人から別々に受け、そっちをトライすることに決めました。

が、そのスポットへはトレイルが存在せず、クロスカントリーしていかなければならない。
が、広々とした台地を突っ切っていくルートなので、迷うことはないはず、とのこと。

翌朝、午前8時半にトレイル・ヘッドを出発。今回は私ひとりの単独ハイキングでしたので、とにかく早く
歩けるところはできるだけ早足で、すたこらさっさと進みます。すぐに結構な登りが登場し、ふうふう息が
切れつつも、一定のテンポを崩さずに行きます。
約30分ほどで、最初のポイント「ドッグ・レイク」に到着。

朝から快晴だったので、湖越しにみえるマウント・デイナの雄姿が美しく、まだ朝早かったので釣り客や泳ぎにくる家族連れの
姿もなく、私ひとりでその湖の風景を目に焼きつけておりました。

元のトレイルに戻って、またひたすら歩きます。しばらくすると、最初のメドー(草原のようなもの)に出ます。
ここで前方にニョキっと突き出たピークが見えたので、初めて訪れる私は、それが目印とする
Ragged Peak」なのかと勘違い。
この勘違いのために、本来そのメドーを突っ切って進むトレイルを見落とし、ちょろちょろ流れる小川に沿って
西に進んでしまいました。
当然、途中でトレイルがなくなり、あれ?と周囲を見渡すこと約10分。
見えている山がそのラグド・ピークなら、それとその隣の山の間が目指す方向だからと考え、仕方なく
森の中をクロカンで進んでいくことにしました。不安な時の時間というのは、恐ろしく長いもので、
ほんの5分ほど歩いただけだったのですが、はっきりしたトレイルを再び見つけた時は、そこまで30分くらい
歩いたかのように思えました。

出発して2時間くらいで、素晴らしい高台に出ました。南を見ると、ユニコーン・ピーク、エコー・ピーク、
そしてキャセドラル・ピークが大きな空の下、ピコーンピコーンとその頂きを見せ、そこから右に視線を移すと
マウント・ホフマン、左を見ると、公園内で一番高い山マウント・ライルの雄姿。
このパノラマを見られただけでも、このトレイルに来た甲斐があったというものです。実に素晴らしい。

そして北東方向には、広々とした台地が広がります。ココに来て、ようやく、さっき見たのは別のピークで、
今前方に見えているものこそ、目印にするべき「Ragged Peak」なのだと理解できました。
ラグド・ピークと隣のピークの間に見えている峠のような所、そこを目指してクロスカントリーしていけば
良いのだなと確信し、「よ〜し」という一人掛け声を発して、いざトレイルを外れます。

到達点が見えているので迷うことはありませんが、見えているのは延々の登りで、標高高いし
息切れるし、足は重たくなるしで苦行と言うしかないな、これはってなものでしたが、
キツくなったら止まって休めば良いのだし、止まるたびに振り返れば、そこにはシエラ・ネヴァダの
美しい山々の姿があるし、です。

朝の出発から約3時間強で、とうとう目的地の峠に達しました。
そこからの景色の何と美しかったこと!
目の前に、マウント・コネス(Mt.Conness 標高3777メートル)がド〜ンと聳え立ち、
足元遥か下には、ヤング・レイク。
ヤング・レイクは3段になっていて、道理で英語名が、「ヤング・レイクス」と複数形になっているわけです。
その3段レイク全てを見下ろすことができます。
奥の方には、標高約3055メートルのルーズヴェルト・レイクも見えます。

澄み渡った紺碧の空と、ホワイト・グレーの山肌、コバルト・ブルーの湖水・・。
ひとつひとつが、くっきりと鮮やかに輝き、私はただただ、その大きさ・美しさに言葉をなくし、
でもお腹空いたので、ランチ用にパックしてきたジャム・サンドイッチを食べて、
座る場所を2・3回変えては風景を楽しみ、ぼ〜っと30分ほど、そこにいました。

驚くべきことに、こんなに簡単にクロスカントリーで来られるポイントなのに、まったく他にハイカーがいない。
ヤング・レイク行きのバック・パッカー達とは、3組ほど途中で会いましたが、このポイントまでの道のりでは、本当に誰とも会うことが
ありませんでした。

ハイカントリーでのハイキングをする予定がある方には、絶対お薦めしたいスポットです。

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