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20090819

今年の夏は、実にマイルドです。暑くて暑くて・・となる日が非常に少ない。
日中ちょっと肌寒いくらいの気温で、汗をまったくかかない日の方が多いくらいに感じます。
天気予報によると、明日から週末にかけて、夏らしい気温になるとのこと。

今週の「あれこれ」は、「20ドル以下のカリフォルニア・ワイン」 Vol.39 をお届けします。(1ドル越えてますが)

Tallulah
Syrah, Shake Ridge Ranch, Amador County  2005      21 ドル

ワインカントリー日本語ガイドのお客様に、よく聞かれる質問の一つが、「どの品種が一番好きですか?」です。
(一番多い質問が、「どのワイナリーが一番好きですか?」)
私にとって、この質問は、友達とか子供とかが、たくさんいるとして、「どの子供、どの人が一番好きですか?」
と聞かれているのと同じようなもので、答えようがないというのが正直なところです。
「全部、何でも好きです」と、当たり障りのない答えになってしまうのが心苦しいのですが、
実際、本当に、品種については何でも好きです。

10年前だったら、迷わず「ピノ・ノワール」と答えていたでしょうし、15年前だったら「やっぱりカベルネかなあ」と
答えていたかもしれません。
でも、「XXしか飲まない」としてしまうには、まだ若いと自分では思っており、そういうことを言っても許されるような年齢になるまで、
とにかく選り好みしないで、何でも楽しんで飲みたいわけです。

で、シラーですが、カベルネ・ソーヴィニョンやピノ・ノワールと違って、「私はシラーが大好きで・・」と、おっしゃる人が
そんなにいらっしゃらないような気がします。
ジャンファンデル同様、アルコール度が高い強烈赤ワイン、というイメージが強いのかもしれません。

カベルネやメルロー、ピノ・ノワールよりも廉価で手に入るワインだったシラーも、少量生産の単一畑ものが登場してくるにつけ、
その価格は、有名ピノ・ノワールとほとんど差がないところにまで来ています。
それでも、探せば、まだ20ドル以下のナイスなシラーは存在します。
そして、その当たり外れのなさ度は、ピノ・ノワールよりも数段上でしょう。

この「Tallulah」は、単一畑のソーヴィニョン・ブラン、シラー、ローヌ・ブレンド(シラー、グルナッシュ、ムールヴェードル)を生産
しているワイナリーで、いづれも生産量がそれぞれ400ケースを越えないというブティック・ワイナリーです。
上記に紹介しているワインも、生産量たったの330ケースで、しかも単一畑もので、それで20ドルちょっとなのですから、
健闘しておられるなあと思うのであります。 (ワイナリーのウエブサイト上では、26ドルで販売されています)

パっと見は、さほど心惹かれるものでもないのですが、食事をしながら、ボトルをしげしげと拝見するに、両手を後ろで軽く組んで、
どこかを眺めている女性のうしろ姿が何とも、想像力を掻き立てられるもので、Tallulah の文字フォントも素敵です。

廉価なシラーに見られるバランスの悪さは、このワインには見当たりませんでした。
好きなシラーのタイプに典型的な胡椒風味がまず来て、スモーキーで、ほんの少し野獣っぽい風味がして、
そしてベリー風味・香りが、周辺をふわふわしている・・・。
チラっと漂ってくるエキゾチックなスパイスと、熟しきっていない緑色のオリーヴの風味が、
ただ飲みやすいだけで印象に残らない他の廉価シラーと一線を引いているように思いました。

この日は、ポーク・チョップのソテーでした。つけあわせには、ブロッコリーをオーブンで焼いたもの。
ポークチョップそのものが、大層美味しそうだったので、ソースは単純に、バターでディグレースしたものに
ウスター・ソースをちょっと足したもので。
シラーとポークの組み合わせは、我が家の定番のようになってきており、間違いないのは間違いない。
 

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