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Perbacco Ristorante + Bar      ペルバッコ・リストランテ+バー

【老舗&人気レストランに挟まれて】

サンフランシスコのファイナンシャル・ディストリクト(金融街)を東西にバシっと走るカリフォルニア・ストリートは、ケーブルカーも走っていて、ビジネス街でありながら、観光地要素もチラっと味わえる大通りです。
この通り沿いには、老舗の「Tadich Grill」や、シーフードで有名な人気レストラン「Aqua」があり、この2店が全てで、それ以外は、「その他もろもろ」と一言で片付けられてしまいがちでした。

そんな環境の中、2006年末にオープンしたのが、「ペルバッコ」です。しかも、上記2店の真ん中隣に。
Tadich Grill」が古き良きアメリカ時代のインテリアで、「Aqua」がモダンなインテリアの典型だとしたら、「ペルバッコ」は、歴史とモダンをうまく調和させた「今風」のインテリアと言えるかもしれません。

店の外のサインが堂々として格好良いのですが、縦長の店内に入ると、まずド〜ンと立派なバー・カウンターが目に付きます。ウオーク・インの人たち用のテーブルもあり、予約を入れたダイナー達は、その間を縫って
奥に奥にと案内されます。
店の一番奥にはオープン・キッチン、レンガむき出しのダイニング・ルームは、1階とそしてメザニンに
広がっています。

ランチで訪れた時は、メザニンに案内され、上から見下ろす店内の様子が大変興味深いものでした。
ディナーで訪れた時は、1階のちょっと奥まったエリアに案内されました。何回か行くと、「次はあそこに座ってみたい」と思わせられる一角が目に付くもので、店の人が「予約の時に、席位置指定される方が結構多い」とおっしゃっていたのも、さもありなん。

【目移りさせられるメニュー】

メニューは日付入りですから、一部を除いて頻繁に変わります。
ランチでは、アペタイザー9〜10種、スープ・パスタ・リゾット9〜10種、メイン10〜12種、サイド4〜5種。
これだけでも目移りしますが、ディナーに至っては、クルード(Crudo=生魚のプレート)3〜5種、サルミ(Salumi)5〜6種、
アペタイザー12種、スープ・パスタ・リゾット10種、メイン8種、サイド5種と、「何でも来〜い」状態。

ダイニング・ルームが全部で約120席、バー・エリアで40席もある、「大型」レストランと言っても良いサイズである上に、
これだけの品数を毎日メニューに出すというのは、これは凄いことだと思います。
金融街の中にあるだけに、昼・夜共にビジネス・ミーティング、接待に利用される比率が高いだろうし、
仕事帰りにちょっと一杯&腹ごしらえを目論む人のために、プリ・フィックスでないアラカルト・メニューをたくさん用意しておくのは、
賢い戦略かと思われます。

まあ、そういうことは良いとして、食べましょう。

Crudo - Yellowfin Tuna     12ドル
確かに写真を撮った記憶があるのに、どこにも見当たりません。おかしい。どこに消えたのだ。
写真がないと、うまく伝えられないのがもどかしいのですが、ほどよく脂ののったイエローフィン・ツナの上に、
今が旬のブラッド・オレンジの果粒と、シャイヴされたフェネルが乗っかって、上質のエキストラ・ヴァージン・オリーヴ・オイルが
垂らされています。これが5切れほど、見た目にも涼しい長方形のガラス・トレイに乗せられて出てきました。
お刺身でない生魚の食べ方は、世界各地でいろいろありますが、いかに生臭くなくするかというのがキーポイントのようです。
ヴィネガーを使ってスッキリさせるのも王道ですが、ブラッド・オレンジの酸味と、フェネルのほろ苦さをうまく使っているなあと
嬉しくなりました。
合わせてもらったワインは、2006 Colli Orientali del Friuli, Sauvignon, Sirch。美味しい。

Salumi - Ciccioli     6ドル
細かく切り裂かれたポーク肉で作られたパテに、フルーツ・モスタルダが塗られています。
モスタルダ(Mostarda)というのは、北イタリアあたりでごく一般的な香辛料・プリザーヴだそうで、
レストラン、家庭によって、何のフルーツを使うかはまちまち。それだけバリエーションに富むということに
なります。
その日のモスタルダは、恐らくブラッド・オレンジや、アプリコットが使われていたのではないかと
推測します。ホットドッグに、ピクルスや刻み玉ねぎを乗せるように、北イタリアでは、お肉にモスタルダを乗せて食べるとのこと。
ポーク・パテに、このフルーツ・モスタルダをつけて頂くというのは、私にとっては初めての体験で、風味豊かでリッチなパテとの
相性が素晴らしく、とても気に入ってしまいました。
ポーク・ソテーにクランベリー・ソースを合わせることが多い我が家で、今度はこれに真似て、マーマレードを使ってみようと
思います。

