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Clark-Claudon Vineyards     クラーク・クロドン・ヴィンヤーズ

ファミリー・ビジネス】        

ナパ・ヴァレー及び、北カリフォルニアのワインカントリーには、何百というワイナリーが存在しますが、一代で終わって
しまうワイナリーが少なくありません。夢・野望を抱いて、ワイン造りを始め、それなりの名声を得たとしても、それを
引き継ぐ人がいなければ、別ワイナリーか大手酒販会社に売却してしまわなければならなくなります。

高品質のワインを造り続けることと、それで経済的に採算が取れるようであり続けることの両立は、結構大変なことで
あります。先代が、努力の甲斐あって、高い名声を得たとしたら、それを引き継ぐ人は、その評判を決して落としては
ならないという重圧を常に背負っていかなければならないわけで、これはこれでまた、大変なこと。

そんな中にあって、次世代がワイン造り・ヴィンヤード経営に興味を持ち、将来引き継ぐことを前提に、親御さんと
一緒になって働いているファミリーというのは、貴重な存在であると言えるでしょう。
メジャーどころで言えば、当サイトでもご紹介した「ピゾーニ」がそうであり、そしてナパ・ヴァレーでは、ここ「クラーク・クロドン」が
好例になるかと思われます。

カベルネ・ソーヴィニョン主体】        

当ブランドから出されているワインは、現在、カベルネ・ソーヴィニョンと、ソーヴィニョン・ブランの2種類のみです。

ソーヴィニョン・ブランは、2年前デビューしたもので、「
Wild Iris」という名前がつけられています。フルーツは、
トニー・クラーク&ローリー・クロドン夫妻の息子さん、ジョシュア・クラーク氏が経営する「
Clark Vineyard Management」社が手がけているヴィンヤード、Aetna Springs Resort Vineyard、Lam-Bentz Vineyardから
来ています。
ワイルド・アイリスをモチーフにしたラベルが大変美しく、その味わいも、ラベルと同様の「気品」が感じられます。
洗練されたソーヴィニョン・ブランと言えば良いのでしょうか。心が洗われるような、きれいなワインです。

そして、クラーク・クロドンの主体は、カベルネ・ソーヴィニョン。
100%カベルネ・ソーヴィニョンで、100%彼らのエステート・ヴィンヤードからのフルーツで造られています。以前、ハーベスト・パーティ紹介記事の中で、ヴィンヤードのロットについてチラっと書きましたが、今も5つのロットがあり、各ロットのフルーツを別々に発酵させ、約24ヶ月の樽熟成の期間中に、ブレンド率が決められます。
ロット番号は、イコール、収穫時期の順番になっており、すなわち「ロット1」から収穫が始まります。
ヴィンヤードは、ハウエル・マウンテンの近く、
Angwinという街の奥の方にあり、かなりの急傾斜を持っています。で、ロット1は、その丘の一番上に位置しており、朝夕の霧が上まで上がってこないため、午前中たっぷりの太陽光線を浴びるわけで、成熟速度も、丘の下の方(霧がかかる)よりも随分と早いのです。

まだまだ続く道

葡萄そのものは、エステートのヴィンヤードから獲られていますが、ワイン造りはオークヴィルの「Miner Family
で行われています。今まで、
Gary Brookman氏がワインメーカーをされていましたが、Minerのワインメーカーでも
あり、
CarverSutro、Grace Familyのワインメーカーでもある彼は、03ヴィンテージからご自分のワイン「Brookman」を出されるに至り、当然ながら多忙を極めることとなり、なかなか連絡を取るのも難しい状態になって
きていました。
そして、クラーク・クロドンは昨年から、ゲアリーさんをコンサルタントとして確保しておく一方、新しく
Douglas Danialak氏を
ワインメーカーに迎えたのであります。

