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2009年01月21日

先々週の後半から先週にかけて、もう春か夏かと思うくらいの気温の快晴日が続き、12月にちょこっと降った雨も、これで一気に
なくなっただろうと思われます。もっとたくさん雨が降ってくれないと、また今年も水不足になってしまいます。
今週は、今日から週末まで雨模様なようですが。

今週の「あれこれ」は、ワイナリー・オープン・ハウスの様子をレポートします。
同じ内容のものを編集して、「ワイナリー紹介」にもアップさせました。

訪れたのは、MacPhail Family Wines です。
ここでテイスティングをして、
Healdsburgでランチして帰ってこようと思い、片道1時間半かけて行ったのですが、同じ週末に折りしも、
Russian River Wiine Road主催の「Winter Wineland」イベントが開かれていて、参加ワイナリーには結構な数の人が訪れていたようです。
テイスティングを終えて帰ろうとすると、マックフェイル夫人がわざわざお見送りに出てこられ、「これからワインランドのワイナリーをあちこち
周るの?」と聞かれ、「いえ、マックフェイルのオープンハウスに来ただけで、今からランチ食べて帰ります」と申し上げたら、いたく感激されて
しまいました。

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2002年に当ブランドを立ち上げたマックフェイルは、3年の計画・設計期間を経て、2008年秋に、自分達の醸造施設を
完成させました。オーナー&ワインメーカーであられる
James MacPail氏御一家のご自宅のすぐそば、
Healdsburgの街から、細い一本道を5分ほど走ったところにあります。

ジェイムスさんご自身は、ドライ・クリーク・ヴァレーにある「Quivira」でのセラー・ワーカーからスタートし、ソノマ郡における
ピノ・ノワールを代表する造り手、メリー・エドワーズさんや、ゲアリー・ファレル氏と出会い、ワイン造り及びピノ・ノワールへの
造詣を深めたと言われております。

ピノ・ノワールに限定してワインを造るスタイルは、04年ヴィンテージでカベルネ・ソーヴィニョンを出した段階で途切れてしまった
のですが、(初期にメルローも出していたことあり)、現在リリースされている06年ヴィンテージからは、再びピノ・ノワールのみ、の
ラインアップに戻っています。
とりあえずの目先の収入が必要なため、収穫の翌年にリリースできる白ワインを造っているワイナリーが多い中、年間生産量
およそ3000ケース弱の規模で、よくやっていけているなあ、しかも醸造施設まで、よく造ることができたなあ・・というのが、
素朴な感想なのですが、きっと、ジャイムスさんご自身が裕福なお家の出身なのでしょう。
まあ、そういう野暮なことは置いておいて。

最初にマックフェイルのワインに出会ったのは、2004年の「ファミリー・ワインメーカーズ・オブ・カリフォルニア」で、
その時のことを「あれこれ」でも書いています。あれから4年の月日が流れたわけですが、上記イベント以来、
当ワイナリーのメーリング・リスト・メンバーであり続けていて、「なんちゃってブログ、こんなもの食べてます飲んで
ます」でも、ちょこちょこ登場しており、まあまあ、忠実な顧客の一人なのではないかと思っています。

昨年末だったか、年が明けてからだったか忘れましたが、メールで「ワインリー施設完成祝い、オープン・ハウスを開きますので、
1月17・18日の週末、是非お越しください」との案内が届きました。
天気もとても良さそうだったし、週末のドライブがてら寄ってみようと思い立ち、「寝ていたいんだけど」と言いたげな主人を
引っ張って行きました。

Healdsburgの街から、そんなに離れていないのに、マグノリア・ドライヴは途中から急に細い通りとなり、
対向車が来ようものなら、お互い徐行運転をしないと危ないくらい。
マックフェイルのラベルにも使われている「ワゴン」に、ワイナリーのサインを乗っけたキュートな入り口。
真っ青な空に大変よく映えるアースカラーの建物。

さほど大きくないサイズの発酵タンクが8個ほど並んでいるだけの、本当に小規模な醸造施設ですが、自分が今!と思う収穫の日に
葡萄を摘んで、自分の思い通りにクラッシュパッド、発酵タンクその他必要設備を使うことができる状態というのは、ワインの造り手に
とっては、やはり理想でありゴールなのであります。

この日は、2006年ヴィンテージで、売り切れになっていないピノ・ノワールがテイスティングに出されていました。

MacPhail, Pinot Noir, Anderson Valley 2006  $45   生産量652ケース
      2006
のアンダーソン・ヴァレーは、Toulouse Vineyardと、Wightman House Vineyardのブレンド。
   昨年まで、
Toulouse のシングル・ヴィンヤードが造られており、それが私は結構好きでした。
   メーリング・リスト・メンバーでいると、ついつい生産量の少ないシングル・ヴィンヤードものを買い、アペレーション・ブレンドには
   手を出さずで終わってしまいますので、今回、これを試飲できたのは収穫でした。
   アンダーソン・ヴァレーのスモーキーさが柔らかめに抑えられていて、飲みやすい。  
     

MacPhail, Pinot Noir, Pratt Vineyard, Sonoma Coast, 2006    $58 
  生産量578ケース
  
当ヴィンヤードのものは、過去2ヴィンテージ飲んできていますが、今回06年ものを頂いて、今までの印象と
   少々違うように思いました。あくまで私個人の好みの問題なのですが、どうも枯れた感じが強くて、何年も
   置きっぱなしになっているようなスパイスの風味がして、「う〜〜ん」。

  
MacPhail, Pinot Noir, Ferrington Vineyard, Anderson Valley, 2006  $52  
生産量250ケース
  
最初に、一部のロシアン・リヴァー・ヴァレーのピノ・ノワールのような、甘いチェリーの香りがフワ〜と漂って
   くるのですが、口に含むと、アンダーソン・ヴァレーらしい大人っぽい
earthyさ、スパイシーさがどんどん出て
   きて、酸もしっかり存在して、とても美味しく頂きました。
   これは、リリース直後に購入済みなので、次回開ける時が楽しみです。

MacPhail, Pinot Noir, Frattey Shams Vineyard, Anderson Valley, 2006  $55  
生産量150ケース
  
このワインだけ、ディキャンターに入れられて、サーヴされていました。
   きれいに元気に立ち上がってくる香り、エレガントで滑らかなテキスチャー、大人っぽいスモーキーさ、「来い!」と思った時に
   タイミングよく現れる酸。すべてが素晴らしいワインでした。

メーリング・リスト・メンバーは15%オフでしたので、アンダーソン・ヴァレーと、Frattey Shams を買いました。
生産量が少ないので仕方ないのかもしれませんが、大不況の現在では、当ワインのファンでない限り、50ドルを越すワインを
買う人がどれほどいるのだろうかと心配になります。
生産量100ケース台で、60ドルする一番高いシングル・ヴィンヤードのピノ・ノワール2本が、既に売り切れになってしまっている
状況を見ると、メーリング・リスト・メンバーには余裕のある人がたくさんおられるのだなあと感心しますが、今年はどうでしょうか。

ジェイムスさんは、現在、Hess Collectionワイナリーのピノ・ノワール・プロジェクトに携わっておられるとのことで、何という
ブランド名でそれが出てくるのか、楽しみです。

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