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                       レヴェリー   Reverie on Diamond Mountain

【ダイアモンド・マウンテン】                                                               画像をクリックして、ご覧下さい。

ナパ・ヴァレーは、西のマヤカマス山脈と、東のヴァカ山脈に挟まれた南北に長い盆地・渓谷です。
パっと見には、いづれもひとつの山の連なりであり、谷の連なりなのですが、これがいくつもの区域に分けられて、
それぞれが独立したAVA名(American Viticultural Areas=政府公認ぶどう栽培地域)を持っています。

西のマヤカマス山脈だけでも、南から、「マウント・ヴィーダー」(Mt.Veeder)、「スプリング・マウンテン」、
「ダイアモンド・マウンテン」と、3つのAVAがあり、微妙に土壌及び気候が違っていて、そこから生まれるワインも
明らかな違いを見せています。

今回ご紹介するのは、そのマヤカマス山脈の北方「ダイアモンド・マウンテン」にある、「Reverie」という
ワイナリーです。
ロバート・パーカーJR氏の「Wine Advocate」カリフォルニア・ワイン特集号に掲載されたのを見て、
一度訪れてみたいと前から思っていました。最近になって、ようやくアポイント制でツアー&テイスティングを受け入れるようになり、
念願かなっての訪問となりました。

【急斜面のぶどう畑】

幹線道路ハイウエイ29号線を北上、セント・ヘレナの街を抜けて、もうすぐカリストガの街に入る、その直前、
その名も「ダイアモンド・マウンテン・ロード」という細い道が出てきます。
くにゃくにゃ道を山の中に入っていきますと、そこにレヴェリーがあります。
Von Strasser」ワイナリーと同じ入り口なので、ちょっと戸惑いますが、レヴェリーは、更に中へ中へと入って
いった所。

可愛らしい木造のオフィスの裏はすぐにぶどう畑で、かなりの傾斜を持って上まで伸びています。
出迎えてくださったのは、マーケティング担当のショーン・マクドナルド氏。
ハイテク業界でベンチャー企業のCEOをやっていたというショーンは、ワインの魅力・磁力に引き寄せられ、
こちらの業界に転身したとのこと。

【ユニークなツアー】

早速、ツアーが始まります。ここは、ツアーをしてからテイスティング(或いはその逆)といった通常のパターンを取らず
敷地内を見て周りながら、ポイント、ポイントで各種ワインをテイストするというやり方をしています。

まず、発酵タンクが並んでいる場所に行き、醸造法の概略説明を受けながら、最初のワインを試飲。
レヴェリーのセカンド・ラベルである「Daydream」です。

2003 Daydream Napa Valley ソーヴィニョン・ブラン
2003 Daydream Napa Valley シャルドネ

朝の一杯というのは、何故にこうも美味しいのでしょうか(笑)。口に含みながら、うふふふふと笑いが出てしまいます。
ソーヴィニョン・ブランは、ステンレス・スティール・タンクで発酵させ、マロラクティック発酵をさせないでボトリングされた、
実にすっきり爽やか、ふるふるなフルーティ。
これからの季節、野外でバーベキューをする時、最初のワインにしたいです。

【ケーヴでひんやり】

次に、ケーヴの中に入り、素敵にセッティングされたテーブルで、赤の2種をテイスティング。

2000 A.S.Kiken レッド・テーブル・ワイン
2001 Reverie バーベラ

Kikenというのは、レヴェリーのオーナー一家のラストネームです。
この「A.S.Kiken」ラベルと「レヴェリー」ラベルのワインは、全て自家農園の葡萄で造られています。
レッド・テーブル・ワインは、ボルドー品種のブレンドで、チョコレートとフローラルな香りが特徴的な、
飲みやすいワイン。ミール・フレンドリー。

バーベラは、カリフォルニアではヴァラエタル・ワインになっているのが珍しい品種ですが、
レヴェリーのヴィンヤードには、テンプラニーヨ、マルベック、グルナーシュ、ルーサンヌといった、
このあたりでは珍しい品種が少量、栽培されており、その中から、バーベラ、ルーサンヌが不定期に
造られています。
ケーヴの中がひんやりして、その中に置かれていたワインも、少々冷えすぎていたためか、このバーベラは、
なかなか香りが立ってきませんでした。上のレッド・テーブル・ワインは、ふわ〜〜っと香りが立ってきたのに・・・。

