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                    2005年8月31日

                    今週は8月21,22日に、サンフランシ
                    スコ・フォートメイソンで開催された、
                    恒例一大ワイン・テイスティング・イベン
                    ト「FWOC(ファミリー・ワインメーカーズ
                    オブ・カリフォルニア)」のレポートを
                    お送りします。
                    (同イベントの2003年レポートは、こちら2004年は、こちら。)

                    年間を通じて、様々なテイスティング・イベントがあちこちで開かれていますが、参加ワイナリーの数、
                    出されるワインの数、入場者数、すべてにおいて、おそらくカリフォルニア最大の規模を誇る
                    イベントが、このFWOCです。

                    昨年から、日曜日が一般公開(前売り券35ドル)、月曜日がトレード及びメディア・オンリーと
                    2日間にわたって開催されています。
                    そして今年から、秋リリース前に希望ワインをディストリビューターが確保できるようにと、
                    毎年11月に行われていたものが、8月開催に前倒しされました。

                    この時期にサンフランシスコを訪れることがあったなら、是非、行ってみて頂きたいです。
                    前売り35ドル、当日券でも40ドルというのは、とてもリーズナブルな料金ですし。

                    参加ワイナリー数、約370、しかもひとつのワイナリーで数種類のワインが出されるのですから、
                    これ全部をテイストするなんて、2日両方通ったとしても、到底無理というものです。
                    事前に、FWOCのサイトに載っている参加ワイナリーのサイトに入り、興味を覚えたものだけ
                    そのブースに訪れる、という方法を取っていましたが、それでも、300以上のワイナリー・サイトを
                    ひとつひとつ、チェックするのは相当、体力と時間を要します。

                    今年は、そこで、ヴァラエタル一本勝負に出ました。
                    マイ・ワインを造ったことは、当「あれこれ」の「新聞連載シリーズ」でご報告していますが、
                    2004年ヴィンテージでシャルドネにトライしたあと、今年2005年ヴィンテージは、
                    (凝りもせず)、ヴィオニエを手がけることになっています。

                    FWOCサイトで、ヴァラエタル別リストを見て、テイストしたことがないワイナリーのものを
                    ピックアップしました。
                    以下、ヴィオニエを中心に、その他のものでも印象的だったものを記しておきます。        
                    (註)「Vyd」=Vineyard          

Amazon Ranch

2004 Viognier
Domiano Vyd
$30.00
 
 ヴィオニエしか作っていない、これこそ
 「ファミリー・ワイナリー」。
 2004年ヴィオニエは、シエラ・フット
 ヒルのドミアノ・ヴィンヤードのフルーツ
 から造られており、生産量たったの
 200ケース。
 ワインメーカーの奥様、クリスティンさん
 がサーヴされていましたが、彼女は
 5姉妹のうちの一人。生まれ育った
 ナパの場所が「アマゾン・ランチ」と
 呼ばれており、そこからワインの
 名前がつけられました。
 「私も背が高いけど、母も他の姉妹も全員、デカいの。」と
 クリスティンさん。
 パンフレットに、ワインメーカーのご主人Allanさんがこう
 書かれています。
 「Amazon Ranch wine is dedicated to strong and
  courageous women everywhere

 
Anglim Winery

2003 Viognier
Bien Nacido Vyd
$22.00

2003 Viognier
Fralich Vyd
$22.00

 

 
  映画「サイドウエイズ」で脚光を浴びた
  エリア近く、パソ・ロブルスにある
  小規模ワイナリー。
 ローヌ品種のみを扱い、シラー、グル
  ナーシュ、ヴィオニエ、ルーサンヌ、
  シラーのロゼを造っておられます。
 オーナー&ワインメーカーのスティー
  ヴ・アングリムさんは、昔、ロサンゼルス
  の日産でお勤めされていたことがあるとのことでした。
 ピノ・ノワールで有名なBien Nacido畑のヴィオニエは、
 酸味がキリっと効いて、ライチーとハチミツの味わい。
 Fralich畑のヴィオニエは、アプリコットの風味が増し、
 まったり感が前者のものより強かったです。
 どちらも、とっても美味しい。ラベルもシンプルで美しい。
 
Clautiere Vineyard

2003 Viognier
Estate
$23.00

 
 とにかく、ブースにおられたマネージャ
 ー、Robert(仏風にロベールと発音)の
 底抜けの明るさ、熱心さに圧倒され
 ました。だからというわけではないです
 が、数あるヴィオニエの中で、ここの
 ヴィオニエが一番印象的でした。
 好みに近いヴィオニエ。発酵も熟成も
 ステンレス・スティ−ル使用、二次発酵
 (マロラクティック発酵)もブロック。
 強すぎない酸味と、ピーチ、洋梨の
 味わい。
 高級ワインの味わいはないかも
 しれませんが、季節を問わず、肉厚な
 魚料理にぴったりくるヴィオニエだと
 思いました。
 ワイナリーのサイトには出ていません
 が、ポートも少量作っており、「あとで
 戻ってきてネ、ポートが好きなら」と
 ロベールに言われ、その通り最後に
 立ち寄り、テイスト。これが、また・・・。ああああ、極楽。
 
