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2006年11月15日

当サイトの「フード&レストラン」や、「あれこれ。テイスティング・イベント編」で度々紹介している、ウオルナッツ・
クリークの「プリマ・リストランテ」。
面白そうなテイスティング&ディナー・イベントがないか、時折、当レストラン&ワインショップのウエブサイトを
チェックするのですが、1ヶ月ほど前に見つけたのが、「Women of Wine Dinner」というイベント。

今年が第二回目になるそうですが、女性ワインメーカーによるワインばかりをフィーチャーします。
もちろん、そのワインメーカーさんご自身達も来られます。
当日まで、どなたが来られるのか、どのワインが飲めるのかは公にされません。

午後6時半からレセプション、7時からディナー。毎回のことながら、今回も満員御礼。キャンセル待ちまで出たそうです。
今年は、マイクロフォンを使って、カクテル・バーからジョンが開会のスピーチ、6名の女性ワインメーカーさんを紹介。

各テーブルには、ワインメーカー6名の各プロフィールをまとめた冊子、今日のコース・メニュー、テイスティング・メモ用の用紙、
ボトル料金表が置かれています。

前回の「ピノ・ノワール・サミット」では、7種のピノがずら〜っとテーブルに一同に並ぶセッティングでしたが、
今回は、食べ物のコースに合わせて、1〜3種類ずつ出されました。

以下、コース・メニューと、それに合わせて出されたワインのリストです。

オードブル:   ピッツア、サラミのルッコラ巻き、クロスティーニなど。
ワイン:       2002 Domaine Dujac Morey St. Denis
                       2003 La Sirena Moscato Azul

アンティパスト: エビとフリッセ、ゴート・チーズ、グリーン・アップル、トースト・アーモンドのサラダ
ワイン:      2005 Spottswoode Sauvignon Blanc

プリモ:      シャンテレール・マッシュルームとセントラル・ヴァレー産パートリッジ(ウズラ)のリゾット
ワイン:      2003 Turjanis Pinot Noir, Steiner Vineyard
                       2003 Lagier Meredith Syrah, Mt.Veeder
                       2004 Snowden Cabernet Sauvignon, Lost Vineyard

セコンド:     ラムのオッソ・ブッコ、ロースト・バターナット・スクアッシュ、パールオニオン、セルリアック
ワイン:      2002 Dyer Cabernet Sauvignon
                        2003 Spottswoode Cabernet Sauvignon
                        2003 La Sirena Cabernet Sauvignon
                        2004 Amuse Bouche

ドルチェ:     チョコレートと栗のトルタ
         
2003 Cloud View Red Wine, Pritchard Hill
                        2005 Snowden Cabernet Sauvignon, (バレル・サンプル)

このワインのラインアップの素晴らしさ、どうでしょう。

Lagier Meredithのシラーは、メーリング・リストに入っていて毎年ちゃんと購入しているのでお馴染み。
この日もご夫婦で来られていて挨拶もさせて頂きました。
ドクター・キャロル・メレディスに面と向かってお会いするのは、これで2回目だったのですが、前の時のことを覚えて
くださっていて、私がクリスマスに送ったフォト・カードのことも覚えていてくださいました。

Spottswoodsのカベルネは、ワインを真剣に(?)飲むようになって初めて、「とっても美味しい」と感激した「高い」カリフォルニア・
ワインという思い出があります。何年前のことだったのか、もう覚えていませんが。
スポッツウッドのソーヴィニョン・ブランは、同じく女性ワインメーカーのミア・クラインさんが造る「Selene」のソーヴィニョン・ブラン、
メリー・エドワードさんが造る「Mary Edwards」のソーヴィニョン・ブランと合わせて、私にとって、「三大『間違いない』
ソーヴィニョン・ブラン」です。
現在のワインメーカー、Jennifer Williamsさんは、まだ20歳代のはず。若くて、とってもチャーミングな女性です。
Rosemary Cakebreadさんはコンサルティング・ワインメーカー。