ここでのテイスティングは、座って行われたのですが、テイスティング・ノートが置かれていて親切。

【どこからワインが出てくる?】

さて次は、再び外に出て、きれいにガーデニングされた庭に向かっていきます。
と、砂利道わきの石の影から、ショーンがワインをひょいと取り出しました。
生い茂る葉をつけた木陰の、そのまた石のうしろですから、今の時期、赤ワインには丁度良い温度を持つ場所です。
なかなか憎い演出。

2001 Reverie カベルネ・フラン

カベルネ・フランを単一品種で出しているワイナリーは、さほど数多くありませんが、例えば「Lang & Reed」とか、
お隣の山スプリング・マウンテンの「Pride」、「Crocker & Starr」あたりのカベルネ・フランは、個人的に大好きです。
レヴェリーのカベルネ・フランは、どっしりとした、ロマンスグレーの渋み走った紳士といった感じのワインですが、
10%のメルローがほんのり柔らかさを加えているのでしょう、素敵にバランス良いカベルネ・フランでした。

ツアーは、更に庭の奥へと進み、背の高いレッドウッドが並ぶ、ちょっとした広場に出ます。
木々の上の方からチラチラとこぼれる太陽の光、そして緑の新鮮なアロマ。深呼吸、必須。
大変気持ちが良いです。
ちょこんとしつらえられた木のカウンターに、ワインが置いてありました。

2001 Reverie カベルネ・ソーヴィニョン( 12% Merlot, 5% Petit Verdot)

緑の中で頂くカベルネは実に清々しく、本当はかなりドシンと来るはずのワインさえ、するすると飲めてしまいます。
この2001年カベルネは、これもダーク・チョコレートの香り、何やらわからないけどハーヴの香りがじわじわ立ち上ってくる、
キリっとしたワインでした。今すぐではなく、しばらく寝かせておいて、じっくり飲みたいと思いました。

【さすがダイアモンド・マウンテンのワイン】

さあ、ツアーも終盤。最後は、ピクニックでもできてしまいそうな木のテーブルを囲んで、スペシャル・リザーヴの
テイスティングです。ラベルも、他のものとは違って格調高め。

2000 Reverie Special Reserve (90% CS,  6% Petit Verdot, 4% Merlot)
2001 Reverie Special Reserve (85% CS, 10% Petit Verdot, 5% Merlot)

やはり、スペシャル・リザーヴというだけあって、ぐんと中身が引き締まって感じました。
ちょっとピンボケだったのが、焦点ばっちり合いました!という感じです。
2001年は、かなりのタンニン度で、うしろから頭をゴーンと殴られたような感じ。
マウンテン・カベルネの名にふさわしい重厚さです。
「これこそ、ダイアモンド・マウンテンのワイン」と呼べるのではないでしょうか。個性があります。

2000年のスペシャル・リザーヴ、これを私は大いに気に入ってしまいました。
きっと、リリース直後に頂いていたら、2001年もののように、ガーンと来るだけで恐れおののいていたと思いますが、
時を経て、良い感じにこなれてきて、アプローチしやすいワインになっています。
これも、チョコレートの香りがして、こなれたタンニンのおかげで、ちょっと溶けだしたチョコレートといった感じの甘みが
感じられ、実に実に、今飲み頃の良質ワイン。これで、55ドルはかなりお買い得じゃないかと思いました。

案内役のショーンはワインの知識充分。マウンテン・サイドのワインをもっと普及させようと、
近隣ワイナリーとの定期的ミーティングをセットしたり、と、活動の場を広げていっています。
他のワイナリーのワインも、ちゃんとたくさん飲んでいるようで、お互いに知っているワインとの比較が楽しめて、
会話も弾みます。

マウンテン・カベルネに興味のある方、カベルネ・フランのお好きな方には、特に訪れて頂きたいワイナリーです。

 

      

レヴェリー
Reverie on Diamond Mountain

住所  1520 Diamond Mountain Road, Calistoga
電話番号  (707) 942.6800
ウエブサイト  www.reveriewine.com
訪問  
 事前アポイント要。ツアー&テイスティングは無料。
 ただし、10名以上の場合は、セットアップ代が必要になる可能性あり。
 

                                                                                       (2005年4月現在)  
        
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