Appetizer - Bodin    10ドル
12種類もあるアペタイザーの中から何を頂こうかと、さんざん悩みましたが、「Piemontese Black Pudding
という説明にいたく心動かされ、これを注文。
Bodinというのは、つまりはプディングということなのだと、あとから納得。
ポテト・ピューレが敷かれた上に、ザウワークラウトが添えられ、その上にプディング。
ちょこっとトップに乗っているのあ、バターでソテーされたリンゴ。
ちゃんと説明を聞いていたはずなのに、このプディングが何でできたプディングなのか、
今まったく記憶にございません。
見た目はユニークだったけれど、あっという間に二人で食べ終えてしまったために、ほとんど印象に
残っていないです。申し訳ない。

Pasta - Herb Agnolotti    12ドル
パスタは、2種類の値段があり、小サイズとアントレ・サイズに分かれています。
私達は、迷わずスモール・サイズ。(アントレ・サイズハ、16ドル)
パスタも、実にいろいろな形のものがあり、本場イタリアや、イタリアン・レストランに行く楽しみは、
知らなかったものに出会うことでもあります。
Agnolottiは、それでもアメリカ国内でも認知度が高くなってきているパスタで、いわゆるラヴィオリの
一種です。「司祭の帽子」という意味だそうですが、お店によって形も様々。
北イタリアあたりで一般的なのは、半円状の、ちょっと餃子に似た形をしています。
ペルバッコのそれも、かわいい半円型でした。
この中に何を詰めるかでバリエーションが出てくるわけですが、この日は、うさぎ肉とトリュフ。

うさぎ肉のワイルドな風味と、トリュフのこれまた野性的な風味が、小さなパスタから飛び出してくるような感じで、
一口食べた途端、同席者と一緒に「ワオ〜!美味しい〜これ!」。
ソムリエに選んで頂いたピエモンテの赤ワインが、とても個性的な味を持ったものだったのですが、このパスタと
ものすごく良く合ってました。この1品で、ワインが異常に進んだことは確かです。

パスタにかけられたソースは、Truffled Sugo D'Arrosto。すなわち、お肉をローストした時に出るソースにトリュフを入れたもの。
これは、アントレ・サイズを注文しても良かった。

このあと、メイン・コースから「Milk Braised Pork Shoulder」20ドルを頼んだのですが、前のパスタで舞い上がって
しまい、写真を撮るのを忘れました。ナイフがいらないほど、とろとろに煮込まれたポークの肩肉は、優しい味がして、これも
大変美味しかったとだけ、書いておきます。

【用途いろいろ、そしてワイン】

写真でご覧いただけるように、それぞれのディッシュがさほど大きくありませんので、二人で行ってひと皿を
シェアして頂くと、あれこれ色々なものをトライすることができます。
デザートもたっぷりありますので、どこかで食事してきたあと、ここのバーに来てデザート&食後酒という
のも良いですし、サルミ・メニューが魅力的なので、カウンターでワイン&サルミというのもナイス。

ワイン・リストは、当然ながらイタリア・ワイン中心ですが、カリフォルニア・ワインも1/4ほど占めていて、
なかなかしっかりしたラインアップです。
イタリアンなメニューの店に来てまでカリフォルニア・ワインに固執しませんが、イタリア・ワインについては
ほんの一部しか知りませんので、お店のソムリエにすべてお任せします。

何を食べるか決めたあと、ソムリエさんに来て頂き、注文したものを伝え、それに合う白をまず 1/4リットル(前述のもの)、
そして、赤をボトルで1本。ピエモンテ地方産の、ユニークなおもしろいワインを2,3提案していただき、決めたのが、
Grosjean FréresFumin, Vigne Merlette, Vallee D'Aoste 2005
イタリアの北西端、スイスとの国境近くにある「Vallee D'Aoste」は、イタリア内で一番小さいワインの
生産地区。
Fuminというのは品種名なのですが、大抵他の品種とブレンドされるようで、これ単体の
バラエタル・ワインとしては珍しいものと言えるかと思います。
アメリカにおける、キャリニャンと似たような立場の品種かと。

険しい山々、傾斜のきつい丘陵地帯にぶどう畑がある・・という、そんな風景が頭の中に浮かび上がるかの
ようなワインでした。
ワインを飲み始めたばかりの頃なら、このワインのユニークさ、愉しさは多分わからなかったと思います。
今まで飲んだことのない、何に似ているかという考えさえ寄せつけない、非常に個性溢れたワイン。
ソムリエさんは、「
Fuminにしてはフルーティ」とおっしゃってましたが、フミン自体飲んだことないし、
このワインのどこがフルーティなのか皆目察知できませんでした。
そもそも、このワインに関しては、フルーティである必要など全くないです。

前述のパスタ、そしてポーク・ショルダーを念頭に、このワインを提案してくださったソムリエに拍手。
イタリア語訛りなのか、ポンポン言葉が飛んで聞き取りにくかったけれど(笑)、次回訪れる時も、彼にワインを選んで
もらいたいと思いました。

           

ペルバッコ
Perbacco Ristorante + Bar

住所  230 California Street, San Francisco
電話番号  (415) 955.0663
ウエブサイト    www.perbaccosf.com
営業時間  
  月〜木曜日 午前11時半〜午後10時
  金曜日    午前11時半〜午後11時
  土曜日    午後5時半〜11時
  日曜日定休
 

                                                                                                                                                         (2008年2月現在)

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