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Wineries in Lake County   レイク・カウンティのワイナリー

カリフォルニア・ワインの生産地として、ナパ・カウンティやソノマ・カウンティは既にその知名度も高く、
それに比例するように、土地代、ヴィンヤード代も非常に高い。当然、そこから収穫される葡萄のお値段も高い。
お手頃料金のワインをラインアップに加えたい大手ワイナリーは、従って常に「次のヴィンヤード」を探しています。

その「次のヴィンヤード」として注目を集めたのが、「レイク・カウンティ」です。
ナパ・ヴァレーを南北に走るハイウエイ29号線、これはカリストガの街を横断して更に北上しますが、
そのままその29号線を北へ北へと走り続けると、「クリア・レイク」(Clear lake)に出ます。
カリストガからだと、約30分ほどです。

クリア・レイクは、北カリフォルニアで一番古い湖と言われている、自然湖です。平均水温が摂氏17度前後(夏になると
27度前後)と温かめなので、水泳、水遊び、ボート乗りに最適、そして釣り客にとっては絶好のポイントとなり、6月から8月に
かけてのサマー・シーズンは、たくさんの人で賑わいます。

シーズン中は、さほど広くない道路に車がいっぱいという状態が予想されたので避け、学校も始まった9月の
とある平日、1泊して、このエリアを訪ねてみました。

ワイン造りに関して言えば、禁酒法以前のレイク・カウンティは、ナパ・ヴァレーよりもたくさんの葡萄が栽培
されていたそうです。禁酒法が定められ、それが解かれたあと1930年代からつい最近まで、このあたりは
ウオルナッツや梨が主要生産物となっていました。
そして、1990年代に入って、ナパやソノマにおける土地及びフルーツの値段が高騰するに至り、
多くのワインメーカー、ワイナリーがレイク・カウンティに目を向け始めたのです。梨の木が葡萄畑に変わり、
マンザニタの木で覆われていた多くのワイルド・ランドがヴィンヤードに変わっていったのです。

それら葡萄の多くは、大手ワイナリー(例えばケンドール・ジャクソン、モンダヴィ、ベリンジャー)が押さえ、
「カリフォルニア」という生産地呼称のもと、安いラインのブレンドに使われてきました。
が、ここ数年、レイクカウンティを拠点とするワインメーカー、ヴィンヤード・マネージャーらが、自分たちの
フルーツの良さを改めて見直しにかかり、ブレンド安ワイン用フルーツの生産地としてではない、独立した、
個性のあるワイン造りをするようになってきました。

現在、レイク・カウンティには、テイスティング・ルームをオープンさせているワイナリーが11軒あります。
今回は、そのうち、アポイントなしで訪問できるワイナリー4軒を訪ねました。

               

Guenoc & Langtry Estate
www.guenoc.com
www.langtryestate.com

 
 ゲノックと言えば、女性の横顔が真ん中にあるラベルを思い浮かべるの
 ですが、時代は変化 し続けており、今は「Guenoc」名だけが目立つ
 シンプルなものになっています。更に、この「ゲノック」という名称も、
 政府公認ぶどう栽培地域(AVA)の「Guenoc Valley」と混乱を招く
 という理由で、近々「Langtry」に全面変更されることになっています。
 既に、スーヴェニョン・ブランの収穫が終わったのですが、この収穫時期の
 真っ最中に、今まで関わってきたワインメーキングVP,アシスタント・ワイン
 メーカー、そしてワイナリーの社長が用なしとされ、ごたついております。
 まあ、そういうことは裏のお話でやっておいていただくとして、ワイナリー
 そのものは、クリア・レイクの南、ナパ・カウンティ境界線の近く、まわりに
 な〜〜〜んにもない所にで〜んと存在しています。
 細長い建物と平行してしつらえられた藤棚とベンチが美しく、藤の満開時には、
 さぞや美しかろうと思わされます。
 上記のようなゴタゴタにも関わらず、テイスティング・ルームのスタッフはフレンドリーかつ
 ワインに関する知識も豊富、レイク・カウンティ全般についてもよくご存じの、ナイスな男性でした。
 