Spann Vineyard

2003 CH-Vio Blend
Sonoma County
$20.00

 
 ウエブサイトを立ち上げていないワイ
 ナリーです。奥様のBetsy Spann
 さんが「Winegrower」、ご主人の
 Peterさんが「Marketing」を担当して
 いる、極小ワイナリー。左のワイン名
 は、私が勝手に略して書いてあるもの
 ですが、シャルドネ75%、
 ヴィオニエ25%の白ブレンド・ワイン
 です。ドライ・アプリコット、ピーチ、洋梨
 の風味、酸味は低め。
 どちらかというと、酸味がガツンと感じら
 れるものが好みなのですが、スパンのブレンドはメローな、
 大人っぽい味わいがあり、なかなか素敵なヴィオニエだと
 思いました。ベッツィーさんが、またとても素敵。
 
Terremoto Cellars

2004 Viognier
Suisun Valley
$28.00

 
 知名度がさほどないワイナリーばかり
 狙うせいか、私が立ち寄るブースは、
 大抵人が少なく、ヒマそうにしている気
 がしました(笑)。このTerremoto
 立ち寄ったのは、Suisun Valley
 
(ススーンと発音)のフルーツを使って
 いるからでした。
 ワイナリー施設自体は、マリン郡の産業
 地帯にあるテレモトは、ミルウオーキー
 に住んでいたワイン大好きの若いカップ
 ル(Chris&Karen Gallien)が、
  2002年にカリフォルニアに移住してきて興したワイナリー
  です。奥様のカレンさんがワインメーカー。
 Suisun Valleyはナパの東、山をひとつ越えた向こうに
 あり、ヴィオニエが比較的多く栽培されているセントラル・
 ヴァレーに近い気候を持ちます。
 ステンレス・スティール・タンクでの発酵、熟成、そして
 マロラクティック発酵をさせずに造られたヴィオニエは、
 ほのかに甘く、酸味がバシっと効いていて、さぞや、
 タイ料理などのスパイシーなアジア料理に合うだろうな
 と思わされる、ナイスなワインでした。 
 
Wattle Creek

2004 Viognier
Alexander Valley
$25.00

 
 ラベルに使われている花は、アカシア
 の一種で、これが「Wattle」という名。
 Russian River Valleyのご近所、アレキ
 サンダー・ヴァレーとアンダーソン・ヴァレ
 ーの境あたりに、ご自分達のヴィンヤード
 を所有しておられ、ワトル・クリークの
 ワインは全てEstate Grownです。
 私が造るヴィオニエも、ここの近くの畑の
 フルーツを使いますので、とても興味が
 ありました。
 グリーン・ライムの風味が爽やかな、実にクリーンな
 ヴィオニエでした。サーヴしていたマネージャーさんは、
 「ソーヴィニョン・ブランがウマいよ」と言ってくれてました
 が、私は断然ヴィオニエの方が好きでした。
 つい最近、サンフランシスコ・フィッシャマンズワーフの
 ギラデリ・スクエア内にテイスティング・ルームをオープン
 させたようですが、アレキサンダー・ヴァレーの本拠地にも、
 来春、テイスティング・ルームがアポ制でオープンするので、
 是非、そちらも行ってみたいと思います。
 

             

番外編

 Revana Family Vineyard
 わずか9エーカーの所有畑で、ヴィンヤード
 マネージャーにJim Barbour氏、ワイン
 メーカーに、Heidi P Barrettさんを招聘
 してカベルネ・ソーヴィニョンだけを造って
 います。
 最近、セントヘレナにテイスティング・ルーム
 をオープンさせたばかり。近々、当サイト
 でもご紹介したいと思います。
 この日、唯一テイストしたカベルネでしたが、
 1本90ドルもしますので、こういうイベント
 は本当にありがたい。

 
 
 Mahoney
 シンプルなラベルに
 つられて、予定外の
 テイスティングでし
 たが、カーネロス地区
 のフルーツ〔全てエス
 テート)だけを扱う
 ワイナリー。
 マハニー・ヴィンヤ
 ードのピノ・ノワール
 2002が、思いのほか
 美味しく、24ドルという価格が気に入り
 ました。写真は、オーナーのマハニー氏。
 
 
 Mi Sueño
 個人的に密かに追い
 続けているワイン・
 メーカー、
Roland
 Herrera氏のワイ
 ナリー。彼はずっと
 
Paul Hobbs
 エブリデイ・ワインメー
 カーだったのですが、
 自分のブランドに専念
 するべく、ちょっと前にポール・ホブスを
 辞めておられます。
 彼の造るシャルドネ、ピノ・ノワールは、
 「誠実」という言葉がぴったりくる、そういう
 心温まるワインです。
 とっても久しぶりにお会いしたのですが、
 あのシャイな笑顔で迎えてくださり、
 嬉しかったです。(写真:右がローランド)
 
 
 Roessler
 Wells Gathrie氏が
 ワイン・メーカーとして
 雇われているワイナリ
 ーで、さすが、他とは
 一線を引くピノ・ノワー
 ルを出しています。
 オーナーのRoger
 Roessler氏(「レス
 ラー」と発音)とお話を
 していたら、彼が、
 ナパのレストラン「Budo」のオーナーだと
 いうことがわかり、どおりで、あそこのワイン
 リストがウエルズのワイン特集を組んでた
 わけだ、と納得。
 「サンフランシスコにも、同じようなレスト
 ランを開こうかと考えているんだけど、どう
 思うかね?」と聞かれましたが、「天下の
 激戦区ですからねえ・・・」と、言葉を濁し
 ておきました。
 2003年ものから、ラベル・デザインが変わ
 っています。
 


                     
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