ホーム    日本語ガイド    フード&スポット    ワイナリー紹介   人&ビジネス   あれこれ    コンタクト

bushi-tei        武士亭

サンフランシスコのジャパンタウン

現在、アメリカ国内で、いわゆる「日本街」と呼ばれる地区があるのは、ロサンゼルスとサンフランシスコだけ
だと言われています。
カリフォルニア州自体、アメリカ他州と比べてアジア系人種が多く居住している州なのですが、「アジア系」の
大半は中国系、フィリピン系で占められており、日系はカリフォルニア州居住アジア系の0.9%、
ベイエリアで1.1%しか存在していません。(2000年国勢調査結果による)

今年100周年を迎えたサンフランシスコのジャパンタウンは、街の中心ユニオン・スクエアから西に約1.6キロの所にありますが、
今や、この地域周辺に日系人・日本人が固まって住んでいるわけではなく、昔からおられる日系人の方々も当然お年を召されて
きており、「ジャパンタウン」としての独特の存在感が、年々失われてきています。
更に、100周年を迎えたという今年に入って、ジャパンタウンのキー・アンカーだった近鉄エンタープライズ社が、当地区の大半を
占めていた近鉄・都モール、ラディソン都ホテル、都インを売却し、ビバリーヒルズとハワイに多くの物件をかかえる「3Dインベスト
メント社」が新オーナーとなりました。

今後、それぞれの物件がどのように手を加えられるのか、どの程度日本の文化・イメージが守られていくのか、注目されている
ところです。

ひときわ目立つ新旧融合

そういった現状を抱えるジャパン・タウンに、今年初春にオープンしたのが、「bushi-tei」です。
ラディソン都ホテルの通り隔ててお向かい、車で通りを流していても、ブラブラ歩いていても、この新しい
レストランはすぐに目をひきます。全面ガラス張りで、中がよく見える。このあたりでは群を抜いて、
「お洒落」な雰囲気が漂っているのです。

一歩店内に入ると、高い天井と壁を覆っているのは、白い漆喰と、1863年築の長野県・民家から運ばれて
きた木材。
店内の隅には、この木材にまつわる背景が英文で表示されています。
古さとモダンさとが美しく調和された、素敵なインテリアだと思います。

ダイニング・ルームの真ん中には、長さ約6メートルほどの大きなテーブル。通り側に、3人席+2人席。店の奥に二人席が5つほど。
そしてメザニン・レベルに4席ほど。全部で40席程度の、小さなお店です。

オーナー夫妻とシェフ、再会

bushi-tei」のオーナーは、松葉タクミ・恵子ご夫妻。松葉氏は、その昔、ダウンタウンのブッシュ通りに
同名のレストランをお持ちでした。20ウン年前、私がベイエリアに移住してきた時、そのお店を訪れた記憶が
あります。
昔の店をたたんで、しばらく貿易会社を営んでおられた松葉氏が、ご自分の事務所があったスペースを
レストランにコンバートさせて、新・
bushi-teiを開けたのです。

「ジャパン・タウンをこのまま衰退させていってはいけない。日本らしさ、日本の雅を、ここで守って
いかなければ!」という、松葉氏の心意気が、当店を立ち上げたと言えるでしょう。

シェフは、Seiji Wakabayashi氏。1999年、サウサリートの「オンディーヌ」レストランがリニューアル・
オープンした時、彼がエグゼクティブ・シェフとなり、その繊細なシーフード料理は熱狂的ファンをつけていました。
当時、旅行会社で働いていた私は、彼の作り上げる料理が大好きで、パンフレットに掲載すべくインタビュー
までしていたほど。「オンディーヌ」を離れ、南カリフォルニアやダラスに行ってしまわれた時は、がっかりした
ものです。

