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GARY DANKO ゲアリー・ダンコ
サンフランシスコの有名・人気・高級レストラン
を5つ挙げよ、と、食べ歩き好きの人たちに
聞いたら、おそらく100%、この店の名前が
出てくるはずです。
3つに絞っても、80%ほどは出てくるのでは
ないかと思われます。
ニューヨークに並ぶレストラン激戦区サンフランシスコにあって、1999年のオープン以来、
その評判を落とすことなく、未だに予約殺到の人気レストランとして君臨しています。
落ち着いた大人の雰囲気、流れるサービス、質の高いワイン・リスト、群を抜いたチーズ・セレクション、
どれを思い起こしても、「ここ一番!」という時のレストランとして間違いがありません。
店の名前は、ここのオーナー・シェフ、Gary
Danko氏のお名前そのもの。
1999年に、彼がご自身の名前を冠した当レストランを開けた時、食べ歩き好きの人たちは誰もが、
「とうとう(やっと)、やったか!」という思いを抱きました。
【ゲアリー・ダンコ氏】
東海岸出身のダンコ氏が、サンフランシスコ・
ベイエリアでその名を知られるようになったのは、
ナパのベリンジャー・ヴィンヤーズでのお抱え
シェフを勤めたあと、同ヴィンヤーズが買った
ソノマの「シャトー・スーヴェライン」
(Chateau
Souverain)で、エグゼクティブ・
シェフの職についた頃です。(1989年頃)
将来有望な新人シェフとして、ぼちぼち上昇気流
に乗りかかっていたダンコ氏の知名度が
決定的なものになったのは、リッツ・カールトン・サンフランシスコ・ホテル内、
「The
Dining Room」のシェフになった頃でした。
この当時、彼はフード・ネットワークや、地元放送局でテレビ番組を持っていましたし、
積極的にクッキング・スクールを開催しており、まさに八面六臂の活動ぶりでした。
1996年、ダンコ氏は突然(・・と外部の者には写りました)リッツ・カールトンを辞め、
しばらく料理本作りや、料理クラス開催を手がけたり、サンマテオのレストラン「ヴィオニエ」
(Viognier)のプロデュースをしたりしておられました。
そして、1999年春、老舗フレンチ「シェ・ミッシェル」のオーナーから店舗オファーを受け、
その年の暮れ間近に、晴れて堂々「ゲアリー・ダンコ」が誕生したのでした。
99年のオープンから、もう5年半がたちました。ここ2年ほどご無沙汰しておりましたので、
久しぶりに訪れてみました。
ドアを開けると、目の前に、ウエイティングを
兼ねたバー・カウンター、向かって右と左に
それぞれダイニング・ルームがあります。
右側のスペースは、奥の壁に鏡がはめこまれ
ていて、さほど広くない店内に広がりを
持たせています。
ちょっと残念だったのは、店内のあちこちを飾る生花アレンジメント。
ひとつのスペースに、大きな花瓶が3〜4個
並び、何種類もの花がこれでもか〜!という
くらい存在をアピールしているのです。
これが、店内に何箇所も・・・。
以前は、大きな大きな花瓶1つに、エレガントに
美しく花がアレンジされてた記憶があったの
ですが、フラワー・コーディネータが変わったの
でしょうか。
レセプションの方以外は、この日のスタッフは
すべて男性。アルマーニ・タイプのスーツを
バシっと着こなしたナイス・ガイばかり。
高圧的ではなくフレンドリー、慇懃無礼ではなくナチュラル、
「特別なディナーのひととき」をエンジョイしてもらおうというホスピタリティ精神が溢れている、
サービス業のお手本のような方々でした。
【テイスティング・メニューと、コース・メニュー】
さあ、お食事です。
メニューは、「季節のテイスティング・メニュー」と、アラカルト。
テイスティング・メニューは、デザートを含む5ディッシュほどで、79ドル。
アラカルトは、3コースが59ドル、4コースが69ドル、5コースが79ドルで、
アペタイザー、魚&シーフード、お肉・鳥獣、チーズ、デザートという各メニューから
好きに選びます。
好きに選ぶわけですから、どういう選び方をしようと、
恥ずかしいとか笑われるといったことは
ありません。
この日は、スポンサーがいましたので(つまり
自腹じゃない)、私は5コースにし、
アペタイザーから3品、お肉・鳥獣から1品、
そしてチーズ、という組み合わせにしました。
乾杯を含む最初のワインは、昨年からハマって
いるGrüner
Veltlinerで、オーストリアの
Zull, Weinviertl, Ödfeld2002を選択。
リストにあったグリューナー・フェルトリナーの中
で、中間を行く値段だったというだけで選んだのですが、
ワイン担当の男性が素敵な笑顔で「エクセレント・チョイス、マダム」と言ってくださったことに、
単純に喜んでおりました。(「マダム」ですよ、「マダ〜ム」)
Risotto
with Lobster, Rock Shrimp,
Roasted porcinis, Tomato,
Fennel and Tomato Oil
想像していたより濃厚なGruVが、アミューズ・
