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PRIMA RISTORANTE  恒例「Annual ピノ・ノワール・サミット」

時が過ぎ行くのは本当に早いもので、ウオルナット・クリークにある「プリマ・リストランテ」の人気イベント
「ピノ・ノワール・サミット」の時期になりました。今年で3回目のイベントです。
昨年の様子は、「あれこれ2004年5月26日」をご覧下さい。

今年もイベント告知が出た途端、予約が順調に入り、満員御礼となりました。
「プリマ・リストランテ」は、名前の通りイタリアン主流の店で、隣接してワイン・ショップがあり、
テイスティング・イベントも必ず、フードが一緒にペアリングされるという、このあたりの住民にとっては
ありがたい店であります。

ワイン・ショップのワイン・ディレクターJohn Rittmaster氏が、つい最近、リストランテのシェフと共に、
店の共同オーナーになったそうで、素晴らしいことです。
ジョンさんは、前にも書きましたように日本で暮らしたこともあるので、日本語が堪能。
奥様も日本語べらべら。加えて、Co-ownerのシェフ、
Peter Chastain氏も日本語を話すという、
なんとも珍しい環境。

当日のコースは以下でした。

Antipasto: 白マッシュルームのサラダ、チキン・レバーのクロスティーノ、
       セージ・パンチェッタで巻いたラビットのソーセージ、
Primo Piatto: グリーン・ピースとリコッタ詰めのアグノロッティ、ワイルド・モレル・マッシュルームのソース
Secondo Piatto: タイム風味のラック・オブ・ラムのロースト、かぶ、にんじん、新じゃが添え
Formaggio: 「ピエール・ロベルト」(仏)のソフト・チーズ
Dolce:    イチゴとルバーブのクロスタータと、ヴァニラ・ビーンのジェラート

昼すぎに行った「ダイアモンド・マウンテン・テイスティング」イベントでも、食べ物に手をつけず、
このディナーに備えたのですが、それでもチーズに至る頃には、もうお腹パンパン状態。
うううううと唸りながら、ジェラートを口にしていました。

でも、どのディッシュもとても美味しかったです。特に新鮮なグリーン・ピースとリコッタのアグノロッティ
(パスタ)は、ピノ・ノワールともよく合って最高でした。

さてピノ・ノワールですが、今回も7人の造り手が、以下のワインを携えて集まりました。

              

Capiaux
2003
Garys' Vineyard
Santa Lucia Highlands
$40.00
Mr. Sean Capiaux
 
 ショーン・キャピオーさんについては、 私が別のサイトに
 インタビュー記事を書いておりますので、よければそちら
  ご覧下さい。
 半年ぶりくらいにお会いしたショーンは、相変わらず若々しく
  (いや実際に若いのですが)、ナイス・ガイです。
 私達のテーブルに約束通り来てくれて、あれやこれやとお話し。
 ショーンにかかると、Garys'のピノも、Pisoniのピノも、
  フェミニンな柔らかさ、優しさ、エレガントさが突出します。
 エクスサイズをちゃんとしていてナイスなプロポーションでありながら、
  ほんわかした雰囲気をもつ、そんな素敵な女性を彷彿するピノ・ノワールです。
 レセプションで振舞われていたピノ・ノワールのロゼ「Swink」が軽やかで、
  夏ワインとして素晴らしいと思いました。値段も、12.25ドルというリーズナブルさ!
 
Drew
2003
Rio Vista Vineyard
Santa Rita Hills
$29.97
Mr. Jason Drew
 
 当日、参加ワイナリー・リストを見て、一番嬉しかったのは、
  「Drew」の名前を見つけたことでした。一度飲んでみたかった
 ワインです。その期待を裏切ることなく、Drewのピノ・ノワールは、
  この日一番のワインとなりました。
 ピノ・ノワール産地として、ここ数年で知名度が飛躍的に上がった
  サンタ・リタ・ヒルズ地区のヴィンヤードからのピノ・ノワールは、
  凝縮したベリーの甘さが、素敵なアロマとしてグラスから
 溢れ出る、実に実にクールなワインでした。
 Clos Pepe畑のピノも手がけているそうで、そちらも是非飲んで
 みたいものです。
 そして、私たちがここのワインを大変気に入ってしまった理由のひとつが、
  その値段。(左記) プリマ特別料金ですので、他で買うより安くはなって
  いますが、それでも、これだけのピノなら1本$45くらいで売られていても
  おかしくないくらいです。
 ワインメーカー&オーナーのジェイソンは、遠目からは無愛想な男性に
  見えたのですが、私達のテーブルに来てくれた彼は、情熱たっぷりに
  ご自分のワインを語る、なかなかナイスな人でした。 
 
