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Michael Mina   マイケル・ミーナ

4.5ミリオン・ドルの改装】                                                                                          画像をクリックして、ご覧下さい。

ダウンタウン・サンフランシスコの中心、ユニオン・スクエアの前に威風堂々とそびえ建つ、
ウエスティン・セントフランシス・ホテル。買い物するにも最高のロケーションですし、タワー棟・
23階以上の「グランドビュー・ルーム」に泊まれば、その眺望も素晴らしい。
そのセント・フランシスに、マイケル・ミーナ氏が自分の名前を冠したレストランをオープンさせたのは、
去年2004年の夏でした。

「コンパス・ローズ」という、大人の雰囲気あふれるラウンジがホテル内にあり、ここで夕方、ディナー前に
待ち合わせを兼ねて、マティーニを一杯、というのが、なかなか洒落た時の過ごし方だったのですが、
ここを、4.5ミリオン・ドル(約4.8億円)という莫大な費用をかけて改装し、できあがったのが
「マイケル・ミーナ」です。

オーナー・シェフ、マイケル・ミーナ氏】

オーナー・シェフのマイケル・ミーナ氏については、食べ歩きが好きな方なら知らない人はいないくらい、
ここベイエリアでぐんぐんと知名度を上げてきた方です。
他の有名・やり手シェフ同様、彼もラスベガスに進出しており、ベラージオ・ホテル内に1軒、MGMグランド
に2軒、店を出しています。
シリコン・バレー、サンノゼにも「アルカディア」という店をオープンさせていますので、彼がいつ、どの店に
いるのか、こちらはまるでわかりません。

彼の名前を一躍有名にさせたのが、サンフランシスコの「アクア」だということもあり、ミーナ氏にとっては、
サンフランシスコが自分の原点であり、成功のしるしを刻み付けたい土地だったのだと思います。
自分の名前を冠したレストランを開く、その最初の場所をサンフランシスコにしたのも納得がゆきます。

【ウエイターさん、奮闘】

アプローチの階段をあがると、クラシックなダイニング・エリア。
薄いマットな水色の椅子、高い天井、それを支える円柱、シンプルかつ印象的な大きなアート、ほんの少し
中がうかがえるセミ・オープン・キッチン、ロイヤル・ダルトンの食器、貝殻の形をしたバター・トレイ・・・。
単なる「店」ではなく、いわゆる昔ながらの「グランド・ホテル」のメイン・ダイニングにふさわしい、
素敵な空間になっています。クラシカルであり、かつモダン。

ウエイターの方々(大半が男性)、みなさん背が高くてスラっとしていて、黒のスーツが格好いい。
「お食事の前のお飲み物は?」はどこでも聞きますが、このあと「ここでのお食事は初めてですか?」が続き、
初めてのお客様には、メニュー内容の説明が始まります。これが生半可じゃない。
そして「食べ物のアレルギーは何かありますか?」の質問があり、最後に、「今すぐお食事を始められますか?
それとも、お飲み物でしばらくおくつろぎになりますか?」です。

私は初めての来店でしたが、メニューについては何回も来たことがあるかのように頭に入ってましたし、
食べ物のアレルギーは何もないですし、お腹ペコペコでしたので、上記の質問はすべて簡単に終わらせ
ました。が、隣のテーブルの4人組は、私達より早くに着席していたのに、メニュー説明を延々と受けており、
しかも質問が多いときましたので、こちらにアミューズ・ブシェが置かれた時点になっても、まだ注文が
終わってませんでした。
マティーニやら、シャンパンやらを片手に、優雅に質問しまくるお客様もすごいですが、ここのウエイター
さんは本当に大変です。

【メニュー読破は時間がかかる】

メニューは、このように、説明に時間をかけようと思ったら軽く30分くらいはかかる類のものです。
システムは至って簡単。ファースト、セカンド、デザートの3コース、88ドルか、
「シーズナル・テイスティング・メニュー」120ドルか、
「マイケルのクラシック・テイスティング・メニュー」120ドルか、の3択です。

ところが、3コースの選択肢が凄いのです。
それぞれのメニューにつき、3つの料理法・添え物が提示されています。
例えば、「
Roasted Foie Gras」というメニュー(ファースト・コース)には、
Santa Rosa Plum, Young Ginger  サンタ・ローザ産のプラムと新しょうが添え
Maui Gold Pineapple, Vanilla  
マウイ島産、ゴールド・パイナップルとバニラ添え
Crimson Red Rhubarb, Lime  
クリムソン産、赤ルバーブとライム添え
と書かれており、つまり、フォアグラを3つの味でお楽しみください、という提示なのです。

そういう説明がズラ〜と並んでいるものを、上から下までじっくり読んでいたら、それこそメニュー読む
だけで30分くらいすぐたちます。
スッキリきれいな食器に、3種類の違った味わいの素材が盛られたものを見たかった気もしましたが、
ちょこちょこ色々なものを食べたかったので、私達はテイスティング・メニューにしました。
テイスティング・メニューは、テーブル全員がそれを注文しなければならないのですが、片方が「シーズナル」、
片方が「クラシック」というのはOKだとのことでしたので、そうしました。

【グラス・ワインのあるべき姿】

食前酒代わりに、まず白ワインをグラスで。
Selbach Oster "Sclossberg", Riesling Kabinett, Mosel 02   $12.00
Weingart "Furstenberg" Riesling Spatlese, Mittelrhien 03  $14.00