Turjanisのワインは、初めて目にするもので、ソノマ・マウンテンにあるヴィンヤードからの
ピノ・ノワールというのも私にとっては初体験でした。森の中、きのこを彷彿させられる香り、
ノド越しの滑らかな、大変柔らかいピノ・ノワールでした。
ワインメーカーのKaren Bower Turjanisさんは、小さなお子様二人を持つお母さんでもあり、
ご自分のラベルのほか、プリチャード・ヒルの新進ワイナリー「Cloud View」のワインメーカーもして
おられます。
食事の時、私達のテーブルにカレンさんが着席されたので、いろいろお話をすることができました。
初めてお会いしたと思っていたのですが、クラウド・ビューの話になって、お互いに「ちょっと待って。以前にどこかで
会ってるわね、私達」ということになりました。
そうです、2004年のファミリー・ワインメーカーズ・オブ・カリフォルニアのテイスティング・イベントで、お会いしていました。
当サイトでも、ちゃんとそう書いてあります(笑)

La Sirenaのカベルネは、今まで、その良さというか、際立つ何かが一体何なのかがわかりませんでした。
しかも結構なお値段なので($125)、テイスティング・イベントなどでテイストするだけで、実際に購入した
ことは過去に1度しかありません。
今回、上記のように、錚々たるカベルネが並ぶ中、食事といっしょにテイスティングしてみると、
La Sirena
の独特さがわかったような気がしました。これだけ、他とはまったく違う香りの要素があったのです。
他と違うだけに、それが好き嫌いの分かれ道にもなっているように思えました。

ハイジ・バレットさんと直接お話をしたのは初めてでしたが、Laird Family Estateのカスタム・クラッシュ施設で
彼女がワインメーカーとして関わっている日本人オーナーのワインについて、ちょっと内容を聞いてみました。
まだ、ブランド名が決まっていないので、ここではファースト・ネームのイニシャル「K」としか書けないのですが、
ワインメーカーとして引き手あまたの中、何故、Kさんのワイン造りに参画することにしたのかとお聞きしたところ、
そのKさんが数年前に購入したヴィンヤードが素晴らしいものだから、という答えが返ってきました。
今年が初収穫なので、このKさんのワインは白ワインなら、来年秋くらいにリリースされるかもしれません。

Snowdenのワインは、よく名前を目にするものの、何故か今まで口にしたことがありませんでした。
ロスト・ヴィンヤードは、スノーデンのセカンド・ラベルです。だから、ナパ・ヴァレーのカベルネでありながら、
1本30ドルと、お買い得。
ワインメーカーのDiana Snowdenさんは、2001年にUCデイビス校を卒業したばかり。
ピチピチの、とびっきり美人です。大学卒業後、すぐにフランスに移住し、ブルゴーニュにある「Domaine Dujac」で
セラー・マスターをしています。
「こちらに帰ってきてワイン造りをしてくれ」と、お父様から懇願されて、2005年から、ブルゴーニュと
カリフォルニアを行き来する生活となっているとのこと。

上記ロスト・ヴィンヤードのカベルネは特に印象に残らない、「普通」なワインだなあと思ったのですが、
ダイアナさん自らがテーブルを回って注いでくださった、スノーデンのカベルネ05バレル・サンプル、
これが「目が覚める」ような素晴らしさでした。
ロスト・ヴィンヤードではない、本ラベルの方のカベルネだから、クオリティも高くて当たり前なのでしょうが、
この日頂いた、どのカベルネよりも群を抜いて印象的でした。
とてもきれいなフルーツの香り、きれいな味わい。香りや味を表現するのに「きれい」という言葉は不適当かも
しれませんが、「きれい」なんです。そういう印象。
リリースされるのは、まだまだ先のことになりますが、とても楽しみです。忘れないでおきたい。

お料理もおいしく、(特にリゾットは素晴らしい)、これだけの素敵なワインが頂けて、しかも造り手ご本人達に
お会いできて、おしゃべりもできて、それで「税・サ」込みで 130ドルなのですから、これはとてもリーズナブルだと思います。
売り上げの一部は、乳がん治療リサーチのNPOに寄付されるということもあり、このイベントが満員御礼になったのも
もっともなことです。

ほんの10年前と比較しても、女性ワインメーカーの数はぐんぐん増えていっているように感じます。
ワインメーカーとしての名声は、時間をかけて築きあげられていくものであるため、今現在ワールドワイドに有名な
女性ワインメーカーさんは、そろそろ中年の域に達しています。(それを越して、シニアの域の方もおられます)
これから数年〜10年は、世代交代の時期となるでしょう。
今回のイベントで、若いワインメーカーさんにお会いして、「明るく元気な輝く未来」を感じました。

                       
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