El Molino
2001
Napa Valley
$50.97
 
 今や、カーネロス地区以外のナパ・ヴァレーで収穫された葡萄を使っての
  ピノ・ノワールというのは、かなり珍しい存在になっています。
  エル・モリーノのピノ・ノワールは、8割ほどがラザフォードのスター・ヴィンヤード
  からのフルーツで成っていて、毎年毎年コンスタントに、そのクオリティの高さを
  維持し続けてきています。
 「間違いないワイン」として、尊敬するべき造り手だと思います。
 
Goldeneye
2002
Anderson Valley
$51.97
Mr. Zack Rasmuson
 
 ナパのダックホーン・ワイナリーが経営スル、ピノ・ノワール専門のワイナリーで、
  メンドシーノの近くにあります。
 「ワイナリー紹介」で取り上げておりますので、そちらもご覧下さい。
 群を抜くジャミーな香りが、とても印象的な2002年のピノ・ノワール。
 時間がたつと共に、段々とこなれた味わいになっていったのですが、その分、
  個性が消えていくような感じを受けました。
 
Hirsch
2002
Sonoma Coast
$59.97
Mr.David Hirsch
 
 カルト・ヴィンヤードと呼ばれてもおかしくないハーシュの
  オーナーが登場してくるとは思いも寄らず、嬉しいサプライズ
  でした。
 7つのグラスがテーブルに並べられ、ひとつずつ鼻を近づけて
  香りだけ先に確認した時、このハーシュのピノ・ノワールが
  一番際立って、香りがたっていました。
 その香りに負けず、味わいも芳醇、高貴な甘さとタンニン。
 高級ピノ・ノワールはかくあるべき!といった感じの威風堂々な
 ワインでした。これを味わえただけでも、今日来た甲斐が
 あったというものです。素晴らしい。
 興味深かったのは、テーブルを練り歩くワインメーカーさん達、
 ほぼ全員が、5番グラス(ハーシュのピノ)を持ち歩いていたことです。
 
Patz & Hall
2003
Sonoma Coast
$32.97
Mr.James Hall &
Ms. Anne Moses
 
 次から次へと新しい造り手、ワイナリーが登場してくる中、パッツ&ホールも
  今や中堅どころのワイナリーとなってきています。
 ソノマ・コースト・ピノ・ノワールは、約12ほどの畑からのフルーツのブレンドで、
  これはこれで決して悪くはないのですが、パッツ&ホールのピノ・ノワールの
  醍醐味は、やはり単一畑ものにあると思います。
  特に個人的には、アルダー・スプリングスのピノが好きですが、
  値段も安くないので、なかなか買えません。
 
Point Concepcion
2003
Santa Rita Hills

Mr.Peter Cargasacchi
 
  
Cargasacchi(カーガサッチ)・ヴィンヤードと言えば、Siduri
   Babcock, Brewer-Cliftonなどに、フルーツを提供
 している、サンタ・リタ・ヒルズ地区では確固とした地位を誇る
 畑です。その畑の栽培者であるピーターが、フード・フレンド
 リーなワインを目指して立ち上げた自らのブランドが、
 この「ポイント・コンセプシオン」。
 なんと、この日の朝、樽からだしてきたばかりというもので、
 残念ながら、何というかサルファーのような化学物質の香りがきつくて、
  まだ出してこない方が良かったのではないか?と、これはピーターご本人にも
  言ってしまいました。
 イタリアからの移民家族5代目のピーターは、一族の中で初めてアメリカで
  生まれた子だそうです。
 畑仕事に従事して、ワイン造りをしているのが本来の姿なのでしょう。
  ネクタイを締めてスーツ姿のピーターは、着心地悪くてしょうがない、といった感じでした。 
 

                  毎回、新しい出会いが待ち受ける、プリマの「ピノ・ノワール・サミット」。
                   食事の間中、ワインメーカーの方々がテーブルを回ってくださるので、直接お話しすることができますし、お互い飲み食いしながらなので、
                   より親密なくだけた会話ができるという点で、とても貴重な素晴らしいイベントだと思います。

                   ひとり$135という安くない値段ではありますが、5コース・ディナーで、クオリティ高いピノ・ノワールを一度に7種類も頂けることを
                   考えますと、決して高すぎではないと思います。
                   来られている方たちも年齢層が高く、豊かそうな人たちばかりで、ゆったり落ち着いて食事とワインを楽しむことができます。

                   こういうお店が、サンフランシスコではなく、ウオルナット・クリークという郊外の街にあるというのが、これまた憎い。

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