がっかりしたのは私だけでなく、松葉ご夫妻もそうでした。今回、彼らの店を開けるにあたり、人づてに
たどってたどって若林さんを探し出し、是非当店のシェフに、と交渉されたそうです。 素晴らしい! 
シェフ、若林さんは、私のことも覚えていてくださいました。実際、「
bushi-tei」を開けた時、「戻ってきたよ!」と
連絡しようと、私の昔の職場に電話を入れてくださったそうです。嬉しいではありませんか。

前置きが長くなりました。ディナーを始めましょう。
これから何度も訪れることになりそうでしたし、「オンディーヌ」時代の「おまかせコース」が好きだった私は、この日もそれに
しました。「おまかせコース」は、一晩12オーダー限定になっているようです。$85.00

★前菜:サーディンのマリネ★

  良質の酢が使われているのでしょう、サーディンのマリネは「体にやさしい」マイルドな味。
  冷たいパスタを底にして、サーディンとウニが乗せられ、それをプロシュートで包んでいます。
  下にそっと敷かれているのは、木の芽ソース。
  メニューを眺めている時に、サーヴされたスパークリング・ワインと大層良く合っていました。

★カレイのから揚げ★

  私は魚のフライがうまく料理できません。特に、カレイのから揚げは、カリっと揚げようと
  思っても、身がバラバラにほぐれてしまい、イラ〜〜っとしてきてしまいます。
  だから、ヒレの部分までサクサク食べてしまえる、このようなフライを見ると、それだけで
  「ありがたい」と思えるのです。
  ブロッコリーニ、わらびも、サっと油通しされていて、年代モノのバルサミコ酢がパンチ効かせてます。

★アラスカン・ハリバット★

  白身の魚は、付け合せのソースで、そのキャラクターが大いに変わるものですが、
  今回のソースは「シェルフィッシュ」
  カバー。甲殻類の肉をたたいて、ハリバット(おひょう)に塗って焼いてあります。ナイス。
  彩りも春らしい、スナップ・ピーのビュレーが添えられ、ヘーゼルナッツ・ソースがタラリ。

★インターメッツオ★

  お口直しは、グリーン・トマトのシャーベット。オブラートに包まれていて、お薬飲んでるみたいな感覚に(笑)。
  グリーン・トマトは大好きなので、オブラートなしで頂きたかった。

★子牛肉のロースト★

   子牛肉のパン・ローストに、スイートブレッド(胸腺肉)が添えられ、存在感たっぷりのモレル・
   マッシュルーム。
   さつまいものピュレーが、ほんのり甘い風味を加えていて、カシス・バーガンディ・ソースも濃厚の
     一歩手前な控えめさが素晴らしい。

★デザート★

   ブラック・セサミのパナコッタでした。ごめんなさい、これだけ「コンビニ」のスイーツみたいでした。
   コーヒーを注文すると、カフェ・オレ用のような、取っ手のないカップで出てきました。
   私は、シングル・エスプレッソをお願いしました。

しばらく、ワインは持ち込み

ワイン・グラスは、ローゼンタール。品種ごとに、グラスをそれ用に変えて出してくださるほど、ちゃんと
ワインのことを考えておられるのに、肝心のワイン・リストが少々貧弱なように見えました。
胃にもたれない、清清しい、クリーンな若林シェフの料理に合うワインや、日本酒のリストを、
どなたかコンサルティングしてさしあげれば良いのになあと思います。
さしずめ、白ならリースリング、ヴィオニエあたりをもっと増やして、赤ならミディアム・ボディのピノ・ノワールで
リストの半分以上を占めてしまっても面白いのではないかと。
そして、ハーフ・ボトルのリストがあったら嬉しいな、と。

まだオープンして間もないので、これからワイン・リストも改善されていくことでしょう。
私はそれまで、持ち込みワインで通うことにします。(
Corkage 1本 $15)

                   

bushi-tei

住所  1638 Post Street, San Francisco,
電話番号  (415) 440-4959
ウエブサイト  www.bushi-tei.com
営業時間  
 火曜〜日曜: 午後5時半〜午後10時半(金・土は午前12時半まで)
 月曜定休。
 

                                                                                                     (2006年6月現在)

         back