Shannon Ridge
www.shannonridge.com

 
 レイク・カウンティの「今」を語るにあたり、当ワイナリーのオーナー
  Clay Shannon
氏の名前を避けて通ることはできないかと思います。
 1980年代から、レイク・カウンティの将来性に目をつけ、所有の土地を
  ジワジワと広げてきた彼は、つい最近、満場一致で「レイク・カウンティ・
 ワイングレープ・コミッション」のチェアマンに選出されました。
 シャノン・リッジ・ワイナリーそのものは、2001年に立ち上げられ、
  初リリースが2004年。 まだまだこれから、のワイナリーです。
 クリア・レイクの右岸を走ると、丘の上の方に広がるヴィンヤードが見えますが、
  それらの一部が彼らの所有畑で、その急斜面と土の様子が一見してユニーク。
 白ワイン品種の収穫期に入っていたので遠慮したのですが、次回は是非、
   ヴィンヤード・ツアーを申し込みたいものです。
 ラベルもシンプル、かつ今風。しかもまだ安い。ここは要・注目だと感じました。
 
 

Ceàgo Del Lago
www.ceago.com


 

 
 「
Ceàgo」とは、「grass seed valley」という意味のポモ・インディアンの
 言葉から来ているそうです。日本でもお馴染み「
Fetzer」(フェッツァー)
 ワイナリーを1992年に売却したあと、ジム・フェッツアー氏が興したのが、
 この「シアーゴ」です。
 シアーゴが所有するヴィンヤードは、「
Demeter」公認のオーガニック&
 バイオダイナミック(日本ではビオデナミですか)。
 2001年、クリアレイクの北東岸に270エーカーの土地をフェッツアー氏が購入、
 この地にそれはそれはゴージャスなエステートを造り上げました。
 湖に向かって広がるガーデン、広々としたパティオ、ゆったりしたテイスティング・
 ルーム、どれを取ってもレイク・カウンティ内で最も「訪問すべき」ワイナリーとなる
 資格充分。
 近い将来、この建物の一部が宿泊施設としても公開される予定だとかで、
 レイク・カウンティのワイナリーにもっと人を呼ぶために、ここが果たす責任は重大。
 9月中旬だというのに、訪れた日はかなり気温が上がり、暑くて燃え上がりそう
 だったので、すぐにテイスティング・ルームに移動しましたが、気温がマイルドなら、
 パティオに座って、のんびりゆったりワイン・テイスティングをしていたかったです。
 
Tulip Hill Winery
www.tuliphillwinery.com

 
 もと、ミネラル・ウオーターのボトリング工場だった建物をワイナリーに仕立てた
 お花が咲き乱れる敷地。
 当ワイナリーが所有するヴィンヤードは、ナパ・ヴァレーの北東「
Pope Valley
 とセントラル・ヴァレーの「
Mt.Oso」にあり、レイク・カウンティ産のワインは
 すべて他ヴィンヤードから購入しています。
 家族経営=小規模の現状をそのまま表すテイスティング・ルームは、
 小さいながらも大変コージー。
 ここでのサプライズは、生産量たったの98ケースというカベルネ・ソーヴィニョン
 ポートでした。いちじくと、ナッツの風味たっぷり、デザート・ワインも大好きな
 私には買わずにいられない1本。
 

        

ナパ・ヴァレーから、ほんの40分ほど離れているだけなのに、ワイナリー巡りのデスティネーションとして、レイク・カウンティは
まだ発展途上です。つまり、このあたりの「best kept secret」と言うことができます。
ワイン・テイスティングは、どこも無料ではありませんが、数種類で5ドル〜10ドル、シェア可能ですから、許容範囲でしょう。

いろいろテイスティングしましたが、私個人的には、プティ・シラーやグルナッシュといった、マイナーな品種がイケると感じました。
実際に買ったのは以下です。

Shannon Ridge,  ヴィオニエ、ノースコースト05      $18
Shannon Ridge, プティ・シラー、レイク・カウンティ02  $27
Guenoc,     シャルドネ、レイクカウンティ05     $12.99
Guenoc,     モスカート、レイクカウンティ05           $11.99
Ceago,      ワインメーカーズ・ブレンド00      $40.00
Tulip Hills,    カベルネ・ソーヴィニョン・ポート01   $30.00

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