ホーム    日本語ガイド    フード&スポット    ワイナリー紹介    人&ビジネス    あれこれ    コンタクト

                       

2008年01月09日

新年明けましておめでとうございます。クリスマスから年末年始にかけて、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。
今年はどこに行くこともなく、静かで平和なホリデー・シーズンを過ごしました。
クリスマス・プレゼントに何を家族からもらったかとか、そういうことは、月末の「なんちゃってブログ」で簡単に書くとして、
今週の「あれこれ」は、恒例年末年越しの集いについて書きます。

ここ数年、大晦日と言えば、ワイン&鴨なべということになっており、今回もそれを滞りなく行うことができて、本当に幸せに感じました。
しか〜し!記憶というものは実に頼りないもので、前の年の大晦日にどんなワインを飲んだのか、今ふと思い出そうとしても、まったく
思い出せない。当サイトの「あれこれ」バックナンバーを見返してみて、やっとこさ「そうだった」と思い出すことができたわけで、
何事も、文章にして残しておかないとダメだなあと、改めて思いました。

過去、あまりにたくさんのディッシュをこしらえたために、お腹パンパン身動き不可状態になっていたことから学び、前回(2006年末)から
かも鍋と年越しソバをメインにして、あとは前菜1品、サラダ1品、そして食後のチーズのみに抑えることにしていました。

メニュー:
カンパチのお刺身
葡萄とロックフォート・チーズのサラダ
鴨なべ
チーズ(黒トリュフ入りペコリーノ・チーズ、ソフト・ゴート)
年越しソバ

鴨を丸々一匹さばいてくれるMさんは、毎年、新鮮なお刺身も用意してくださいます。今年は、カンパチ。
まあ、これが美味しいのなんのって、パクパクパクパク、こういうお刺身を一人5切れ以上食べられる機会など
滅多にないわと、がっついておりました。
魚の骨に残った身の部分も絶対にうまかろうと、Mさんに話を向けると、しゃっしゃっと身をほじり取り、ネギと混ぜて
1品作ってくださいました。でも、量がないので、ここは私も大人になり(大いなる努力を要しました)、
息子二人にその恩恵を譲り、炊きたてのご飯に乗せて、食べさせました。
横から見ているだけでも、「美味しそう〜〜〜」。かなり私の視線は恐かったと思います。

サラダは私が用意。ファーマーズ・マーケットで買ってきた葡萄の粒を半分に切ったもの1カップ分、ロックフォート・
チーズをバラかしたもの1カップ、ローストしたくるみ1カップ、これを新鮮なグリーンの上にどさっと乗せて、
ドレッシングと一緒にトス。
ドレッシングは、エシャロット、赤ワイン・ビネガー、パセリ、エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル、荒粒ディジョン・
マスタードを混ぜて。
このサラダのレセピをフード雑誌で見つけて、これまでに数回作っているのですが、今回はチーズの選択に重点を
置き、スーパーのものではなく、ちゃんとチーズ屋さんに行って、テイスティングして決めたロックフォートを使用して
みました。結果、これが大正解。今までで、一番美味しかった。

ワイン:
PRIVAT, Laieta Cava, Reserva
Favia, Pinot Noir, La Josefina, Russian River Valley 2005
Maboroshi, Pinot Noir, Russian River Valley 2005
Broman, Cabernet Sauvignon, Napa Valley, Reserve 2001
Lagier Meredith, Syrah, Mt.Veeder, 2003
Roederer Estate, L'Ermitage, Brut, Anderson Valley 2000

今回は、スパークリングで始め、スパークリングで終わるよう設定。
2年前に、
Privatのカヴァ、グラン・レゼルヴァを最後に飲んでいたので、今年はワンランク下のレセルヴァでスタート。充分美味。
お刺身に、スパークリングは無難ですが、やっぱりナイス・マッチングです。

そして、2本目のFavia。このワインについては、当サイトで2005年6月に初めて登場させて以来、メーリング・リスト
にも登録し、2度ほど別の欄で書いていますが、この日一番のワインとなりました。
最初に頂いたのは、同じピノ・ノワールの2003年ヴィンテージでしたが、今回の05年ヴィンテージは、その時の
強烈な印象を更に更に大きく上回る衝撃を受けました。

ピノ・ノワール=柔らかいとか、そういった類いのイメージをバサ〜っと切り捨ててくれます。かと言って、フルーツ
爆弾のような、2杯目が辛くなる類いのものでも、まったくありません。
香りからして、「え、こういうピノ・ノワールがあるの?」と驚かされるような、深い深〜〜い香り。
底がまったく見えない井戸に吸い込まれていくような、そんな感じの香りです。
そして、加齢臭のない、素敵に年を重ねたジェントルマンに寄り添っているかのような、ちょっと危険な、でも
心底安心させられる味わい。(ああああ、どんな味わいだ、これは) 成熟した大人の味わいなのです。
顕著な野獣っぽさが、鴨なべの鴨肉にぴったり合って、「う〜ん(美味しくて唸っている)」と
「うふぁふぁ(美味しくて嬉しい)」が交互に続きます。
実に、実に、素晴らしいワインでした。

もちろん、そのあとのワインも素敵でしたし、とても美味しく頂きましたが、Faviaによって受けた衝撃は、ずっと後を
引きました。
で、気づいたら、かなり酔っ払っていたわけです。
年越しソバも、ちゃんと味わって、美味しい美味しいと言っていたし、テーブルに空間を作るために洗い物をせっせと
していたし、チーズも「イケるねえ」と楽しく頂いていたのに、途中から記憶が飛んでいることに、翌日気づきました。

カウントダウンの時に開けたRoedererのスパークリングなど、一体誰が開けたのか、実際に私が飲んだのか、
どんな味だったのか、まったく記憶にない。(右の、ボトルの写真を撮ったことさえ覚えていない)
・・・と、こうして凝りもせず、大酔っ払いで新年を迎えたのでありました。

本年も、よろしくお願いいたします。

          back