このレストランで一番感激したのは、このグラス・ワインのサーヴでした。
グラスワインを頼むと、ワインを注いだグラスだけ持ってくる店がほとんどですが、ここはボトルを
持ってきてくれます。ちゃんと、ラベルを見せて、テイスティングもさせてくれます。
店を疑うわけではないのですが、本当に注文したワインがサーヴされてるのかどうかは、グラスだけ
持ってこられては判断の仕様がありません。
グラス・ワイン・サーヴ方の、これは基本であるはずなのに、今、滅多にこれをやる店がないのは
残念なことだと思っていましたので、とても嬉しかったです。

ワインそのものは、すっきり爽やか、私の大好きなリースリングのタイプでした。
ドライ・リースリングも好きですが、甘めのリースリングも大好きですので(要は何でも美味しいものは好き)、
食前酒にぴったり。アミューズ・ブシェとして出された、ホタテのセヴィッチェ(マリネ刺身のようなもの)と、
とてもよく合いました。

【6月のメニュー】

「シーズナル・テイスティング・メニュー」は、季節の素材を使った7コース、
「マイケルのクラシック・テイスティング・メニュー」は、ミーナ氏お得意の人気メニューを集めた7コース。
ひとつひとつの感想、解説を書くのは、とてもとても大変なことなので(笑)、
その日のテイスティング・メニューだけを記載しておきます。

Michael's Classic tasting Menu   $120.00

Ahi Tuna Tartare  Scotch Bonnet Peppers, Sesame Oil
Maine Lobster Pot Pie
Brandied Lobster Cream, Seasonal Vegetables
Miso Glazed Sea Bass
Black Pepper Crab Consomme, Toasted Israeli Couscous
Roasted Foir Gras,
Maui Gold Pineapple, Vanilla
Pan Fried Poussin,
Truffled Macaroni and Cheese
Steak Rossini,
Seared Foir Gras, Pinot Noir Sauce
Chocolate Cake,
Peanut Butter Pudding Cake, Peanut Butter Shake

この中では、フォアグラのパテ(よく冷えている)とパイナップルの組み合わせというのが、ユニークで面白かったです。|
パイナップルは、極小サイコロ型に刻まれており、この甘酸っぱさとパテの冷えたネットリ度(?)が、へ〜〜というような相性でした。

テーブルでコネコネしてくれる、アヒ・ツナのタルタルは、「アクア」レストランの時もそう感じましたが、私にはちょっと胡麻油が
効きすぎ。ほんの少し垂らすくらいで充分かと思います。

Seasonal Tasting Menu    $120.00

Hamachi Parfait, Crispy Rice Cake, Sea Urchin Vinaigrette
Tempura Langoustine-Chilled Ceviche, Asian Pear, Galangal
Potato Crusted John Dory, Walla Walla Onion, Malt Vinegar
Seared Foie Gras, Cinnamon Cous Cous, Golden Raisins
Crispy Skin Quail - White Asparagus, Bacon Braised Morel, Frisee
American Kobe Rib Roast, Au Poivre, Horseradish mash, Caramelized Onions
Banana Tarte Tatin, Caramel Sauce, Cinnamon Ice Cream

「アクア」がシーフード主体の店だったこともあり、お肉よりもお魚の方が、より印象深いように感じました。
見た目は、クラシック・テイスティング・メニューの方が派手めで、美味しそうなのですが、全部を食べきると、かなり重いです。
シーズナル・テイスティング・メニューの方が、さほど苦労せずにペロっと食べてしまえる量でした。

あと、デザートが秀逸でした。
バナナ・タルトとシナモン・アイスクリームの組み合わせなど、これだけの食事をしたあとなのに、
おいしい、おいしい、と食べきってしまいましたし、チョコレート・ケーキも、深い深い、大人のチョコの
味でした。
同席者は、「もう入らない、酔っ払った」と、コーヒーを頼んでいましたが、私は凝りもせず、またまた
リースリング、
Dr.Lossenをグラスで頼んで、最後まで飲み続けました。

【ワイン・リスト】

ワイン・リストがまた、読破しようと思ったら時間かかります。
ファイルが2つ合体していて、白が片方、赤は裏返して片方、という形になっています。
フランス・ワインが主体で、パっと見は、3桁のオンパレード。 
50ドルくらいのワインはどこですか、と必死に探さなければならないくらいのラインアップです。
(その価格帯ばかり集めたページもあり)

DRC(ロマネ・コンティ)はどんなものかなと思って見ますと、1969年ものがな〜〜んとなんと
12050ドル。イチマン・ニセン・ゴジュウ・ドルゥゥゥゥゥ。

それでも、フランス・ワイン、ドイツ・ワインがお好きな方には、たまらないリストだと思います。
カリフォルニアももちろんページがあります。 ヨーロッパものほど「超・有名」カルト・ワインが
ズラっとラインアップされていないのが良いところで、なるほど〜と思う品揃えです。

飲んだことのない、あまり聞いたこともないワインを探しましたら、ピノ・ノワールに1本ありました。

Favia, La Josefina, ピノ・ノワール、Russian River Valley 03

ものすごく濃い色、色と同じくらい濃厚な香り、ちょっとコカ・コーラのような味わいの甘さ、そして土っぽい
風味。時間がたつにつれ、ふんわり柔らかさも出てきて、テイスティング・メニューのすべてのコースに
合いました。素晴らしいワインでした。 (たった200ケースの生産)
お値段も素晴らしく、レストランで1本112ドル。ワイナリー価格で、1本65ドル。

                         


マイケル・ミーナ

Michael Mina

住所  335 Powell St. San Francisco (セントフランシス・ホテル内)
電場番号  (415) 397.9222
ウエブサイト  http://www.michaelmina.net
営業時間  毎日午後5時半〜午後10時。日は午後9時半まで。
メモ  予約はかなり前広にしておく必要あり。

                                                                                                                                                                             (2005年6月現在)
                      
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