ブシェ、そして私の最初のこのディッシュ、
リゾットとぴったり合いました。
アペタイザーにして、いきなり結構な量で、
「ああ、欲張らずに、やっぱり4コースにしておけ
ば良かったかな」という考えが、
既にこの段階で頭をよぎりました。
器が、手前に向かって下がっているという洒落たデザインで、
もちろん器そのものも温めてあります。
ロブスター、ポルチーニの濃厚さを、フェンネルとトマト・オイルの酸味・苦味で中和して
いて、リゾット好きにはたまらない一品でございました。
Seared
Ahi Tuna with Avocado,
Nori, Enoki Mushrooms
and Lemon Soy Dressing
アヒ・ツナのたたきにアボカド、そしてそれに
「和」のテイストとして、えのき茸などを加える
のは、今や頻繁に見かけるパターンですが、
「ゲアリー・ダンコ」では、これをこんなふうな
愉快な盛り付けにしています。
トップに乗っている海苔を、蝶の羽に見立てて
いるのです。
半分まだ乾いている海苔が、ひらひらして、
本当に羽を動かす蝶がそこにいるかのようでした。
ごま油を醤油に混ぜて、ドレッシングにしている店が多い中、ゲアリー・ダンコは、
醤油にレモンをたっぷり絞っています。絶妙なコンビネーション。
Soft Shell Crab with
Tomatoes
Capers, Basil and Pancetta
「SUSHI」と書く、日本のお寿司屋さんとは
まったく趣を違えるスシ・レストランで、
「スパイダー・ロール」と言えば、ソフトシェル・
クラブの揚げたものを巻いた一品。
どちらかというと、B級グルメ御用達の食材、
ソフトシェル・クラブがどう変身するのか、とても興味がありました。
クラブは揚げておらず、さっとゆがいてあるだけ。これにダイス切りされたトマトが添えられ、
バジルとケッパーのソースが敷かれてあります。
パンチェッタを、ソフトシェル・クラブと同じような形にして盛り付けるという、
これまた「なるほど〜」と思わせるプレゼンテーション。 素晴らしい。
1本目のワインは、セコンド・コースあたりでなく
なったので、2本目の赤に移ります。
アペタイザー3品をシーフード絡みにしたのと、
お魚をメイン・ディッシュに頼んでいた同席者も
おられたので、カリフォルニアかオレゴンの
ピノ・ノワールが良いなあ・・と思いながら、
リストを注視。
どれも間違いのないピノ・ノワールばかりなの
ですが、値段が結構よろしく、どうも「もったい
ない」という気持ちが出てきてしまいます。
同席のスポンサーさんは、「ど〜んと行きましょう」とおっしゃっているし、こういう時は
値段の比較ができない稀少ワインを選んだ方が良いのだ、と勝手に判断を下しました。
Marcassin, Sonoma Coast Marcassin Vineyard 2000
で、こ〜んなワインを選んでしまいました。
自腹では、とてもとても選べないワインです。
最初の白ワインを注文した直後に、これを選び、
開栓しておいてもらったのですが、
本当に本当に、この香りの素晴らしいこと!
思い焦がれていた男性が、バラの花束を抱えて
目の前に立ったような、そんなドキドキする
ような香りをもつワインです。
香りだけで良い、飲まなくてもいい、と
思ってしまうほど、それはそれは非常に
エレガントな深いアロマでした。
もちろん、飲まないままでいるわけありませんので、一口一口、じっくり味わいました。
ソノマ・コースト独特のearthyな風味が、これほど大人っぽく、深みのあるものに感じ
られるとは、評判の高いワインは、やはり本当に素晴らしいと、改めて実感させられました。
テーブルに並んだ、ロースト・クエイル(うずら)、スクアブ(ひな鶏)、ラムのいづれとも
相性よろしく、それでも、ワインの気高さがず〜〜っと上を行っていたという印象でした。
メインディッシュ一皿が、20ドル台後半から30ドル台という高級レストランが、当たり前になりつつ
ある今、このクオリティ、選択肢の豊富さで、このお値段というのは、とてもリーズナブルに
感じます。
1年に一度は必ず訪れておきたい、そういうレストランです。
ゲアリー・ダンコ |
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住所 | 800 North Point at Hyde, San Francisco |
電話番号 | (415) 749.2060 |
ウエブサイト | www.garydanko.com |
営業時間 | 毎日午後5時半〜10時 |
メモ | ★ドレスコード:「エレガント」となっています。 ★女性には、可愛らしくラッピングされた パウンド・ケーキ(またはマフィン)が お土産に渡されます。 このケーキも美味しいですが、 食事の最後に出てくるスイーツも かなり美味しいです。 ★Valet
Parkingは10ドル。精算をしている間に伝達が行きます |
(2005年7月現在)
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