ワインメーカーを新しい人にするのと、ほぼ時期を同じくして、ヴィンヤード自体も新たな試みがなされようとしています。
まず、この冬の間に、敷地内の2エーカーほどを使って、カベルネ・フランとプティ・ヴェルドーを栽培する予定。どのような品質のフルーツができあがるかわかりませんので、エクストラ・エッセンスとしてカベルネ・ソーヴィニョン主体ワインにブレンドされることになるか、それとも丸ごと、他ワイナリーに売ることになるかは現段階では言及できません。

そして、もうひとつの試みは、クローン。今までエステート・ヴィンヤードでは、全て同じクローンによるフルーツを栽培してきましたが、(ルートストックは3種)、この冬から、数種違うクローンを接木する予定とのこと。
この土地に最初の木が植えられたのが1990年ですので、18年目のアップデートということになります。

バレル・テイスティング

アップデートはヴィンヤードやワインだけではありません。
今までは、トレード、メディアの方たちのみにテイスティングを提供してこられましたが、昨年あたりから一般ワイン
愛好家へも、テイスティングを開放されています。

アポイントメントを取った時間に、Miner Familyワイナリーへ行くと、セラー・ケーヴに案内されます。
クラーク・クロドン用のスペースがケーブの中にあり、そこで、ロット別のバレル・テイスティングと、ボトルからのテイス
ティング(カベルネ・ソーヴィニョン)が提供されます。
ワインメーカーと直接の知り合いであるとか、樽試飲をメインとするイベントであるとかでないと、バレル・テイスティング
というのは、なかなか体験しにくいことなのですが、クラーク・クロドンは、それをディフォルトで提供してくださいます。

今回訪れた時にテイスティングしたのは、
@06ヴィンテージ、ロット1,3,4のブレンド済みのもの
A06ヴィンテージ、ロット2
B06ヴィンテージ、ロット5
C2004 カベルネ・ソーヴィニョン
でした。

@も、なかなか味わい深かったのですが、Aロット2が大層エレガントで、滑らかで、ふわ〜んとなる感じの素晴らしい
ものでした。これらが、最終的にどのような比率でブレンドされて、ボトルになるのか、とても楽しみです。

04年カベルネ・ソーヴィニョンは、家のクロゼット・セラーに2本ありますが、まだ頂いていなかったので、
試飲できたことはありがたかった。
クラーク・クロドンのカベルネは、一にバランス、二にバランス、三にバランス、四にバランス。
とにかく、全体のプロポーションが美しいカベルネです。どっしり、重みのあるフルボディが好みの方には、もしかしたら
頼りなく感じるカベルネかもしれませんが、一緒に頂く食事の邪魔をしない、エレガントな優しいカベルネがお好きな
方には、とっておきのお薦めです。

今回案内をしてくださったローリー・クロドンさんは、お孫さんがいるとは思えないくらい若々しい、チャーミングな、そしてワインと同じように気品ある女性です。謙虚で、自分以外の人への「思いやり」に溢れた素敵な方。
テイスティング・アポは、彼女と取るのがベストかと思います。

       

クラーク・クロドン・ヴィンヤーズ
Clark-Claudon Vineyards

住所  P.O.Box 15, St.Helena,
電話番号  (707) 965-9393
ウエブサイト  www.clarkclaudon.com
訪問  
 事前アポイントメント要。平日に限ります。
 (約2週間前までの手配が好ましい)

 バレル・テイスティングと、現在リリースのボトルからのテイスティング、おひとり20ドル。
 ワイン購入で、テイスティング代は相殺。

 註)ただし、その場でのワイン受け渡しは、ライセンス上不可なので、後日発送ということになります。
    あらかじめ、購入本数が決まっていて、クレジットカード清算を済ませておけば、その場での
    引き渡しが可能。
 
メモ  
 現在の生産量は、カベルネ・ソーヴィニョンが1400ケース(04年ヴィンテージ75ドル)
 ソーヴィニョン・ブランが450ケース(06年ヴィンテージ26ドル)のみ。
 そして今年2月末に、セカンド・ラベル「3Stones」がリリースされます。(323ケース)
 ワイナリー価格49ドルの予定。
 

                                                              (2008年1月現在)

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